通信科 (陸上自衛隊)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 04:07 UTC 版)
概要
通信科は、広範囲に分散し少人数で行動することが多いのが特徴で、実戦における部隊編成は各通信特技(後述)が集合し通信所を開設・運用する。運用には平時から綿密に計画されており各特技が有機的に統合されることで最大の能力を発揮する。
陸上自衛隊の通信科における最大の部隊はシステム通信団(市ヶ谷駐屯地)であり、各方面隊には方面システム通信群が編成されている。さらに、各師団には通信大隊、旅団には通信隊、第1空挺団・水陸機動団には通信中隊、各高射特科群・第15高射特科連隊には高射搬送通信中隊が配置されている。他に電子戦専門部隊の電子作戦隊、第1電子隊及び西部方面情報隊通信情報隊、職種学校の陸上自衛隊システム通信・サイバー学校、教育研究支援部隊の通信教導隊、通信保全を担当する通信保全監査隊、サイバーテロ対処部隊であるシステム防護隊、後方支援部隊には通信電子器材の補給・整備を担任する通信電子整備隊、直接支援隊等がある。それ以外に通信科ではないが戦闘職種(普通科・特科・機甲科・施設科)等の本部管理中隊に通信小隊等が編成され隷下部隊と上級部隊との通信を確保している。
陸上自衛隊の通信構成には、駐屯地間の固定通信網である基地通信(基地システム通信部隊)と、展開した部隊間の移動通信となる野外通信(野外通信部隊)がある[1]。基地通信と野外通信は連接・重畳されるが、中央と各方面隊間の通信はシステム通信団、方面隊内の通信は方面システム通信群が担当している。師団・旅団内の野外通信は、通信大隊・通信隊が担当する[1]。
2021年(令和3年)3月に電子戦専門部隊として、ネットワーク電子戦システムを配備し、電波の収集・分析及び相手方の電波利用を無力化して作戦を有利に進めることに寄与する部隊として第301電子戦中隊が西部方面システム通信群隷下に新編された[2][3][4]。
2022年(令和4年)3月に電子作戦隊が陸上総隊隷下に新編され[4][5]、第101電子戦隊および第301電子戦中隊を隷下に編合[5][6]。
注釈
出典
- ^ a b 『陸上自衛隊パーフェクトガイド (2003-2004)』学習研究社、132-135頁。ISBN 4056032033。
- ^ “自衛隊に「電子戦専門部隊」「宇宙領域企画班」新設”. 日刊スポーツ. (2021年3月18日). オリジナルの2021年3月18日時点におけるアーカイブ。 2021年10月22日閲覧。
- ^ “電磁波で妨害、専門部隊が陸自に発足 対中防衛、強化が狙い”. 毎日新聞. (2021年3月29日) 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b “対中ロ、「電子戦」強化急ぐ 陸自、1年で7拠点に新部隊―九州・沖縄と北海道重視”. 時事通信. (2021年1月24日) 2021年11月27日閲覧。
- ^ a b 電子戦部隊の新編について2021年(令和3年)9月、防衛省
- ^ “陸上幕僚長より皆さまへ(令和4年3月17日)”. 陸上幕僚監部 (2022年3月17日). 2022年3月21日閲覧。
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