造山運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 03:30 UTC 版)
過程
地向斜造山論では、造山運動の過程には次のようなサイクルが存在するとされていた。このサイクルは造山輪廻(ぞうざんりんね)と呼ばれた。
- 第一段階(地向斜期)
- 大陸の周辺に位置する浅い海底では、大河によって陸地から浸食されて運ばれてきた砂や泥等の厚い堆積層が形成される。これを地向斜と呼ぶが、地向斜は堆積物の重みで沈降するので、海が埋められて陸化する事はなく、最終的には海底に1万メートルを越える程の地層が出来る。
- 第二段階(造山期)
- こうして深い海の堆積物と浅い海の堆積物が複雑に重なり、基盤となる下方の地層を押し下げるように堆積した地向斜層が、側方から強く圧縮されて一部に褶曲山脈が形成され始めると、圧縮力により周辺の地向斜に複雑な断層や堆積運動が起こる。さらにこの圧縮力により地下深くの溶けた岩石がマグマとなって貫入し、花崗岩類が生じる。
- 第三段階(後造山期)
- その後、地向斜堆積物を圧縮していた圧力が低下すると共に広範囲に隆起による高い褶曲山脈が出現する。山脈は風雨による浸食を受けるが、山脈を形成する物質は周囲の地殻より密度が小さいため、浸食を上回るほどの隆起速度を維持し、2億年ほどはその形状を維持する。隆起運動が収まってくると、以後は風雨による浸食作用によって次第に低くなり、ついには準平原となり、大陸塊の一部となって安定し、その周囲で新たな造山運動が生じる。
造山運動の識別
古生代以後約6億年前以降、全世界的に以下の造山運動期があったとされた。
この3つの造山運動に識別されていた。現在見られる大山脈の全ては、アルプス造山運動によって出来たものであるとされた。
造山運動と同じ種類の言葉
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