目の隈 目の隈の概要

目の隈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/30 08:25 UTC 版)

目の隈
睡眠不足による目の隈。
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定義

くまとは目の周り、すなわち上下眼瞼あるいはその一部が黒味がかっている状態とされる[3][4]

眼窩の周辺が後退し、脂肪量も減少すると眼窩の周辺にくぼみができる[1]。あるいは色素沈着を起こしている[1]。また下瞼は人体でも皮膚が最も薄い部分であり、顔の他の部分より皮下の状態を反映しやすく、それはコラーゲンエラスチンが損失し、弾力性や膨らみを失ったことも原因となる[1]。目の下の袋 (Bags Under the Eyes) とも呼ばれ、目の周囲の組織が弱まりたるんで、脂肪が下部へ移動することで膨らんで見える[5]

原因

老化は原因となる[1]。発生の要因は 「鬱血」 および「色素沈着」で、小じわ、キメの悪化が目立たせている[4]

解剖を伴わない皮膚科学的な研究によれば、血流速度の低下による皮膚毛細血管内の還元ヘモグロビンの増加と、皮膚のメラニンの量の増加によるものとされている[4]

睡眠不足、すでにたるんだ眼窩皮膚での水分摂取のし過ぎ、喫煙、アレルギーも原因となる[5]

病気の症状として

肝疾患[6]など皮膚の色素沈着を起こす疾病の症状が「くま」として認識される事がある。

治療

化粧によって皮膚の色合いや、くぼみを埋めることでクマを隠すことができる[1]コンシーラーを使う[5]

レチノイドはコラーゲンの生成を促し、ふくらみを改善し、色素のメラニンを減少させる[1]ビタミンKレチノール(ビタミンA)が含まれるクリームがある[7]。肌の質感を改善するための25種類以上のペプチドが入手できるが、パルミトイルペンタペプチド-4(マトリキシル)といったものがある[1]

ハイドロキノンは、皮膚の漂白剤のように機能するオイルフリーの保湿剤で、少なくとも3か月間は用いられ、一般に5-7か月後に効果が判明する[8]。しかしハイドロキノンはメラニン細胞(メラノサイト)に対する毒性や発がん性の懸念から欧州や一部のアジアの国では入手できず、色素沈着に対する目的ではコウジ酸やハイドロキノンに似た構造を持つアルブチンなどが利用できる[1]カフェインの塗布は血管形成を促し、ランダム化比較試験では浮腫と色素沈着を軽減している[1]

多血小板血漿 (PRP) の注射では、皮下の再構築を促すが、2018年の論文ではこの論文を含めて研究が6件存在する[9]。1研究は半顔でランダム化しており、偽薬を注射した顔半面より有効であった[10]

くぼみのためのヒアルロン酸注入剤、脂肪注入、色素沈着のためのケミカルピーリングインテンス・パルス・ライト、非侵襲的/侵襲的レーザーといった選択肢もある[1]。レーザーでは色素沈着や瘢痕のリスクがある[9]

出典

[脚注の使い方]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l Ivan Vrcek, Omar Ozgur, Tanuj Nakra (2016). “Infraorbital Dark Circles: A Review of the Pathogenesis, Evaluation and Treatment”. Journal of cutaneous and aesthetic surgery 9 (2): 65–72. doi:10.4103/0974-2077.184046. PMC 4924417. PMID 27398005. https://doi.org/10.4103/0974-2077.184046. 
  2. ^ "What causes the dark circles that sometimes appear under my eyes?". Mayo Clinic women's healthsource 7 (6): 8. 2003. PMID 12838
  3. ^ 長島正治, 臨床と研究, 72, 136-139 (1995), NAID 80008034050
  4. ^ a b c 舛田勇二、高橋元次、佐藤敦子 ほか、目の周りのくまに対する皮膚科学的検討とその対処法について 日本化粧品技術者会誌 2004年 38巻 3号 p.202-210, doi:10.5107/sccj.38.202
  5. ^ a b c Kierstan Boyd, Kendra Denise DeAngelis (2018年11月29日). “Bags Under the Eyes”. American Academy of Ophthalmology. 2019年7月22日閲覧。
  6. ^ 中田敬吾、古江増裕、高鍬博 ほか、慢性肝障害の漢方治療 日本東洋医学雑誌 1982年 33巻 3号 p.129-138, doi:10.3937/kampomed.33.129
  7. ^ Elson ML, Nacht S (1999-12). “Treatment of a periorbital hyperpigmentation with topical vitamin K/vitamin A”. Cosmet Dermatol 1999 (12): 32-34. 
  8. ^ Sarkar R, Ranjan R, Garg S, Garg VK, Sonthalia S, Bansal S (January 2016). “Periorbital Hyperpigmentation: A Comprehensive Review”. J Clin Aesthet Dermatol 9 (1): 49–55. PMC 4756872. PMID 26962392. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4756872/. 
  9. ^ a b Aust, Matthias; Pototschnig, Hanno; Jamchi, Sarina; et al (2018). “Platelet-rich Plasma for Skin Rejuvenation and Treatment of Actinic Elastosis in the Lower Eyelid Area”. Cureus. doi:10.7759/cureus.2999. PMC 6260498. PMID 30515364. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6260498/. 
  10. ^ Boo Kyoung Kang, Jong Ho Lee, Min Kyung Shin, Nack In Kim (2013). “Infraorbital rejuvenation using PRP (platelet-rich plasma): A prospective, randomized, split-face trial”. Journal of the American Academy of Dermatology 68 (4): AB24. doi:10.1016/j.jaad.2012.12.104. https://doi.org/10.1016/j.jaad.2012.12.104. 


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