臨床検査 総合検査センター(国内3大センター)

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臨床検査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 06:15 UTC 版)

臨床検査(りんしょうけんさ)とは、広義には、傷病や健康状態を評価するための医学的検査(英語: medical test)全般をさす場合もあるが、通常は、検体検査と生理検査(生理学的検査)を意味する [1][2][3]。 検体検査とは人体から排出(尿便など)または採取された物(血液など)の検査である[4]。 生理検査とは、人体について行う検査(生体検査)のうち、通常、呼吸機能検査、循環機能検査、神経生理検査、超音波検査、などをさす[1][4][5][※ 1]。(なお、海外では臨床検査(英語: clinical laboratory tests, lab tests)は検体検査のみを意味することが多い[6][※ 2]。)


  1. ^ a b 病院により生理検査として実施している検査は異なるが、たとえば、東京大学病院京都大学病院大阪大学病院、などのサイトを参照されたい。
  2. ^ 英語のclinical laboratory test(略してlaboratory test、lab test)は検体検査を意味する。たとえば、laboratory test(Merriam-Webster Dictionary)Laboratory Tests (MedlinePlus) laboratory test(米国国立がん研究所の辞書))を参照されたい。
  3. ^ POCTとは臨床現場即時検査(英語: point of care testing、POCT )のことであり、患者や検体を臨床検査室に搬送せず、診療現場で行う検査をさす。
  4. ^ 測定は診療に支障のない範囲(許容範囲)を超えて高精度である必要はなく、検査に必要な費用・マンパワー、結果が出るまでの時間、などを総合的に判断して運用・管理する必要がある。
  5. ^ 検査の経済性とは患者の費用負担だけを意味するのではない。近年は検査費用のかなりの部分が医療施設の診療報酬に包括されるようになってきている。たとえば、診断群分類包括評価(DPC)では、基本的に臨床検査は包括されており、「検査をすればするほど病院の利潤が減る」仕組みになっている。また、検査費用を負担するのが誰であろうと、社会的な医療経済への配慮は必要である。
  6. ^ 検体採取時に適切な容器の選択は重要であり、たとえば、血算(血液細胞数の算定、CBC)の検体を一般的な生化学検査用の容器に採取すると凝固してしまい全く検査不能になる。
  7. ^ 検体の輸送や保存が重要な検査の例として、たとえば、アンモニア血液ガス分析などは採取後冷却して輸送し直ちに測定しないと正しい結果が得られない。また、血清分離せずに血液を保存していると赤血球中の血清カリウムが漏出して偽の高値をきたす。
  8. ^ 検体検査においてコンピュータシステムの導入が盛んである。システム化前は検体の取り間違い・測定操作手違い・結果数値読み違いなど人為的エラーが起こりえたので測定手順書作成や過誤検出の仕組み構築が精度管理の中心であった。患者リストバンドや試験管ラベルのバーコードは検体検査のシステム化に役立っている。最近はシステム化により測定や検体取扱いに関するヒューマンエラーはほぼ撲滅されたといえる。
  9. ^ パニック値とは、ただちに医師の判断を必要とするような検査結果を意味する。たとえば、血清カリウムが心臓の不整脈の危険があるほど高いなど直ちに治療を要する場合や、喀痰から顕微鏡検査で結核菌が疑わしい抗酸菌が検出された場合(結核患者であれば強い感染力があると考えられる)のように直ちに感染予防策など施設側の対策が必要となる場合などがある。
  10. ^ 臨床検査室で医師が施行する検査は、侵襲やリスクを伴う検査(針筋電図、造影超音波検査、トレッドミル、など)や専門性の高い特殊な検査、および、診断を含む報告書の作成(「診断」は医行為であるため、他臨床検査技師の作成する報告書に病名を含む場合は「所見」に留めるか、医師の確認を要する)、などに限定されているのが通常である。
  11. ^ Xbar-R管理図は、管理試料の測定結果の平均値(Xbar)、および、最大値と最小値の差(R)をプロットするものである。前者は測定の正確度、後者は測定の再現性(ばらつき)をあらわす。
  12. ^ 自施設の検査結果が他の医療施設と互換性がない、すなわち比較できないときには、結果解釈を誤るリスクや、同じ検査を再度実施する無駄が発生する。
  13. ^ 日本で1962年にはじめて外部精度管理サーベイが行われたときは、血糖の測定値のばらつきが平均値の2割程度あったとされる。典拠にあげた高木康の2021年の文献を参照されたい。
  14. ^ 近年は診療のガイドライン作成が進んでいるが、臨床検査の結果値をガイドラインに組み込んで利用するには、検査値がガイドラインを利用する国の中で互換性を持っている必要がある。
  15. ^ ISO15189は含む臨床検査室の品質マネジメントシステムの国際規格であり、検体検査、病理検査、生理検査のすべてが対象となる。
  16. ^ 義務とされていないのは、医療機関の中には検査部門を持たない小規模な診療所なども含まれ、衛生検査所と同レベルの対応が困難であるためである。
  17. ^ 血液検査」は血液を検体とする検査を意味し、血液学的検査と混同してはならない。
  18. ^ 生理検査のなかには、医師など他の職種の関与が必要なものも含まれるが、詳細は、典拠にあげた臨床検査技師等に関する法律施行規則(昭和三十三年厚生省令第二十四号)などを参照されたい。
  19. ^ 磁気共鳴画像検査(MRI)は画像診断の一つとして放射線検査部門で実施されることも多い。
  1. ^ a b 患者さんへのご案内:臨床検査とは?”. 東京大学医学部附属病院 検査部. 2023年5月27日閲覧。
  2. ^ a b c 古川 泰司, 宮澤 幸久 (2011). “保険診療と臨床検査”. 日本内科学会雑誌 100: 3193-3200. doi:10.2169/naika.100.3193. https://doi.org/10.2169/naika.100.3193. 
  3. ^ 岡田倫之 (2016). “臨床検査の歩みと今後”. 大阪府総医医誌 39: 3-8. https://www.gh.opho.jp/pdf/medicaljournal/039/medicaljournal_039_001.pdf. 
  4. ^ a b c 臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)”. e-GOV 法令検索. 2023年5月19日閲覧。
  5. ^ a b c d e 臨床検査技師等に関する法律施行規則(昭和三十三年厚生省令第二十四号)”. e-GOV 法令検索. 2023年5月19日閲覧。
  6. ^ 坂本秀生 (2012). “海外における臨床検査技師の資格制度”. モダンメディア 58: 359-364. https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/MM1212_02.pdf. 
  7. ^ a b 衛生検査所指導要領”. 厚生労働省 . 2023年5月31日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h 高木康 (2018). “今後の日本の臨床検査の精度管理のあり方”. モダンメディア 64: 147-154. https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/2018_05/009.pdf. 
  9. ^ a b c 鈴木隆史「臨床検査における精度管理」『総合健診』第46巻第2号、日本総合健診医学会、2019年、226-235頁、doi:10.7143/jhep.46.226 
  10. ^ 東学, 石田克成, 松原真奈美, 林裕司, 坂根潤一, 鈴木俊紀, 古屋周一郎「我が国における病理組織検査精度管理の変遷」『医学検査』第69巻第3号、日本臨床衛生検査技師会、2020年7月、438-444頁、CRID 1390004222613962368doi:10.14932/jamt.20-12ISSN 0915-8669 
  11. ^ 園部一成 (2021). “微生物検査における精度管理 ―1SO 15189 認証の観点から―”. 日本臨床微生物学会雑誌 31: 239-250. https://www.jscm.org/journal/full/03104/031040239.pdf. 
  12. ^ a b c 河合忠「1.臨床検査室の国際認定」『日本内科学会雑誌』第102巻第12号、日本内科学会、2013年、3080-3087頁、CRID 1390282681424668160doi:10.2169/naika.102.3080ISSN 0021-5384PMID 24605554 
  13. ^ 初期診療の検査オーダーの考え方”. 臨床検査のガイドライン(日本臨床検査医学会). 2023年5月29日閲覧。
  14. ^ 検体検査のサンプリング”. 臨床検査のガイドライン(日本臨床検査医学会). 2023年5月29日閲覧。
  15. ^ a b c 臨床検査のガイドライン”. 日本臨床検査医学会. 2023年5月19日閲覧。
  16. ^ 検査データの読み方と考え方”. 臨床検査のガイドライン(日本臨床検査医学会). 2023年5月19日閲覧。
  17. ^ a b c 高木康. “臨床検査精度管理の重要性ーCOVID-19検査も含めてー”. 医療関連サービス振興会. 2023年5月29日閲覧。
  18. ^ 小柴賢洋、中野正祥 (2022). “臨床検査の国際化・標準化について”. モダンメディア 68: 255-258. https://www.eiken.co.jp/uploads/modern_media/literature/202207_68_P39-42.pdf. 
  19. ^ a b c d 医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令の施行について”. 2023年5月24日閲覧。
  20. ^ あるべき臨床検査室の姿 ―病院機能に応じた臨床検査部門”. 臨床検査のガイドライン(日本臨床検査医学会). 2023年5月29日閲覧。
  21. ^ 臨床検査医を目指す方へ”. 日本臨床検査専門医会. 2023年5月30日閲覧。
  22. ^ a b c 厚生労働省 ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 検体検査について”. 厚生労働省 . 2023年5月31日閲覧。
  23. ^ 臨床検査技師等に関する法律施行規則 別表第一(第十二条関係)”. e-GOV 法令検索. 2023年5月24日閲覧。
  24. ^ 谷田部恭「臨床医のための分子病理診断の基礎」『肺癌』第55巻第6号、日本肺癌学会、2015年、986-990頁、CRID 1390282679660500736doi:10.2482/haigan.55.986ISSN 0386-9628 
  25. ^ 令和7年版臨床検査技師国家試験出題基準”. 厚生労働省. 2023年5月24日閲覧。
  26. ^ 臨床検査センターランキング”. MTばんく. 2023年5月31日閲覧。
  27. ^ Tips to cope with medical test anxiety” (英語). Harvard Health (2023年3月1日). 2023年6月2日閲覧。
  28. ^ Tackling Procrastination - It is Easier, and More Valuable, Than You Think - Procrastination and Memory”. Coursera. 2023年6月2日閲覧。






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