集団的安全保障(しゅうだんてきあんぜんほしょう)
集団的安全保障は、複数国で平和を維持する国際システムだ。Collective Security の日本語訳が集団的安全保障だ。たとえば「国際連合」が集団的安全保障に含まれる。
集団的安全保障では、国家は、おたがいに秩序を保つように努力する。そして、平和を乱す国に対しては、必要に応じて集団で反撃する。たとえば1991年の湾岸戦争では、侵略国クェートに対し、集団で反撃を加えた。このような方法で国際治安を維持しようという枠組みが集団的安全保障だ。
集団的安全保障では、次のような条件が必要だ。①実行可能な軍事力があること ②侵略者に対しては軍事力を行使すると宣言すること ③実際に侵略国があらわれた場合、集団で敵に対処すること だ。
集団的安全保障では、軍事力の実際の行使が大切だと考えられている。実効力を伴わない場合、第二次大戦前の国際連盟のように無力な存在に陥りがちだ。国際政治学の定義では、「他国にぬけがけされる恐怖に打ち勝ち、そして他国を信頼し、ともに戦闘に参加せねばならない」としている。
集団的安全保障は国際政治上の理論であり、日本でこの立場が支持されるかどうかは難しい問題だ。現実問題として、日本が国連安保理事会の常連理事国になれば、集団安全保障への参加は前提条件となる。軍事出動を含めた貢献が国際社会から期待されることになる。
現在の日本は集団的安全保障には参加していない。憲法9条との兼ね合いや、一般的な市民感覚から言っても、非常に難しい問題だ。
(2000.10.24掲載)
しゅうだんてきあんぜんほしょうと同じ種類の言葉
- しゅうだんてきあんぜんほしょうのページへのリンク