確率変動 確変の種類

確率変動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 13:21 UTC 版)

確変の種類

一般的なループ式確変

ループ式確変は、一般的に高確率状態が次のようになる。

  • 画面に「高確率」や「確変中」と表示されたり、背景色が変化する、確変中は演出が専用のものに変化する、など高確率状態であることが遊技者に告知される。
  • ただ、現在の機種では液晶画面の大型化に加え、大当たり時の出玉消化を早める目的もありアタッカーは右下あたりに設けられており、また確変時に開放される電チューも右端(主に右下あたり)に設置されているため、画面には右打ちするよう「右打ち」などと表示させることで敢えて「確変中」と表示させることは少なくなっている。逆に通常時はいわゆる『左打ち』のため、右打ちでない場合は(潜伏確変による高確率状態を除いて)確変状態ではないことが分かる(通常時に右打ちすると、画面に「左打ち(して下さい)」と表示され、さらに現在の機種では音声で「左打ちして下さい」と警告される)。
  • 強力なデジタル短縮機能と普通電動役物の開放による始動口への入賞サポート(以下、「電チューサポート」と呼ぶ)が行われ、持ち玉を概ね減らさずに効率よく消化出来るようになる。時短と同じような状態。
  • 上記の状態が、大当たりするまで継続する。その大当たりが確変大当たりだった場合は大当たり消化後に再度確変が行われ、高確率状態に突入する。

現在のループ式確変は、高確率状態が次回の大当たりまで継続(1回ループ)するが、以前は1回目の大当たり(確変・通常は問わない)を挟んで2回目の大当たりまで継続(2回ループ)する機種もあった。2回ループの場合、高確率時に確変大当たりを引くと、そこからさらに2回目の大当たりまでの高確率状態の継続が上乗せされた。「解説」で最後に述べた3機種はいずれも2回ループである。

ワンセット式確変

大当たりの連荘回数が固定されている機種。1996年の日工組内規改正以前に登場した現金機の権利物を中心に採用され、確変割合100%の2回ワンセットや3回ワンセットが主流だった。また、時短が登場する前の現金機のデジパチにも、小当たりの確変としてワンセット式が採用された。京楽の『フルーツパラダイス2』は、15図柄中「7」で当たると5回ワンセットの確変(=6回の大当たりが保証される)となっており、「一撃15,000発」というキャッチコピーで人気を呼んだ。ただし、大当たり確率はそのままなので残り5回分の大当たりを消化するのに時間がかかるという欠点もあった。ループ式ではないので、高確率時に確変大当たりを引いても高確率状態の継続が上乗せされることはない。

突然確変(突確)

突確は、出玉がほとんど得られない大当たりを経由して高確率状態に突入するシステムで、低確率状態からいきなり高確率状態に突入するように見せかける演出であるのが特徴。確変は規則上必ず大当たりを経由して突入すると定められているため、実際には特別電動役物(アタッカー)が短時間に2回以上開放[注釈 7]し、高確率状態に移行する。そのため、出玉が実質0個でもシステム上は「大当たり1回」とカウントされ、パチンコホールの台上データカウンターの大当たり回数が増えるようになっている。前述の通り、確変は規則上「大当たり終了後に行われる」と定められているので、あたかも大当たりを経由せずに高確率状態に移行するような解釈をされるおそれのある「突然確変」や「突確」という表現は、機種における表示では自粛されている。

このシステムが初めて搭載された機種は、平和の『CR木枯し紋次郎EJ』だが、当時の内規では確変割合の上限が50%とされていたため、却って出玉の得られる確変大当たりの割合が減ってしまったことから人気は得られなかった。その後2004年の規則改正により確変割合の上限が撤廃されたことを受けて、当時の新基準機第3号として発売されたビスティの『CR新世紀エヴァンゲリオン』ではSF、SNタイプに確変割合を高めるため「暴走モード」と呼ばれる突確を付けたところ、この機能が大反響を呼んだため、その後の多くの機種で採用される事となった。この突確を搭載した機種では、大当たり確率にこの「出玉ほぼ0個当たり」を含んでおり、トータル出玉数を勘案すると、非搭載機種と比較してあまり確率が高くなっているとは言い切れない。

また、突確から派生した突然時短(突時)、突然通常(突通)というものも存在する。また、突確と紛らわしい小当たり(普通電動役物の開放のことではない)を併用していることもあり、小当たりでは確率の状態は変化しない(突入しないし、転落しない。高確率時に発生した小当たり後も状態は高確率状態のままである)。このようなシステムを採用(応用)したのが、『CRぱちんこウルトラセブン』、『CRぱちんこウルトラマン』、『CRぱちんこジョーズ』、『CRぱちんこ仮面ライダー ショッカー全滅大作戦』、『CRぱちんこ黒ひげ危機一発2』(以上、京楽)、『CRプロゴルファー猿』(大一)、『CR花の慶次』(ニューギン)、『CRバットマンビギンズ』(平和)…等を代表とする機種で、液晶演出上、主人公が敵と戦うことからバトルシステムと呼ばれる仕組みである。低確率時で確変(突確含む)大当たりに当選した場合、大当たり終了後から高確率状態に突入し、通常大当たり(主に突時、突通)まで高確率状態は終了しないというものである。

なお、規則改正により2015年11月以降ホールに設置された機種では『初回の大当たり獲得遊技球数の下限値は、最大獲得球数の3分の1以上かつ600個以上』(大当たり確率が320分の1以下の機種の場合。機種が採用する大当たり確率により下限値は異なる)とする内規が適用されているため、突然確変の搭載は暗に禁止としているが、実際には『突然確変に当選しても、次の大当たり以降で必ず出玉が得られれば良い』という解釈[2]から、実際に突然確変を搭載している機種は規則改正後でも供給されている[注釈 8]。この内規は、何回も大当たりするものの、突然確変または突然時短ばかりで結局は出玉が得られないまま確変が終了してしまうことがないようにするための配慮である。

潜伏確変(潜確、隠れ確変)

機種によっては、確変に当選しても報知されないものがある。そういった確変は潜伏確変又は隠れ確変、確変非報知型等と呼ばれる。確変大当たりなのかそうでない(通常大当たりまたはフェイク)のかは、画面を見ただけではわからず、またパチンコホールの台上データカウンターの大当たり回数も増えないため、簡単に判別が出来ないようになっている。なお、日工組内規により、電源投入直後は必ず確率の状態を告知しなければならないため、電源投入直後は潜確搭載の機種であっても高確率かどうかが告知されるようになっている。ちなみに、高確率状態はRAMクリアを実行することで解除が可能である(逆・・・つまり、強制的に高確率状態とすることは不可能)。

一般的に、「●●モード突入」や「●●ゾーン突入」などといった表現で通常時とは違う演出をさせることにより、高確率状態への期待感を煽っている。ただ、潜確では確変に当選しても電チューサポートは行われず、確変に当選していたとは気付きにくい。確変に当選していない場合はいわゆる『ガセ演出』である(それでも特別電動役物が開放されるので「フェイク」や「小当たり」、「中当たり」とも呼ばれる)。確変に当選した場合は内部的には高確率状態が続くため、このタイプの機種では、特に「●●モード」などの演出中は「当たらないから」と言ってすぐに遊技をやめることは厳禁である。例として、京楽の『CRぱちんこ冬のソナタ2』のミニョンモードが挙げられる。

多くの台では、セグ・ランプ群のラウンドランプの点灯を確認(フェイクの場合は点灯しないため)すれば確変に当選したかどうかを判別できるが、バトルタイプの機種では突然確変大当たりとともに突然通常大当たりも存在するため、ラウンドランプだけでは確変に当選したかどうかを判別するのは不可能である。その場合は、台の隅にある特別図柄表示装置[注釈 9]に表示される特別図柄のパターンなどで確認する必要がある。

バトルタイプ以外の台では上記のラウンド当選ランプを確認すればよいため、比較的判別は容易であったが、一時期京楽が取り入れていた「進化系ぱちんこ」シリーズでは、出玉あり、出玉なし大当たりに関わらず全ての大当たりラウンド数を統一、なおかつフェイク時はその大当たりラウンド数と同じ回数特別電動役物を開放することにより、特別電動役物の開放回数やラウンドランプでの判別が不可能であった(ただ、結局は不評のためこの「進化系ぱちんこ」は1年ほどで取りやめている)。また、現在の機種では特別図柄の表示を複雑化することによりプレーヤー側の確変判別を難しくさせた一方で、画面演出を充実させ期待感を続かせる演出を増加させている。

一部の店では判別をさせないように特別図柄表示装置の上に広告などを被せて隠してしまう行為も行われているが、画面の一部を隠す行為自体は違法である。

突然確変と同様、新内規では具体的に搭載の禁止が明文化されているものではないが、潜伏確変中に突然通常に当選したりスペシャル・タイム(ST、後述)に突入して大当たりを引けず終了し出玉ナシ、といった流れは出玉が得られないことから禁止されている[2]

スペシャル・タイム(ST)

一定回数スタート入賞して大当たりにならないと低確率状態へ移行する機能。「回数切り確変」とも言われる。純正のST機として最初の機種は、2000年に登場した京楽の『CRジャングルパークXLTD』であった。「低確率310分の1前後、高確率50分の1以下、確変割合50%、次回まで継続、リミットなし、時短なし」のスペックが主流だった当時は、ST搭載の機種は大当たり確率こそ低確率が250分の1前後と高かったが、50%の確変割合の中で確変大当たりを引いても連荘する保障がなく、しかも高確率が50分の1を超える場合は電チューサポートを設定できなかったため評判は思わしくなく、結局浸透することはなかった。ただし、10000回転という、事実上次回大当たりまで継続するSTは過去にあり、10000回転のST搭載の機種は、SANKYOや三洋、大一など、多くのメーカーの機種に採用された。これも含めると、STを搭載した最初の機種は竹屋の『CRモンスターハウス』である。

STが本格的に浸透し始めたのは、スペックの多様化が加速した2004年の規則改正以降であり、サミーの『CRマーメイドザブーン』を皮切りに、大当たり確率(低確率)100分の1前後の、いわゆる「遊パチ」と呼ばれる機種で多く採用されるようになった。ST終了後はそのまま時短に突入し、引き戻しによる連荘の期待をさせるものも多い。後に、初当たり確率が400分の1に近い、いわゆる「MAX機」と呼ばれる機種でもSTが多く採用されるようになった。このような機種では高確率状態が次回の大当たりまで保証されない代わりにST継続率が80% - 90%前後と従来のループ式確変機よりも大当たり継続率が大幅に高く設定され、射幸性が高くなっている。

ST回数は上限を100回転までとしたものが多かったが、近年は『CR牙狼』シリーズなどで確変時の大当たり確率を150分の1などと従来よりも大幅に下げる代わりにST回数を100回転を超える設定としている機種も登場している。

従来のST機は高確率状態が次回の大当たりまで保証されない代わりに確変割合を100%としているものが多かったが、2016年以降はST継続率が65%までに規制されたため、主に大当たり確率が320分の1に近い「新MAX機」においてST中の大当たりにも通常大当たりの振り分けがある機種も多くなった。

なお、このSTを搭載している機種に限り、いわゆる『大ハマリ』を救済する目的で「遊タイム」の機能を搭載することが認められている。「遊タイム」に突入すると、その一定回転数の間に限り時短機能が作動するようになっている。詳細はこちらを参照。

時短的確変

旧規則下の日工組内規における現金機では、時短1回あたりの上限が設けられていなかった(次回大当たりまでの時短も可能であった)が、2004年の規則改正に合わせ、CR機だけでなく現金機までも、時短1回あたりの上限が100回転へと日工組内規が変更された。しかし、「CR機では大当たり確率を2種類まで設定できる」、「高確率時の電チューサポートは、確変割合が100%でない限り、回数の上限はない」ということを逆手に取り、大当たり確率の高確率を同低確率とほとんど変わらない高さにすることで、CR機の確変機能による100回転を超える"時短"という、旧規則の現金機のようなスペックが実現された。この時短的確変は一般では時短とされているが、大当たり確率が多少なりとも上がっているので、実際はれっきとした確変である。

この時短的確変を搭載した機種には、SANKYOの『CRフィーバースーパースタジアムTR』、豊丸の『CRやすしきよし333』及び『CRやすしきよし555』、Sansei R&Dの『CRオークス』がある。

転落抽選

高確変状態を、一般的なループ式による通常大当たりの当選によるものではなく、『転落抽選』と呼ばれる抽選に当選した時点で終了させるもの。初めて搭載された機種は2004年の「CRウッディー・ウッドペッカーDD」(マルホン工業)だが、突然確変や潜伏確変、STが主流となったためこの転落抽選を採用した機種は非常に少ない。ただ、近年では2015年10月に登場した「CR JAWS〜It's a SHARK PANIC〜」(平和)で久々に搭載され、この機種では500.3分の1の当選確率による転落抽選に当選するとその時点で確変状態が終了するようになっている[3]


注釈

  1. ^ 西陣の『CRラッキートマトZ』(大当たり時にデジタル上部の役物が回転し、トマトで停止した場合のみ確変)、Daiichiの『CR寛平笑劇場』(大当たり時にデジタル内の間寛平が回転し、正面を向いて停止した場合のみ確変)、京楽産業の『夢幻伝説』(大当たり終了後のおみくじで「三」か「七」を引くと、次回以降の大当たりで 「二」・「四」・「六」・「八」を引くまで小当たりのみ確変)のように、全ての図柄をチャンス図柄とした機種も存在する。
  2. ^ 高尾の「P弾球黙示録カイジ沼4」(「超沼RUSH」中は「4」が揃った時のみ通常大当たりの可能性あり)、西陣の『P刀使ノ巫女』(「大荒魂討伐モード」中は「4」以外が揃えば継続確定)など。
  3. ^ 例えば京楽産業.の『CRぱちんこ必殺仕事人』シリーズ(『IV』まで)では、「三」「五」「七」「仕」「事」「人」で大当たりすると確変確定となる。
  4. ^ 西陣の『あんたはエライEX』(「係長」「課長」「部長」「専務」「社長」のいずれかで大当たりした場合のみ、以後2回の大当たりまで小当たりのみ確変)、SANYOの『CRフィーバーピンボール』(アルファベットの「J」「F」「L」「P」「A」で大当たりした場合のみ、以後2回の大当たりまで確変)など。中には豊丸産業の『CR竜凰伝説』(「壱」「参」「伍」が確変図柄のみなのに対し、「七」「竜」「王」には確変図柄と通常図柄の両方がある)といった変わり種もあった。
  5. ^ 西陣の『CR豪血寺一族』(「豪」で大当たりした場合のみ確変確定)、SANKYOの『CRF革命機ヴァルヴレイヴ』(「V」で大当たりした場合のみ確変確定)など。
  6. ^ SANKYOの『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ(『2』まで)、ビスティの『Pコードギアス 反逆のルルーシュ』、平和の『P戦国乙女 LEGEND BATTLE』など。
  7. ^ 主に0.5秒程度×2回以上。2回以上開くのは、現在の日工組内規では『大当たりは特別電動役物が2回以上開くこと』と定められているため。ちなみにこの間に大入賞口に玉が入れば、規定の払い出しを受けられる。
  8. ^ 参考に、2016年12月から導入された「CRエヴァンゲリオン11〜いま、目覚めの時〜」(スロパチまとめ解析)では突然確変が搭載されている。
  9. ^ かつては7セグ1ツないし2ツを組み合わせて表示させることが多かったが、現在の機種では直径1 - 2mm程度の小さなランプを多数配置して表示パターンを複雑化させているケースが多い。

出典

  1. ^ 日刊スポーツ大阪本社版、2017年3月1日付11面「パチンコ ドン・キホーテ」
  2. ^ a b 谷村ひとし著「誰がパチンコをダメにしたのか?」(ワニブックス|PLUS|新書)ISBN 978-4-8470-6568-2 p.21
  3. ^ CR JAWS〜It's a SHARK PANIC〜製品サイト
  4. ^ パチンコ規制「確変継続率上限65%」の内容・実施スケジュール詳細(※追記有り)”. パチンコプラス (2015年9月18日). 2015年10月21日閲覧。






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