船舶工学 係船装置

船舶工学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/04 07:55 UTC 版)

係船装置

「係船装置」(Mooring arrangement)や係船のための設備には、ウィンドラス、ムアリング・ウインチ、キャプスタン、ビット、ムアリング・ホール、フェアリーダー、クリート等がある。

ウィンドラス
「揚錨機」とも呼ばれる「ウィンドラス」(Windlass)は錨を降ろし・巻き上げる機械である。電気、油圧、蒸気で駆動される。揚錨機の「ホーサー・ドラム」または「ホーサー・リール」(Hawser reel)はロープをそのまま巻き取っておく部分。
ムアリング・ウインチ
「ムアリング・ウインチ」(Mooring Winch)は甲板上にあり、主に係留策の巻き込みを行う装置。回転軸が水平になっている。ホーサーやワイヤーを巻き取っておくドラムが中央にあり両端に「ワーピング・エンド」(Warpping end)が付いていることが多い。ワーピング・エンドではロープは数回からめるだけで巻取らず、別に収納するために甲板から持ち去る。
キャプスタン
キャプスタンビット
「キャプスタン」(Capstan)は甲板上のロープや鎖の巻き込み器の回転部分。回転軸が垂直になっている。ホーサー・ドラムと異なり、ロープは数回からめるだけで巻取らず、別に収納するために甲板から持ち去る。
ビット
「ビット」(Bitt)は船の甲板上にあるロープを繋ぎ止めておくための円柱状の柱で、多くが2本1組で用いられる。小型船で使われる十字形をしたものは「クロス・ビット」と呼ばれる。
ムアリング・ホール
「ムアリング・ホール」(Mooring Hole)または「チョック」は甲板の端でロープを通す円形の穴を持つ金具である。ロープが甲板の角に直接あたって擦り切れるのを防ぐと同時に、勝手に甲板上を動き回らないようにする。
フェアリーダー
「フェアリーダー」(Fair Leader)はムアリング・ホールと同じ機能を持ち、下、または上下にローラーを備えて、ロープが動くのに合わせて回転し、擦り切れるのを防止する。ユニバーサル・フェアリーダーは上下左右の井桁状にローラーが付いている。ムアリング・ホールとほぼ同じであるが、穴ではなく上部が開いているので穴を通さずに上からロープをかけられる反面、なにかの弾みでロープが外れる恐れもある。
クリート
「クリート」はビットと同様に船の甲板上等にあるロープを繋ぎ止めておくための金属製の器具。クリートにロープを係止する場合は、「クリート結び」と呼ばれる結び方を用いることが多い。
ボラード
岸壁のボラード(Bollard)
「ボラード」(Bollard)や「係留ボラード」(Mooring Bollard)と呼ばれるものは、埠頭にある鋼鉄製の大きな突起物である。船の係留時に係留索(もあい綱、Mooring line、ホーサー(Hawser、直径40mm以上の係留索))の先の輪(ボラードアイ、Bollard Eye)を掛ける。簡単には外れないように上部が陸側に湾曲しているものが多い。木の「幹」を意味する「Bole」が語源である。ホーサーを使う場合には、ヒービング・ライン(Heaving Line) という細いロープを投げてから太いホーサーを手繰り寄せる。
日本ではJIS(日本工業規格)で誤って、海外でのBollardのことをビットと、Bittのことをボラードとしてしまったため、区別がつかなくなっている。

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