『ユングリンガサガ』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/07 04:06 UTC 版)
「木樵のオーラヴ」の記事における「『ユングリンガサガ』」の解説
スノッリ・ストゥルルソンは『ヘイムスクリングラ』の『ユングリンガサガ(ユングリング家のサガ)』において、以下のように書いている。 オーラヴの母はガウトヒルド (en) といい、西ガウトランドの王女で、母方の祖父はネーリーキの王の慧眼のオーラヴであった。 オーラヴの母は、西ガウトランドにいる養父のボーヴィ (Bove) の元へ送り、そこでオーラヴは、「略奪者」とあだ名されたサクシという名の乳兄弟と共に育った。 オーラヴが彼の父の死んだことを耳にした時、彼は自分に追従する人々を集め、ネーリーキにいる親戚のところへ行った。オーラヴの父が残虐であったことから、スウェーデン人達がユングリング家に敵対的になったためである。 オーラヴと彼の親類らがネーリーキで仲間を得ようとしたことをスウェーデン人達が知ると、オーラヴらは攻撃された。オーラヴ達は、木々深く山がちな森 (Kilsbergen) を通り抜けてヴェーネルン湖とクララルヴェン(英語版)(現在そこにはカールスタードがある)の河口へ向かうべく西へ進路を向けた。ここに彼らは住み着き、土地を開墾した。間もなくオーラヴ達は、その場所全体がヴェルムランド地方と呼ばれる地域をつくり、快適に生活できるようになった。 オーラヴが土地を開墾していることをスウェーデン人達が知ると、彼らは面白がって、オーラヴを「木を伐る者」と呼んだ。オーラヴは、ソールエイヤル(英語版)にいる金歯のハルヴダン(英語版)の娘でソルヴェイグ (Solveig) という名の女性と結婚した。オーラヴとソルヴェイグは、インギャルド・オーラヴスソン(英語版、英語版)) とハルヴダン(英語版)という二人の息子を得た。ハルヴダンは母の叔父でソールエイヤル(英語版)にいるソルヴィ (Sölve) の家庭で成長した。 王幅広イーヴァル(英語版)とその非情な支配が原因で、多くのスウェーデン人がヴァルムランドへ移住し、とうとうその地方が彼らの生活を維持できなくなるほどに人口が増えた。国土は、スウェーデン人が王を非難するに至るほどの飢饉に悩まされた。それは、国土が豊かであることの責任は王にあるとみなす、スウェーデンの古くからの慣習だった(「ドーマルディ」を参照)。スウェーデン人達は、オーラヴが神への供儀を怠ったことを非難し、その事が飢饉の原因だと信じ込んだ。 スウェーデンからの移民達はオーラヴに反抗し、ヴェーネルン湖の畔にあった彼の館を取り囲み、彼が中にいる館ごと燃やした。このようにしてオーラヴは、彼の先祖であるドーマルディと同様に、オージンに生贄として捧げられた。
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