「やや日刊カルト新聞」
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1997年ごろ、学生時代に所属していたサークル内で自己啓発セミナーが流行り、自己啓発セミナーに所属していないメンバーがセミナー所属メンバーを過度に排除するようになったことをきっかけに、自己啓発セミナーの問題に注目する。学内新聞を作るサークルにも所属していたことから、学内新聞でこの問題を取り上げ、在学中に院生と「自己啓発セミナーと精神世界」を共同運営。これを前身として、大学中退後に「自己啓発セミナー対策ガイド」を運営。2007年頃に宗教ネタも取り入れたブログを始め、2009年にGoogle運営のブログサービスBloggerを利用した「やや日刊カルト新聞」をスタートさせた。やや日刊カルト新聞はGoogleニュース掲載サイトとしても登録されており、一部の記事がGoogleニュースから配信されている。 初期のサイトの頃はカルト問題を硬い調子で論じていたが、真面目なだけでは被害者やその周辺の人しか読みに来ないため、カルト問題の予防のためには幅広い人々に読んでもらいたいと思い、皮肉や風刺、面白おかしい調子をブログに取り入れていった。藤倉は、「予防線としては、弁護士や被害者団体が作る真面目な注意喚起サイトだけではなく、サブカル的なにおいのするネタ記事が果たす役割も絶大だと思うんですよ」と述べている。藤倉は、取材で見たカルトでは教団に尽くす信者がないがしろにされていることが多く、「カルト的」とは「大雑把にいえば、団体内でメンバーの人権を踏みにじったり、世の中にちょっかいを出して害をなしたりする集団」であり、教義のトンデモ度は関係ないとしている。強いクレームはサイトに全文掲載し、やり取りをガラス張りにするようにすることで、カルト団体側の圧力のストッパーにしている。藤倉は主筆・代表として活動したが2015年に退き、「創始者兼総裁」と名乗っていたが、後述の刑事事件による起訴により2018年に解任され、現在では「被告人兼総裁」と名乗っている。なお「容疑者兼主筆」には鈴木エイトが就任した。 「やや日刊カルト新聞」の主な活動原資はブログの広告収入と寄付である。広告収入でカルト問題に取り組む人物や団体の社会的な貢献を讃える「やや日刊カルト新聞社賞」を主催、第1回目は信者の家族による団体「オウム真理教家族の会」が授賞した。目標はサイトを続けることで、本業に支障のない範囲で参加してもらい、自分が死んでも他の人に引き継いでもらいたいと考えている。サイト運営や取材・執筆は無報酬でいいが、取材費までメンバーが持ち出すと負担が大きいため、広告収入やカンパで経費すべて賄えるようにしたいと語っている。 基本的には印刷媒体ではないが、コミックマーケットに出店する際には、新聞紙面の体裁に編集したものを「号外」として販売しているという。また、2013年春には「やや日刊カルト新聞 2013年新入生歓迎特別版」(A3両面またはA4両面)を印刷し、首都圏10大学付近の街頭などで4,000部以上を配布したという。
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