イタリア宇宙事業団(ASI)
予算の大部分をESAへ拠出
イタリア宇宙事業団(ASI)はイタリア大学科学技術研究省(MURST)の下部機関で、1988年に設立されました。ローマに本部があり、スタッフは組織全体で100人前後(1997年度現在)という小規模な構成です。
イタリアの宇宙関連政策は、ASIが5年ごとに作成する国家宇宙計画(PSN)にもとづいて決定されます。宇宙開発に対する国家予算は、1999年度で年間7億5千万米ドルほどですが、そのおよそ半分弱ほどが欧州宇宙機関(ESA)に拠出されています。といってもこの割合は減少しており、1996年度には6分の5ほどESAに拠出していました。
イタリアが参加している主なESAプロジェクトは「先端型データ中継技術衛星(アルテミス:Artemis)」「ARTES-3」「ガリレオサット」などです。
写真:地球観測衛星「SPOT4」(右)とデータ中継をする「アルテミス」(左)
世界でも有数の測地施設を運営
イタリアはヨーロッパでも早くから宇宙開発事業に取り組んできた国の1つで、近年ではNASAや他国と協力し、イタルサット通信衛星、テザー衛星システム(TSS)、ラゲオス測地衛星、SAX X線天文衛星などを開発しました。
ASIの主な運営施設には、イタリア南部マテラの近くに1983年開設された宇宙測地センター(ASI-CGS)があります。同センターでは主に、宇宙測地学・地球力学、リモートセンシング、宇宙オートメーション・ロボット工学の3分野において、データ分析や科学研究プロジェクトが進められており、国外からも多くの研究者達が参加しています。
このほかにも南部トラパニ市の近くに、気象観測用の気球を打ち上げるミロ基地があります。
写真:ASIの宇宙測地センター
イタリア宇宙機関
(イタリア宇宙事業団 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/25 00:36 UTC 版)
イタリア宇宙機関(イタリアうちゅうきかん、伊: Agenzia Spaziale Italiana; ASI、英: Italian Space Agency; ISA)は、イタリアにおける宇宙活動を促進・調整・実施するために1988年に設立された組織である。大学科学技術研究省の監督下で、宇宙技術分野での各種団体や首相と協力して活動している。国際的には、欧州宇宙機関の委員会やその下部組織にイタリアの代表団を派遣している。ASI の公式な本部はローマにあるが、マテーラとトラーパニにも運営施設があり、ケニアの沿岸にはサンマルコ射場がある。
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