にごり酢とは? わかりやすく解説

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にごり酢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 21:20 UTC 版)

にごり酢(にごりす)は、 発酵に使用された酢酸菌を含む

酢酸菌をろ過せずに出荷されており、酢酸菌は酢に溶けないため外観が濁っている[1]。一般的に濁った液状食品は消費者に一定の変敗への不安を与えるため、流通している酢の大部分は酢酸菌をろ過している。

特徴

にごり酢は、ヨーグルト納豆などと同様に、発酵に用いた菌をまるごと食べることが可能である[2][3]

にごり酢を生産する蔵は、2021年時点で日本国内に約10軒確認されている[4][5]

風味

にごり酢に含まれる酢酸菌には、バリン、ロイシン、イソロイシンなどの必須アミノ酸や、うまみ成分として知られるアスパラギン酸グルタミン酸が含まれている[6]

また、日本アメリカ合衆国フィリピンイタリア中国のにごり酢について、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)による香気成分分析を行った結果、エステルアルデヒドケトンやアルコールなどの揮発性有機化合物が含まれており、酢の香り成分として寄与していると報告されている[7]

効能の主張

にごり酢の成分である酢酸菌には、免疫機能の維持[8]、花粉・ホコリ・ハウスダストによるアレルギー症状の改善[9]、酢酸には、食後血糖値の上昇抑制[10]、BMI25以上30以下の被験者に対する内臓脂肪減少[11]、高めの血圧低下[12]がそれぞれ確認されている。にごり酢に健康増進の効能を主張する書籍もある[13]

日本以外の代表的なにごり酢

日本国外でもにごり酢は少ないが、北米を中心に、酢酸菌をろ過しない「にごりりんご酢」が生産され、アップルサイダービネガー(ACV)と呼ばれている[14][15]

脚注

  1. ^ キユーピー醸造”. キユーピー醸造. 2024年1月19日閲覧。
  2. ^ 佐古田久雄、赤坂直紀、藤原伸介「酢酸菌の新たな利用法」『日本醸造協会誌』第109巻第3号、2014年、147–153頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan.109.147 
  3. ^ 免疫をあげよう! 酢酸菌にごり酢の作り方と健康活用法 - 日本発酵文化協会”. 日本発酵文化協会 - 日本発酵文化協会は、発酵の正しい情報の発信や発酵食の開拓・普及・継承を目指します。 (2021年5月5日). 2024年1月19日閲覧。
  4. ^ 【イベント開催レポート】日本縦断!こだわりの醸造家たちの共演。酢酸菌にごり酢&コンブチャ体感イベントを開催”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2022年7月28日). 2024年1月19日閲覧。
  5. ^ New Food Industry (New Food Indust.) 2021 Vol.63 No.11 801』エヌエフアイ合同会社、2021年11月、801–809頁http://www.newfoodindustry.com/2024年1月19日閲覧 
  6. ^ [1]」『Kagaku To Seibutsu』第6巻第6号、1968年、351–355頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.6.351ISSN 0453-073X 
  7. ^ Kagaku To Seibutsu 6 (6): 351–355. (1968). doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.6.351. ISSN 0453-073X. http://dx.doi.org/10.1271/kagakutoseibutsu1962.6.351. 
  8. ^ Alimentary Pharmacology & Therapeutics 48 (10). (2018-11). doi:10.1111/apt.2018.48.issue-10. ISSN 0269-2813. http://dx.doi.org/10.1111/apt.2018.48.issue-10. 
  9. ^ “In this issue”. Clinical Pharmacology & Therapeutics 81 (4): 461–461. (2007-04). doi:10.1038/sj.clpt.6100143. ISSN 0009-9236. http://dx.doi.org/10.1038/sj.clpt.6100143. 
  10. ^ Eiyo To Shokuryo 22 (5): 313–325. (1969). doi:10.4327/jsnfs1949.22.313. ISSN 1883-8863. http://dx.doi.org/10.4327/jsnfs1949.22.313. 
  11. ^ KONDO, Tomoo; KISHI, Mikiya; FUSHIMI, Takashi; UGAJIN, Shinobu; KAGA, Takayuki (2009-08-23). “Vinegar Intake Reduces Body Weight, Body Fat Mass, and Serum Triglyceride Levels in Obese Japanese Subjects”. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 73 (8): 1837–1843. doi:10.1271/bbb.90231. ISSN 0916-8451. http://dx.doi.org/10.1271/bbb.90231. 
  12. ^ Kagawa, Yasuo (2004). “Long-term Lipid Nutrition and Genetics”. Nippon Eiyo Shokuryo Gakkaishi 57 (1): 27–33. doi:10.4327/jsnfs.57.27. ISSN 1883-2849. http://dx.doi.org/10.4327/jsnfs.57.27. 
  13. ^ 前橋健二『「にごり酢」だけの免疫生活』青春出版社、2021年6月17日。 [要ページ番号]
  14. ^ Kitchen, Travel Bug (2021年6月9日). “Homemade Apple Cider Vinegar - アップルサイダービネガーの作り方” (英語). Travel Bug Kitchen. 2024年1月19日閲覧。
  15. ^ “Issue Information”. British Journal of Health Psychology 28 (3). (2023-08-09). doi:10.1111/bjhp.12602. ISSN 1359-107X. http://dx.doi.org/10.1111/bjhp.12602. 



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