その他利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:19 UTC 版)
エンバクの用途のうち最も重要なものは飼料用であり、特に馬の飼料として盛んに利用されたが、軍馬の生産がほぼ停止し輸送用の需要も急減した現代では馬の飼育数が激減し、そのためエンバクの栽培が減少傾向をたどる主因ともなっている。ただしエンバクはウマがよく好む飼料であり、食物繊維の含有量も高く、ウマの濃厚飼料としては現代においても最もよく使用されるものである。エンバクが飼料として好まれるのはウマの嗜好のほか、エンバクはでんぷんが少なくエネルギーが低いため、厳密な飼料の計算が必要ではなく扱いやすいということも挙げられる。日本でのウマの飼育においては、国産のほかオーストラリア産、カナダ産、アメリカ産のエンバクが主に使用される。ウマの飼料としてはエンバクの穀粒そのもののほか、押し麦も使用される。押し麦は消化が良くなるものの栄養素が穀粒に比べやや損なわれる。それ以外の動物、たとえばニワトリの飼料原料の一つとして使用されることもある。 畑で生育中のエンバクをそのまま土壌に鋤きこみ、緑肥としても利用される。緑肥として用いられるエンバクのうち、野生種エンバクとよばれるものはセイヨウチャヒキ(Avena strigosa)であり、ネグサレセンチュウなど土壌病害虫を防除する手段として栽培され、コンパニオンプランツやバンカープランツとしても利用される。 エンバクの新芽を食べる猫がいることから、飼い猫用に猫草栽培キットとして、またはすでに10数cm程発育したものがペットショップやDIYショップなどで売られていることもある。 また最近ではカドミウムをはじめとする重金属の吸着にすぐれている性質を利用して、稲やソルガム(モロコシ)と共にカドミウムによる土壌汚染の修復(バイオレメディエーション)に利用される。
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