輪島功一 スタイル

輪島功一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 18:57 UTC 版)

スタイル

輪島のボクシングスタイルは非常に変則的なもので、両腕を回すように動かしつつ不規則なウィービングで上体を振るファイティングポーズが最大の特徴である。この独特のリズムで相手を幻惑し、突如繰り出す強烈な左右のストレートで顔面を狙い打つという展開を好んだ。自身の代名詞ともいえる「かえる跳び」などのトリッキーな技の数々に埋もれがちだが、全盛期に見せた瞬時の突進力とピンポイントを打ち抜く正確な強打は特筆に価する。また、軽中量級の選手としては比較的ジャブを多用しない部類に入る。

テクニック

輪島は試合の中で既存のボクシングの常識ではありえない変則的なテクニックをみせている。

カエルパンチ(かえる跳びパンチ)
極端に身をかがめたダッキングで相手の視界から消え、瞬時に跳び上がるようにパンチを繰り出す技。輪島の代名詞といえるほど有名な技だが、実戦で繰り出したのはカルメロ・ボッシ戦で試合中盤に見せた一度だけ[10]
通称の由来は試合中継の解説者が「輪島がまるでカエルのように跳び上がりました」と発言したことから。「かえる跳びアッパー」とも呼ばれるが、実際にはロングレンジ気味の左フックであったため適切な表現ではない。
後に輪島は、当てることよりも相手を興奮させる効果が真の狙いであったと述べている。事実、ボッシはこのパンチを見せられて以降明らかに冷静さを欠き、乱打で著しくスタミナを消耗している。
あっち向いてホイ
試合中自らあらぬ方向に視線を向けることで、釣られてそちらを見た相手の隙を突くという技。「よそ見パンチ」とも呼ばれる。
輪島本人が語るところによれば、ある時タクシーのバックミラー越しに見えた運転手の視線の動きが非常に気になったことから着想を得たという。初めて使用したのは1971年のカルメロ・ボッシ戦。輪島は引退後、ボッシに仕掛けたこの奇襲戦法について「相手はオリンピックで銀メダルまで取った選手で、テクニックじゃ絶対かなうわけが無い。じゃあ駄目で元々だ、やるだけやってみようと思ってパッと横を向いたんです。そうしたら向こう(ボッシ)もそっちを見たんですよね。やってみるもんだな、と思いましたよ」と語っている。
ボクシングにおいて視線を一瞬逸らすフェイントは攻防技術としてポピュラーなものだが、「よそ見」と形容されるほど大きく視角を変えてしまう例は非常に珍しい。
猫じゃらし
おもむろに自らの眼前に片腕を掲げた後、素早くパンチやダッキングなどに移行する技。試合展開が均衡した状況で好んで使用した。

  1. ^ Koichi Wajima cyberboxingzone.com
  2. ^ 輪島功一のTV出演情報 - オリコン
  3. ^ 輪島功一 プロフィール”. 2024年2月4日閲覧。
  4. ^ (人生の贈りもの)わたしの半生 プロボクシング元世界王者・輪島功一:1 73歳 - 朝日新聞 2016年11月28日
  5. ^ “元ボクシング世界王者・輪島功一氏の孫がプロデビュー 身長182センチのイケメン”. スポーツ報知. https://hochi.news/articles/20210827-OHT1T51177.html 2021年8月28日閲覧。 
  6. ^ a b ボクシング・マガジン編集部 編『日本プロボクシングチャンピオン大鑑』ベースボール・マガジン社、2004年3月1日、317頁。ISBN 978-4-583-03784-4 
  7. ^ 事件・事故・災害 昭和50年代 警察活動の変遷”. 警視庁オフィシャルウェブサイト. 2012年8月6日閲覧。
  8. ^ 昭和52年 警察白書 第3章 犯罪情勢と捜査活動 – 2犯罪の特徴的傾向 (2) 銃器使用犯罪の増加 〔事例1〕”. 警視庁オフィシャルウェブサイト. 2012年8月6日閲覧。
  9. ^ “元世界王者の輪島功一氏ボクシングジム会長勇退 後継は次男大千トレーナー”. nikkansports.com. (2021年4月14日). https://www.nikkansports.com/battle/news/202104140000569.html 2021年8月24日閲覧。 
  10. ^ 輪島功一 非難されたカエル跳びパンチは初世界戦で一回だけ NEWSポストセブン 2013年4月9日
  11. ^ (人生の贈りもの)わたしの半生 プロボクシング元世界王者・輪島功一:7 73歳 - 朝日新聞 2016年12月6日
  12. ^ 「ボクシングは頭を使え」 〜輪島功一インタビュー〜”. スポーツコミュニケーションズ (2008年8月28日). 2022年4月18日閲覧。
  13. ^ “【甘口辛口】「カエルに両国」輪島功一さんが感じた入江聖奈との縁 女子フェザー級決勝は泣きながら観戦”. SANSPO.COM. (2021年8月5日). https://www.sanspo.com/article/20210805-T3PSPJ3HK5OUNJ5W2IQE6NDAXU/?outputType=theme_tokyo2020 2021年8月23日閲覧。 
  14. ^ “元祖が認めた!輪島功一さん、入江聖奈は「子…いや孫ガエル」”. スポーツ報知. (2021年8月3日). https://hochi.news/articles/20210803-OHT1T51265.html 2021年8月23日閲覧。 
  15. ^ 輪島功一(30)人生の宝はファンと共有する記憶、そして妻”. 産経ニュース (2021年12月31日). 2022年8月24日閲覧。


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