『アウターゾーン』
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現実と隣り合わせに存在する、「アウターゾーン」と呼ばれる不思議な世界に巻き込まれる人々の姿を描く。本作の原点であるSFテレビドラマ『トワイライト・ゾーン』と同様に基本的には各話完結であり、ホラーやオカルトを主な題材としているが、第32話「タイム・ストッパー」に登場する時間を止める時計などSF的ガジェットも頻出する。ほとんどの回は現代の日本を舞台としているが、それ以外の国や時代、地球以外の惑星などが描かれる場合もあり、それらの世界の中だけで完結する回もあれば、主人公がそうした異世界に迷い込む、逆に異世界から何者かが来訪するという回もある。また女性陣のヌードなどのお色気要素も盛り込まれていた作品であった。 ほぼ全話を通じ、謎の美女ミザリィが案内人(ストーカー)として登場する。『週刊少年ジャンプ』連載時は巻末に固定されていることが多く、読者投票人気も高くはなかったが、本作のような連載復活は非常に珍しいことであった。光原曰く、「もともと人気がさほど上がらないことを想定して10週限定連載の予定だったが、思いがけず好評を得た。しかし、別の連載作品の掲載が決まっていたために予定通り10週で打ち切り、日程を調整したのち第2部として再開した」とのこと。第1部連載分はジャンプ・コミックス版の第1・2巻、文庫版では第1巻に全話収録されており、第10話(第1部最終回)のラストには見開きページが加筆されている。 第2部のスタートが決まったため、当初最終回(第10話)用に描いたネームは自ら没にした。この未発表となった最終回について光原は、内容的には長期連載後には使えないものであり、またネームも行方不明であるため、「今後も発表する事はないだろう」と述べている。 光原は本作の各話結末を考えることに毎回苦悩したという。それは、本作のようなショートストーリー作品で登場人物が不幸な結末を迎えるものが多いことに対し、「不幸な結末を描くことは比較的楽かもしれないが、不幸な結末など現実にいくらでもある。それなのにどうしてフィクションの中でまで暗い思いをしなければならないのか」「せめて物語の世界だけでも希望のある結末を描きたい」という意地と信念を抱いており、「後味の悪い結末はできる限り避けて、読後感の良い結末を心掛けたつもり」としている。本作が長く続いた理由は「そのような信念を抱き続けて描いてきたから成功につながったのでは」と、光原自身は述懐している。 単行本では各回に対して作者による解説が行われており、アイデアの元ネタ等の裏話が語られている。 最終巻に収録されている第109話「変身」(『週刊少年ジャンプ』1994年38号)、第110話「殺しの舞台(ステージ)」(『スーパージャンプ』1994年12号)の2編は、最終話である第116話「メッセージ」(『週刊少年ジャンプ』1994年15号)よりもあとに発表されたものである。 連載終了後に発表されたシリーズ作品は上記の「変身」、「殺しの舞台」のほかに、『月刊少年ジャンプ』1995年1月号掲載の読切短編「アウターゾーン スペシャル」があるが、この1編は単行本未収録となっている。
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『アウターゾーン』(書誌情報)
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光原伸『アウターゾーン』 ジャンプ・コミックス版とジャンプコミックスセレクション版はそれぞれの巻に副題がついている(文庫版は副題なし)。 集英社、ジャンプ・コミックス版(1991年〜1994年、全15巻)1991年7月発行、ISBN 4-08-871395-8、「ママと悪魔」 (巻末特別読切として短編「リボルバー・クイーン」を収録) 1991年10月発行、ISBN 4-08-871396-6、「解放者達(リベレーターズ)」 (巻末特別読切として短編「マジック・セラー ~ラスト・コール~」を収録) 1992年5月発行、ISBN 4-08-871397-4、「わしはサンタじゃ!!」 1992年8月発行、ISBN 4-08-871398-2、「デス・フライト」 1992年12月発行、ISBN 4-08-871399-0、「妖精を見た!」 1993年2月発行、ISBN 4-08-871400-8、「マジック・ドール」 1993年4月発行、ISBN 4-08-871443-1、「魔女狩りの村」 1993年6月発行、ISBN 4-08-871444-X、「召喚」 1993年9月発行、ISBN 4-08-871445-8、「目標:月世界!!」 1993年11月発行、ISBN 4-08-871446-6、「英雄(ヒーロー)」 1994年1月発行、ISBN 4-08-871447-4、「マンハント」 1994年3月発行、ISBN 4-08-871448-2、「恐竜時代」 1994年5月発行、ISBN 4-08-871449-0、「対決」 1994年7月発行、ISBN 4-08-871450-4、「恐怖の研究」 1994年9月発行、ISBN 4-08-871826-7、「狙われたミザリィ」 発行:ホーム社、発売:集英社、ジャンプコミックスセレクション版(1997年〜1998年、全10巻)1997年6月発行、ISBN 4-8342-1591-1、「ママと悪魔」 1997年7月発行、ISBN 4-8342-1592-X、「わしはサンタじゃ!!」 1997年8月発行、ISBN 4-8342-1593-8、「妖精を見た!」 1997年9月発行、ISBN 4-8342-1594-6、「マジック・ドール」 1997年10月発行、ISBN 4-8342-1595-4、「魔女狩りの村」 1997年11月発行、ISBN 4-8342-1596-2、「目標:月世界!!」 1997年12月発行、ISBN 4-8342-1597-0、「寄生島(きせいとう)」 1998年1月発行、ISBN 4-8342-1598-9、「恐竜時代」 1998年2月発行、ISBN 4-8342-1599-7、「対決」 1998年3月発行、ISBN 4-8342-1600-4、「狙われたミザリィ」 集英社文庫〈コミック版〉(2005年、全10巻)2005年1月発行、ISBN 4-08-618290-4 2005年1月発行、ISBN 4-08-618291-2 2005年3月発行、ISBN 4-08-618292-0 2005年3月発行、ISBN 4-08-618293-9 2005年5月発行、ISBN 4-08-618294-7 2005年5月発行、ISBN 4-08-618295-5 2005年7月発行、ISBN 4-08-618296-3 2005年7月発行、ISBN 4-08-618297-1 2005年9月発行、ISBN 4-08-618298-X (巻末に、マキがミザリィにインタビューするという内容の描き下ろしおまけ漫画[全3ページ]収録) 2005年9月発行、ISBN 4-08-618299-8 (描き下ろし「巻末番外篇 奥様はミザリィ(またはミザリィの恩返し)の巻」[全9ページ]収録) 全117話のうち、連載終了後に『月刊少年ジャンプ』1995年1月号に掲載された読切短編「アウターゾーン スペシャル」を除く116話(+「番外編 三人の訪問者」)が収録されている。ジャンプ・コミックスでの収録順は雑誌掲載時の順序と多少異なっており、その後のジャンプコミックスセレクション版および文庫版はジャンプ・コミックス版の収録順を踏襲している。 第29話「妖精を見た!」、第69話「マジックドール 7」、第73話「寄生島(きせいとう)」は雑誌掲載時には2週にわたり前後編で掲載されたが、コミックス収録時に1話にまとめられた。 第40話「黒帽子」は雑誌掲載時には3週にわたり前中後編で掲載されたが、コミックス収録時に1話にまとめられた。 第89・90話「恐竜時代」はコミックスでは「前編」「後編」となっているが、雑誌掲載時には「その1」〜「その4」として4週にわたって掲載された。
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