アーバンデザイン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/27 20:33 UTC 版)
「アリス・コールマン」の記事における「アーバンデザイン」の解説
1980年代に、キングス・カレッジ・ロンドンの土地利用調査ユニット (the Land Use Research Unit) の長であったコールマンは、建築家オスカー・ニューマン (Oscar Newman) の防護空間理論(英語版)を発展させた。調査ユニットは、「社会病理 (social malaise)」の指標となるようなもの(放置されたゴミ、ヴァンダリズム(破壊行為)、グラフィティなど)を、インナー・ロンドンのサザーク区とタワーハムレッツ区における、戦後に開発された社会住宅(social housing:公営住宅)について調査し、地区内にあった4050棟の多階層のブロックを調査し、さらにオックスフォードのブラックバード・レイズ(英語版)も同様に調査した。これら調査した指標は、建物の階層数など、一つのブロック(住区)内の様々な部屋数などとの有意な相関関係にある。 アリス・コールマンがその知見をまとめて、1985年に出版した『Utopia on trial(ユートピアへの審判)』 (Coleman 1985) は論争を呼び、ニューマンも、物理的要因と相互作用を起こす社会的要因への関心が不十分ではないかと示唆した。ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン (UCL) バートレット校(英語版)のビル・ヒリアー (Bill Hillier) は、コールマンが見出した巨視的に捉えられた住宅の状態と社会問題の結びつきの多くは、統計の上で生じた見かけ上のものに過ぎず、大きなブロックにより多くのゴミがあるのは、単に大きいからでしかないと論じた。こうした批判もありながら、1991年には政府が5000万ポンドを提供し、一部のエステートが選ばれ、コールマンの指揮の下でDICE (Design Improvement Controlled Experiment) プロジェクトと称された実証実験が行われた (Coleman 1992)。重要だった提案のひとつはブロックとブロックをつなぐ空中歩廊の撤去であり、これは犯罪の機会を減少させるのに効果があったが、DICEの全般的な有効性について、また、社会的、経済的手法に対して物理的環境の設計がより有効と言えるか否かをめぐっては議論が分かれたままである。
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