たばこ会社の見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:54 UTC 版)
日本たばこ産業(JT)環境たばこ煙は周囲に不快感を与えうる、とする。しかし環境中たばこ煙が非喫煙者の疾病の原因であるということについては、2報の論文を取り上げ、「説得力のある形では示されていません」と主張する。「環境中たばこ煙は、周囲の方々、特にたばこを吸われない方々にとっては迷惑なものとなることがあります。また、気密性が高く換気が不十分な場所では、環境中たばこ煙は、眼、鼻および喉への刺激や不快感などを生じさせることがあります。このため、私たちは、周囲の方々への気配り、思いやりを示していただけるよう、たばこを吸われる方々にお願いしています。また私たちは、公共の場所等での適切な分煙に賛成し、積極的に支援しています。 一方、環境中たばこ煙は非喫煙者の疾病の原因であるという主張については、説得力のある形では示されていません。環境中たばこ煙への曝露と非喫煙者の疾病発生率の上昇との統計的関連性は立証されていないものと私たちは考えています。また、環境中たばこ煙は、空気中で拡散し、薄められているので、喫煙者が吸い込む煙中の成分の量と比べると、非喫煙者が吸い込む量は極めて少ないものです。動物で発がん性を評価する試験においても、環境中のたばこ煙により、がんを発生させることは極めて困難です」 フィリップ・モリス受動喫煙の有害性に関する公衆衛生機関の結論に基づく受動喫煙防止措置は適切、と主張する。「環境中たばこ煙は、成人の非喫煙者に肺がんや心臓病などの疾病を、また子供たちに喘息、呼吸器感染、咳、端鳴、中耳炎、乳幼児突然死症候群などを引き起こすと、公衆衛生当局は結論づけています。 さらに、環境中たばこ煙は成人の喘息を悪化させるおそれがあり、目、喉、鼻の炎症の原因にもなりうると結論づけています。 環境中たばこ煙とは、火のついたたばこの先端から出る煙と、喫煙者が吐き出す煙を合わせたもののことをいいます。 たばこの煙がある場所にいるかどうか、また喫煙者であれば、いつどこで喫煙するかについては、環境中たばこ煙が健康に及ぼす影響に関する公衆衛生当局の見解を基に判断されるべきです。 また、子供の周りでは喫煙は控えるなど、特に子供に対しては十分な配慮が必要です。 このような公衆衛生当局の結論に基づいて公共の場所での喫煙を規制するのは適切な措置であると私たちは考えています。 また、喫煙が許されている場所では、上記のような公衆衛生当局の見解を伝える警告が表示されるよう政府によって義務づけられるべきであると考えています」 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)受動喫煙が肺癌や心臓疾患などの原因になるかは明らかでない、と主張する。「世界保健機関(WHO)やその他多くの公衆衛生団体は、受動喫煙もしくは間接喫煙が様々な疾病の原因の一つであるという報告をしています。また、そうした受動喫煙もしくは間接喫煙のリスクは、実際の喫煙のリスクよりははるかに小さいものの、そのリスクに照らし、公共の場所での喫煙を公衆衛生に関する重要な問題の一つとして取り上げるべきであると言われています。 私たちは、受動喫煙が短期的に健康に影響を及ぼす可能性はあると考えています。例えば、子供の喘息や呼吸器疾患の症状を悪化させる可能性です。しかし、私たちは、受動喫煙が肺がんや心臓疾患などの慢性疾患の原因になるかどうかは明らかでないと考えております。科学的な観点からは、受動喫煙のリスクがあるとしても、あまりに小さいため確かな精度では測定できないというのが私たちの見解です」 R.J.レイノルズ・タバコ・カンパニー(日本語訳)「個人は喫煙をするかどうか判断する際に、米国公衆衛生局、米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)その他の公衆衛生機関の報告に基づくべきである」と主張する。 なお、フィリップモリスをはじめとする主だったタバコ会社がRICO法(en)に違反しているとして合衆国政府から1999年に訴えられた裁判では、被告のタバコ会社らはETSと非喫煙者の疾病に関連があることを内部では認識しつつ、公にはそれを否定する発表を繰り返していたと連邦裁判所の判決で指摘されている。
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