はやぶさによるイトカワ探査とは? わかりやすく解説

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はやぶさによるイトカワ探査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 01:21 UTC 版)

ラブルパイル天体」の記事における「はやぶさによるイトカワ探査」の解説

はやぶさイトカワ到着する以前比較大きな小惑星ラブルパイル天体であり、数百メートル大きさであるイトカワのような小惑星ラブルパイル天体ではなくて単一構造を持つと推定されていたが、それまで宇宙探査機によって探査されたイダマティルドエロスラブルパイル天体であるかどうかはっきりとせず、理由が謎とされていた。そして2005年9月12日S型小惑星イトカワ到着した宇宙探査機はやぶさは、2ヶ月あまりに渡ってイトカワ探査しその結果イトカワラブルパイル天体であることが明らかとなったはやぶさによるイトカワ探査で、複数方法によってイトカワ体積質量求められ結果密度は約1.9g/cm3であり、全空隙率40パーセント越えると推定された。これはマティルドには及ばないものの、イダエロス上回る数値であった。またイトカワ表面には多く岩塊見られその中で最大岩塊である通称ヨシノダイ は、イトカワ本体の約10分の1にもなる長さ50メートル大きさになる。これはイトカワ表面見られる最大でも直径100メートルクラスのクレーター形成時に生成される岩塊大きさはるかに上回る。つまりヨシノダイはイトカワ形成され岩塊ではないと判断された。 NEARシューメーカーによって確認されエロス地表における最大岩塊は約130メートル大きさであり、これはエロス最大である直径7.4キロメートルのシューメーカー・クレーター形成時に放出され岩塊見て問題がない大きさである。またガリレオによって観測されガスプラ地表見られる最大岩塊も、ガスプラ最大のクレーター形成時に放出されたものと考えてよい大きさであった一方イトカワ最大岩塊であるヨシノダイは、イトカワ上で確認される最大のクレーター形成時に放出される岩塊とは到底考えられない大きさであり、ヨシノダイはイトカワ形成され小惑星同士衝突時に出来た大きな破片一つ、または衝突前にイトカワ母天体にあたる天体にあった岩塊であったものと考えられている。クレーター形成によって造られわけではないことが明らかな岩塊であるヨシノダイは、イトカワ小惑星同士衝突によって生まれた岩塊集積によって生まれたラブルパイル天体である有力な証拠となった。そしてイトカワラッコ似た形態をしていると言われているが、岩塊集積によってラッコの頭と胴体に当たる部分形成され最後に頭と胴体に当たる部分合体して現在のイトカワとなったとの推測なされている。 またイトカワ地表確認されクレーター少なく見つかったクレーターも底が浅く、しかも形が歪んでいることも、イトカワラブルパイル天体であるため、小天体の衝突によってクレーター形成される際にイトカワ内部岩塊動かされることによるものと推定される。そしてイトカワ表面からは角礫岩考えられる岩が観測された。岩石破片固着した角礫岩形成されるのには岩石破片同士が溶結する必要があるが、イトカワ大きさでは岩石破片同士が溶結する作用起こり得ず直径数十km上の天体上で起きたものと考えられている。そのため角礫岩イトカワ母天体にもともとあったものと見られイトカワ母天体であった小惑星数十km上の大きさであった推定された。これらの事実もまたイトカワ小惑星同士衝突によって生まれた岩塊集結して出来たラブルパイル天体であることを示唆している。 このようにはやぶさによる観測結果から、内部空隙率が高いこと以外に、地形の観測によって得られ複数証拠からも、イトカワ小惑星同士衝突によって生まれた岩塊集積したことによって形成されラブルパイル天体であることが明らかとなった

※この「はやぶさによるイトカワ探査」の解説は、「ラブルパイル天体」の解説の一部です。
「はやぶさによるイトカワ探査」を含む「ラブルパイル天体」の記事については、「ラブルパイル天体」の概要を参照ください。

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