生命 人工生命

生命

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/16 22:37 UTC 版)

人工生命

人間によって作成、またはシミュレーションされた生命体を人工生命と呼ぶ。特に近年の情報処理技術の発達にともなって、生命現象のシミュレーションをコンピュータ内("in silico")で行なうことも可能になった。文字通り「生命」を持つ人工生命を強い人工生命(strong Artificial Life, または Strong Alife)と呼び、限定された人工環境下で生命現象の一部だけをシミュレーションしたものを弱い人工生命(weak Alife)と呼ぶ[25]。強いAlifeが本当に実現可能であるのか、化学的プロセスと切り離されたコンピュータ上の計算が生命を持つと呼べるのかについては、さまざまな議論がある。

コンピュータシミュレーションではない現実の生命については、2003年にゲノム解析の塩基配列情報からウイルスを合成することができたという報告がある[26][27]。 その後2010年、アメリカのクレイグ・ベンター博士のチームはmycoplasmaのゲノムを表すほぼ完全なDNAを合成し、本来のDNAを除去された近縁種の細菌の細胞に、合成したDNAを移植する手法で、自立的に増殖する人工細菌を作成することに成功した。

地球外生命体

21世紀初頭現在において、人類の知識の範囲内では、全ての生命体は地球上にしか存在しない。しかし、地球外生命の存在可能性は、古くからかぐや姫やウェルズの宇宙戦争のような、おとぎ話やSFのインスピレーション元となってきた。また、近年の観測技術の発達に伴い、地球外生命体の存在可能性は真面目な科学的考察の対象となっている。カール・セーガンは、著書『コスモス』で、地球外生命体の存在可能性を数式を用いて提示した。太陽系内のいくつかの天体における生命存在の可能性については古くから議論がなされており、中でももっとも生命存在の可能性が高いとされる火星においては、1975年から1976年にかけて行われたバイキング計画において生命探査が行われたが、生命の痕跡を検出することはできなかった[28]。しかし、その後も火星生命の探索は行われている。このほか、地下に海の存在する可能性の高い木星衛星エウロパ土星の衛星エンケラドゥス、液体メタンエタンによる海が存在する土星の衛星タイタンなども生命の存在する可能性があると考えられている[29]。(タイタンの生命も参照)。

脚注

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  1. ^ a b 大島(1994)、p.14-29、第1章 生命は星の一部である、(1)宇宙の生命を探る
  2. ^ Defining Life : Astrobiology Magazine - earth science - evolution distribution Origin of life universe - life beyond
  3. ^ Defining Life, Explaining Emergence
  4. ^ Can We Define Life”. Colorado Arts & Sciences (2009年). 2009年6月22日閲覧。
  5. ^ McKay, Chris P. (September 14, 2004). “What Is Life—and How Do We Search for It in Other Worlds?”. PLoS Biol. 2 (2(9)): 302. PMID PMC516796 doi:10.1371/journal.pbio.0020302. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC516796/?tool=pubmed 2010年2月2日閲覧。. 
  6. ^ Nealson, K.H.; Conrad, P.G. (December 1999). “Life: past, present and future”. Philosophical Transactions of the Royal Society of London B英語版 354 (1392): 1923–39. doi:10.1098/rstb.1999.0532. PMC: 1692713. PMID 10670014. http://journals.royalsociety.org/content/7r10hqn3rp1g1vag/fulltext.pdf. 
  7. ^ Mautner, Michael N. (2009). "Life-centered ethics, and the human future in space" (PDF). Bioethics. 23 (8): 433–40. doi:10.1111/j.1467-8519.2008.00688.x. PMID 19077128. 2012年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ (PDF)
  8. ^ Jeuken M (1975). "The biological and philosophical defitions of life". Acta Biotheoretica. 24 (1–2): 14–21. doi:10.1007/BF01556737. PMID 811024
  9. ^ Capron AM (1978). "Legal definition of death". Annals of the New York Academy of Sciences. 315 (1): 349–62. Bibcode:1978NYASA.315..349C. doi:10.1111/j.1749-6632.1978.tb50352.x
  10. ^ a b 大島(1994)、p.46-50、第2章 宇宙の中の生命、(1)生命の三つの特徴
  11. ^ a b c d e 『岩波 生物学事典』【生命】
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』講談社、2011年 p.80-113
  13. ^ 『デカルト著作集4』p.286
  14. ^ 『ひとは生命をどのように理解してきたか』p.64
  15. ^ a b c d e f g 福岡伸一「第2章」『生物と無生物のあいだ』講談社、2007年、pp.29-46。
  16. ^ a b c d e f 福岡伸一「第9-第15章」『生物と無生物のあいだ』講談社、2007年、pp.152-272。
  17. ^ 『生命とは何か 物理学者のみた生細胞』岡小天・鎮目恭夫共訳、岩波書店〈岩波新書 第72〉、1951年。
  18. ^ "History of life through time". University of California Museum of Paleontology.
  19. ^ 新しい生物学 p.269
  20. ^ 「生命の起源 宇宙・地球における化学進化」p6-p7 小林憲正 講談社 2013年5月20日第1刷発行
  21. ^ a b c 大島(1994)、p.160-171、第5章 地球外生命の可能性、(1)隕石‐太陽系の古文書
  22. ^ a b 大島(1994)、p.60-66、第2章 宇宙のなかの生命、(3)特徴の2自己を複製する
  23. ^ "Definition of death". 2009年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月30日閲覧
  24. ^ Defining of death.
  25. ^ Thro, E.: Artificial Life Explorer's Kit, SAMS Publishing.,1993.
  26. ^ 2週間でウイルス合成 米、「人工微生物」実現に展望
  27. ^ Virus built from scratch in two weeks - Nature News
  28. ^ 「生命の起源 宇宙・地球における化学進化」p146-p148 小林憲正 講談社 2013年5月20日第1刷発行
  29. ^ 「生命の起源 宇宙・地球における化学進化」p164-p165 小林憲正 講談社 2013年5月20日第1刷発行







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