95式自動歩槍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 03:56 UTC 版)
95式自動歩槍 | |
95式自動歩槍 | |
---|---|
種類 | 自動小銃 |
製造国 | 中国 |
設計・製造 |
第208研究所(設計) 重慶建設工業有限責任公司(設計・製造) |
年代 | 現役 |
仕様 | |
種別 | ブルパップ方式自動小銃 |
口径 | 5.8mm |
銃身長 |
463mm(95式自動歩槍) 369mm(95-B式自動歩槍) 490mm(97式自動歩槍、97-A式自動歩槍) 600mm(95式班用機槍) |
ライフリング | 6条右回り |
使用弾薬 |
5.8x42mm弾(95式自動歩槍) 5.56mm NATO弾(97式自動歩槍) |
装弾数 |
30発(箱型弾倉) 95発円形回転式弾倉 |
作動方式 | ガス圧利用(ショートストロークピストン式)、ロータリングボルト |
全長 |
745mm(95式自動歩槍) 609mm(95-B式自動歩槍)br/>758mm(97式自動歩槍、97-A式自動歩槍) 840mm(95式班用機槍) |
重量 |
3.25kg(95式自動歩槍) 2.9kg(95-B式自動歩槍) 3.35kg(97式自動歩槍) 3.9kg(95式班用機槍) |
発射速度 |
650発/分(95式自動歩槍) 800発/分(95-B式自動歩槍) |
銃口初速 |
930m/s(3,050ft/s)(95式自動歩槍) 790m/s(2,581ft/s)(95-B式自動歩槍) 970m/s(3,181ft/s)(95式班用機槍) |
有効射程 |
自動小銃型:400m(定点目標) 軽機関銃型:550m(定点目標) カービン型:300m(定点目標) |
歴史 | |
設計年 | 1995年 |
製造期間 | 1995年〜現在 |
配備期間 | 1997年〜現在 |
配備先 | 中国人民解放軍 |
同銃を示す表記として、上記以外で95式自動小銃、95式5.8mm小銃、95式アサルトライフル[3]、95式歩槍や95式小銃("自動"を省略)[4]、95型アサルトライフル[5]など複数あり、中国語でも95式突击步枪(95式突撃歩槍、突撃歩槍=突撃銃の意)[6]、95式5.8毫米突击步枪[7]、95式步枪[8][9]などと表記する場合もある。
開発
95式自動歩槍は1978年に開発が完了した中国独自の小口径高速弾である「5.8×42mm弾」を使用する第1世代の自動小銃の「87式自動歩槍(87式5.8mm自動歩槍)/QBZ-87」を1987年に開発し、全軍に配備する予定だったが一般部隊への先行配備する形での試験で中国人民解放軍の要件を満たしておらず兵士からは多くの苦情が寄せられたためそれに対応するために開発されたのが95式自動歩槍である。
1989年には87式自動歩槍の際に提示された開発要件を見直した2番目の開発要件が発表され、同年2月3日に中国人民解放軍と国防科学技術委員会によって要件が審査され承認された。
この開発要件に従って4つの開発チームによって1つずつの試作銃が提出された。4つの試作銃はそれぞれA案、B案、C案、D案という名称で試験が進められた。これらの試作銃は全てがブルパップ方式である。
開発 | 備考 | |
---|---|---|
A案 | 浙江947工場
唐文烈 |
銃床の伸縮調整が可能。 |
B案 | 河南126工場
華東工業学院 |
7つラグのボルトを使用。
独自の閉鎖機構を備えている。 |
C案 | 自貢216工場 | 上部フレームが金属製、下部フレームがプラスチック製。
セミオートとフルオートに加え3点バーストで射撃できた。 |
D案 | 重慶建設工業有限責任公司 | 独自の作動機構で作動し、コッキングレバーが右側面に位置している。 |
これらの試作銃は1990年4月29日に家石庄歩兵学院にて試験された。採点方法は不明だが100点満点の得点式で評価され、A案とB案は脱落、C案は68.1点で保留、D案は71.3で合格した。同年9月には国防科学技術委員会から中国工業学院の朵英賢のリーダーシップの元3人の設計者によって開発を指導することが発表された。この開発は各機関にて別々に独立して開発作業をするのではなく1つの専門研究所と4つの工場から招集された18人の設計者によって構成される「国家チーム」として合同で開発作業が行われた。
1991年9月に国家チームは新たに4つの試作銃を提出した。それぞれ1案、2案、3案、4案という名称で試験された。
ベース | 備考 | |
---|---|---|
1案 | D案の改良型 | フレームの形状を変更し、フォアグリップを追加。
マガジンの位置を変更しより安定して給弾が行われるように。 |
2案 | C案の改良型 | フォアグリップを追加し、ボルトの形状を変更および内部部品を統合化し複雑さを緩和。 |
3案 | A案の改良型 | フォアグリップが追加され、銃床の伸縮調整方法が変更された。 |
4案 | 独自 | D案のものを流用したバッファーを備えている。 |
これらの試作銃をD案との比較試験を行い3案と4案が脱落し、1案と2案が最終開発への進んだ。最終開発では1案と2案それぞれの良い点を取り入れ1つの完成形となる銃器を完成させるという形で開発が開始された。
1994年には新型の第2世代5.8mm自動小銃を中国人民解放軍駐港部隊へ配備するよう要求されさらに開発が急がれた。同年10月には国家射撃場にて試験が行われ、1995年1〜8月の間で中国人民解放軍の試験を完了し黒竜江、甘粛などの地域で試験的に配備が開始されていった。1995年10月には約6年に及ぶ開発が完了した。
1996年11月には最初の派生モデルである「95式班用機槍(95式5.8mm班用機槍)/QJB-95」という軽機関銃モデルが開発され、自貢工場にて152挺の試験生産が完了した。
1997年2月には中国人民解放軍駐香港部隊への先行配備が開始その後正式に「95式自動歩槍(95式5.8mm自動歩槍)/QBZ-95」として中国人民解放軍と武装警察部隊、公安特警にて採用された。
構造
作動メカニズムは、現代小銃として一般に採用されているガス圧利用(ショートストロークピストン式)、ロータリングボルト方式を採用。銃身上部に位置するガスシリンダーに発射ガスの一部を導くことにより、ピストンにガス圧を与えてボルトキャリアーを後退させる。コッキンレバーは機関部のグリップ上方にキャリングハンドル内側にあり、射撃に伴って前後動する。撃発機構には回転式ハンマーではなく、前後に動くストライカーが採用されている。
セレクターレバーは銃床左側側面、床尾板に近い後方にあり、銃のハンドガードを支えている手で操作するようになっている。形状は、指かけの突起が設けられた丸いダイヤル状のものである。
- セレクターレバー表示
- 0 安全装置
- 2 フルオート(連射)
- 1 セミオート(単射)
ハンドルの上部には、各種スコープや暗視装置が装備できる。ハンドガードの下にグレネードランチャーも装備可能。
また年代によって仕様が異なり1997年に公開され、中国人民解放軍駐香港部隊に配備されたモデルはコッキングレバーの形状が異なっておりハンドガードの放熱穴の数が3つと少ない。現行モデルは銃剣を銃身上の装着するのに対して1997年モデルは銃身下に配置する。1997〜1999年の間で見られるモデルはコッキングレバーは現行モデルと同じようにされたが放熱穴は3つのままである。2003年以降はすべて現行モデルである放熱穴が6つのモデルになった。
注釈
- ^ 漫画版では89式5.56mm小銃に変更されていることから、作者が89式と95式を間違えたか、あるいは「九五式小銃」が95式自動歩槍とは完全に別の架空の銃器だった可能性もある。
- ^ ただし作中には架空の自衛隊装備(一式指揮通信車など)が登場しているため、「九五式小銃」も95式自動歩槍とは完全に別の架空の銃器という可能性もある。
出典
- ^ http://world.guns.ru/assault/as39-e.htm
- ^ http://www.enemyforces.net/firearms/qbz95.htm
- ^ 床井雅美『軍用銃事典 改訂版』並木書房 ISBN 9784890632138 p114
- ^ 月刊『軍事研究』誌 2009年5月号(第44巻) ジャパン・ミリタリー・レビュー pp212~213
- ^ 坂本明『世界の軍用銃』文林堂 ISBN 4893191403 p117
- ^ http://www.key28.cn/Article/2009-8-17/8102.html
- ^ http://www.chinabaike.com/article/96/jszs/2007/20071011574231.html
- ^ http://news.xinhuanet.com/mil/2005-06/20/content_3108685.htm
- ^ http://data.tiexue.net/mil/95sbq4794/
- ^ http://www.huntinggearguy.com/news/la-k12-puma-semi-automatic-bullpup-magazine-fed-shotgun-now-canada/
- ^ “QBZ97自动步枪”. 2007年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月29日閲覧。
- ^ https://www.files.ethz.ch/isn/171425/SIPRIPP38.pdf
- ^ Sudanese Future Soldier System – Thefirearmblog.com, 24 March 2014
- ^ Sudanese army has selected Chinese-made QBZ-97 assault rifle for its Kombo Future Soldier System – Armyrecognition.com, 22 November 2014
- ^ “Pakistan police storm hospital, ending standoff”. Yahoo! News. (2013年6月15日) 2019年5月29日閲覧。
- ^ https://item.btime.com/30njpcbms8m8osq2b99ekutvtmk
- ^ “China Exports Its Radical New Assault Rifle”. Strategy Page. (2009年2月28日) 2010年5月1日閲覧。
- ^ “Lao People’s Army celebrates 70th founding anniversary”. 2020年1月12日閲覧。
- ^ “Lao People's Armed Forces”. 2020年1月12日閲覧。
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