『ブリタニア列王伝』とは? わかりやすく解説

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『ブリタニア列王伝』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:51 UTC 版)

伝承上におけるブリタニア王の一覧」の記事における「『ブリタニア列王伝』」の解説

古代ブリタニア王名表について、最大出典とされる『ブリタニア列王伝』は歴史家ジェフリー・オブ・モンマスによって1136年執筆されたと考えられている。彼はギルダスネンニウスベーダ・ヴェネラビリスといった先行する歴史家達の古代史に関する記録伝承伝説纏め上げる形で同著を編纂した。 『ブリタニア列王伝』はブリトン人ローマ時代ラテン人混血同化した、南ブリタニア先住民を指す。また広義には及びそれらを祖と主張する現代ウェールズ人コーンウォール人ブルターニュ人含まれる)の王が記されているが、これらは史実というよりも神話上の伝説としての性格が強い(ブリテン島神話)。 ただし何の資料参考にしていないという訳ではなく、先に述べたようにギルダスらの先行する歴史書資料として用いられている。他に自身ウェールズ人であり、また聖職者という立場記述影響与えている。部分的に彼の空想用いられているという点で創作的でもあるが、それも基本的に前述史実記録した資料基づいており、完全な創作ではない。従って彼の記録した歴代君主少なくない数は実際に存在した歴史上の人物であるが、同時に史実とは異な伝承付け加えられている場合がある。どうあれ当時ブリタニア島の住民自身歴史どのように考えていたかを知る上で重要な資料といえる。『ブリタニア列王伝』は幾つかの写本があるが、その中には中世ウェールズ語書かれた物も残っている。 ジェフリー記述した『ブリタニア列王伝』はトロイア貴族ブルトゥストロイのブルータス)が島に流れ着き自身の名からその土地ブリテン島名付ける場面から始まる。これは明らかにラテン人ローマ神話登場するトロイア貴族アイネイアースラテン王女ラウィニア伝承類似しており、起源論分類としてはトロイア起源説分類される。またトロイのブルータスアイネイアースの子孫系譜諸説あり)であり、シルウィウスロームルスとも血統上の繋がりを持つと記録されている。 更に遠い祖先ギリシャ・ローマ神話神々ではなくノアとされており、キリスト教の信仰心に基づく普遍史観影響与えている。一時古代の歴史ベロッソス記録符合する主張されていたが、これは近世時代歴史家神学者ヴィテルボのアンニウスによる偽書であった事が証明されている。近世影響与えた歴史家ジョン・ベール、ラファエル・ホリンシッドらは偽ベロッソス記録の「ケルティカの王」という伝承信用して、それらをブリタニア列伝加えた文学者ジョン・ミルトン詩作にも影響みられるが、今日では史学上の根拠は殆ど失われている。

※この「『ブリタニア列王伝』」の解説は、「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の解説の一部です。
「『ブリタニア列王伝』」を含む「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の記事については、「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の概要を参照ください。

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