WOMBS WOMBSの概要

WOMBS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/09 18:11 UTC 版)

WOMBS(ウームズ)
ジャンル SFミリタリー
漫画
作者 白井弓子
出版社 小学館
掲載誌 月刊IKKI
レーベル IKKI COMIX
発表号 2009年6月号 - 2012年6月号
巻数 全5巻
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

2010年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品となり、2017年には第37回日本SF大賞で大賞を受賞した。

2020年8月からは、本作品の前日譚となるスピンオフ作品WOMBS クレイドル』が双葉社webアクションにて連載された。

作品誕生経緯

作者が1990年代ごろに見たテレビ番組での妊婦に対するハラスメント的な発言や、ママ友が妊娠中に夫から受けたドメスティックバイオレンスの話が切っ掛けとなって戦う妊婦のイメージが生まれ、それがさらに年月をかけて本作品へとつながっていった[1]。また、妊婦であることによって批判される場合がある状況から、逆に国家の存亡を握る存在にするという着想に至った。作者自身が2児を出産した経験を持ち、その体験が本作品に大きな影響を与えている。[2]

出版経緯

『WOMBS(ウームズ)』は、月刊漫画雑誌『月刊IKKI』において2009年6月号から連載され、2012年6月号に掲載の第17話をもって連載を終了した。以降は描き下ろしによる制作となり単行本第4集まで出版されたが、母体である『月刊IKKI』が2014年11月号をもって休刊することが決定され、WOMBSは次巻第5集で完結することが決定された。それまで本作はさらに数巻継続することが予定され、その前提による第5集の制作が終盤まで進行していたが、この方針転換に伴い大幅な原稿の描き直しが行われて2016年1月に最終巻第5集が発売された。

なお、第5集の1、2話目として収録される第33話「幸福なポイント」および、第34話「ドクター・リン」は、発売に先立ち2014年12月から2015年1月にかけてウェブサイト『イキパラ』で先行公開された。

また『月刊IKKI』にて2011年に始まった1ページのWOMBSコーナーとして『特別転送隊レポート』、『碧王星博物誌』、4コマ漫画などが掲載され、本編連載終了後も同誌が休刊になるまで続けられた。

同コーナーに掲載されたこれらの作品は、後に作者が自費出版した『WOMBS REMNANTS』(ウームズ レムナンツ)に収録された。

あらすじ

植民惑星・碧王星(へきおうせい)では、20年続く第二次移民(セカンド)との戦争でほとんどの国々が制圧される中、第一次移民(ファースト)で抵抗を続けるのは「ハスト」一国だけになっていた。

ハスト国軍に徴兵されたマナ・オーガが配属されたのは、子宮に現地生物「ニーバス」の体組織移植することにより空間転送能力を得た女性たちで編成される「特別転送隊」だった。

登場人物

特別転送隊(ハスト)

マナ・オーガ
本作の主人公。
ハストに住む第一次移民(ファースト)の女性であり、青果生産部としてブドウを生産する一家の娘だったが、ハスト国軍に徴兵され転送兵となる。
アルメア軍曹
アルメア隊を指揮するベテランの転送兵。
転送隊設立当初からのメンバーであり、転送能力がある『戦闘期』維持の合計最長記録を持つ。
チーフ・ミミ
探索者のチームを率いる、4サイクル目のベテラン転送兵。
サウラ中佐
第一特別転送隊隊長。
人間として初めて座標空間を認識し、転送をコントロールした。現在は転送器官を移植されておらず、転送能力を持たない。
ドクター・ニコルズ
軍医中佐。
特別転送隊移植培養総責任者。
15年前転送部長に引き抜かれるまでは産科医だった。
ドクター・ダイヤモンド
心理カウンセラー。
転送兵経験者と思われる。

国立生命科学研究所(ハスト)

転送部長
医療研究者であり、特別転送隊の実現に尽力した。
ドクター・ハーマン
ナノマシンにより座標空間へのアクセスをコントロールする技術を開発した。
現在は、現場での作業担当に左遷されている。

  1. ^ 『WOMBS ウームズ』覚え書き - WOMBS 1 など - シミルボン(2019年9月14日閲覧)
  2. ^ 雑誌『Pen』No.439 2017年11月1日号『「妊婦の戦闘部隊」、その設定に込めた意図』
  3. ^ 『WOMBS(ウームズ)碧王星博物誌〈月〉』(月刊IKKI 2012年8月号掲載)には、月の公転周期と碧王星の自転周期が一致しているとの記述があるが、常に同じ面を碧王星に向けている理由とはならず、また月の出や月の入りの現象とも矛盾するため誤記と思われる。
  4. ^ 第36回日本SF大賞贈賞式 生中継 - 2016/04/22 18:00開始 - ニコニコ生放送 1:19ごろから(2019年9月14日閲覧)
  5. ^ 第37回日本SF大賞・最終候補作が決定しました! - SFWJ:日本SF大賞(2019年9月14日閲覧)
  6. ^ 第37回日本SF大賞・受賞作決定! - SFWJ:日本SF大賞(2019年9月14日閲覧)
  7. ^ 第37回日本SF大賞贈賞式 生中継 - 2017/04/21 18:30開始 - ニコニコ生放送(2019年9月14日閲覧)
  8. ^ SF大賞受賞の軍事SF『WOMBS』作者、ミリタリーとの出会いを語る「ファーストガンダムの4話で軍規に惚れてしまった」 - ニコニコニュース オリジナル(2019年9月14日閲覧)
  9. ^ WOMBS クレイドル - webアクション(2021年4月20日閲覧)
  10. ^ WOMBS CRADLE 上 | 株式会社双葉社(2021年4月20日閲覧)
  11. ^ WOMBS CRADLE 下 完 | 株式会社双葉社(2021年4月20日閲覧)


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