馬力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 10:01 UTC 版)
日本における馬力
計量法
1999年施行の新計量法では、仏馬力のみを暫定的に採用した。すなわち計量法附則第6条と計量単位令第11条は、「仏馬力は、内燃機関に関する取引又は証明その他の政令で定める取引又は証明(=外燃機関に関する取引又は証明)に用いる場合にあっては、当分の間、工率の法定計量単位とみなす。」とし[7]、計量単位令第11条第2項は、1仏馬力 = (正確に)735.5ワットと定義している[8]。
これは、新計量法がSIを全面的に導入するために制定されたものであり、本来であればSI組立単位であるワットを使うべきであるが、馬力がいまだに広く使われており、これを廃止すると混乱を招くために移行措置として当分の間、暫定的に使用を認めているものである。今日でも、レシプロエンジンの出力表示にはキロワット (kW) とともに馬力(仏馬力)が併記されることがある。
特に自動車用エンジンについては、キロワット (kW)表示は新計量法導入から20年以上経過した現在においても、個人ユーザーから事業者レベルに至るまでほとんど浸透しておらず、カタログにはkWを主として、依然としてPSが併記されている。
記号
日本における仏馬力の単位記号は、大文字の「PS」である[9]。小文字のpsは用いることができない[10]。
過去の経緯
日本の旧計量法では、1馬力は英馬力とも仏馬力とも違い、仏馬力をベースに重力加速度を(正確に)10 m/s2として計算した750ワットとしていた。これを日本馬力と呼んでいたことがある。日本馬力は1999年施行の計量法で廃止された。
- ^ a b The Units of Measurement Regulations 1995 No.1804 SCHEDULE[1]
- ^ a b 講談社1983年刊『大辞典』1,275頁
- ^ 八坂保能編著『電気エネルギー工学 新装版 発電から送配電まで』森北出版、2017年、3頁。
- ^ a b c “馬力(仏馬力)”. 大日本図書. 2022年10月7日閲覧。
- ^ 広辞苑 第4版、馬力の項、p.2107、岩波書店、ISBN 4-00-080101-5、1991年11月15日第4版第1刷発行。
- ^ 計量単位規則 別表第7
- ^ 計量法 附則6条 第六条 仏馬力は、内燃機関に関する取引又は証明その他の政令で定める取引又は証明に用いる場合にあっては、当分の間、工率の法定計量単位とみなす。 2 仏馬力の定義は、政令で定める。
- ^ 計量単位令 第11条 第2項 法附則第六条第二項の政令で定める仏馬力の定義は、ワットの七百三十五・五倍とする。
- ^ 計量単位規則 - e-Gov法令検索 第2条第2項第2号で参照される、別表第7 に示される通り。小文字のpsは表に掲載なし。
- ^ 計量法 - e-Gov法令検索 第8条第2項
- ^ 空調冷暖房新旧換算表 空調機 kW ⇔ kcal/h 換算表
- ^ http://www.e-matsumura.jp/AC_kw-kcal-kansan-.html 空調冷暖房新旧換算表]
- ^ “CJK Compatibility” (2015年). 2016年2月21日閲覧。
- ^ “The Unicode Standard, Version 8.0.0”. Mountain View, CA: The Unicode Consortium (2015年). 2016年2月21日閲覧。
- 1 馬力とは
- 2 馬力の概要
- 3 日本における馬力
- 4 業務用エアコンにおける馬力
- 5 脚注
- >> 「馬力」を含む用語の索引
- 馬力のページへのリンク