玉正鳳萬平 玉正鳳萬平の概要

玉正鳳萬平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 05:37 UTC 版)

玉正鳳 萬平
基礎情報
四股名 高春日 望
→ 種子島 万来
→ 旭蒼天 万来
→ 玉正鳳 萬平
本名 エルデンビィールグ・エンクマンライ
Эрдэнэбилэгийн Энхманлай
愛称 マンちゃん、タマショー
生年月日 (1993-03-06) 1993年3月6日(31歳)
出身 モンゴルウランバートル市
身長 188.0cm
体重 125.0kg
BMI 34.0
所属部屋 春日山部屋
追手風部屋
中川部屋
片男波部屋
得意技 右四つ、寄り、投げ[1]
成績
現在の番付 西十両9枚目
最高位 西十両筆頭
生涯戦歴 300勝274敗(75場所)
優勝 幕下優勝1回
データ
初土俵 2011年9月場所
趣味 アニメ鑑賞[2]漫画[2]手芸ブレスレット作りなど)[2]
備考
2024年3月24日現在

来歴

父はモンゴル相撲柔道監督。父の教え子には朝青龍日馬富士朝赤龍時天空白馬龍皇と、錚々たる関取衆がいる[2]。エンクマンライ本人は相撲には全く興味がなく、バスケットアイススケートに夢中であった[2]。入門直前に相撲の良さを知り、2011年6月に来日し、当時の高島部屋に入門[2]。しかし新弟子検査を受ける前に高島部屋は所属力士0人となったため消滅に至り、同年7月場所に春日山部屋の力士として新弟子検査を受けた。このため、公式記録上は高島部屋の所属力士であったことはない。興行ビザの獲得のため初土俵は9月場所。当時の四股名高春日望(たかかすが のぞみ)であり、これは見習いとしての自分の世話をしてくれた13代高島の現役時代の四股名「高望山」から「高」と「望」を取り、新しい師匠の20代春日山の現役時の四股名「春日富士」から「春日」を取って作られたものである。初土俵から2年余りの2013年11月場所に幕下に昇進するなどある程度の実力は持っていた。しかし所属していた春日山部屋は、21代春日山(元前頭・濱錦)の師匠辞任勧告により2016年10月19日に閉鎖され、高春日を含めた旧春日山勢は追手風部屋預かりとなった。その後、2017年2月3日日本相撲協会より1月26日付で15代中川が師匠として旧春日山部屋の再独立が認められたことが発表され、所属部屋が中川部屋となった。中川部屋力士となってからしばらくして、15代中川の勧めで高春日をかわいがっている後援者の種子島という人物から名前を貰い、さらに下の名前も本名のエンクマンライから取り、2017年5月場所から四股名を種子島万来(たねがしま まんらい)と名乗ることにした[2]。元々太れない体質だが、1日4食から5食を食べ、そのほかにもプロテインと夜食を口にしている。食事は稽古よりも厳しいが、体を大きくするために頑張っている。春日山部屋時代までは四つ相撲であったが、中川部屋所属となってからは相撲も押しに変えている[2]。2017年11月場所から15代中川の四股名の「旭」と故郷のモンゴルの空に因んだ旭蒼天万来(きょくそうてん まんらい)へ改名。2020年7月場所の直前、師匠の15代中川に不適切な指導があったとして中川部屋が閉鎖されたため、片男波部屋に移籍[4]。同年9月場所に四股名を14代片男波の「玉」と正しく生きてほしいという意味を込めた玉正鳳萬平(たましょうほう まんぺい)へ改名[5] [6]。2022年11月場所12日目の6番相撲で元大関の朝乃山と対戦することとなって話題となった[7]。この一番は前日に玉鷲と作戦会議した通り、廻しを取らせないように突き放してから叩き込みで勝利[8]。この場所は7戦全勝で幕下優勝を飾り、優勝した際には「(来年は)前に出る相撲をやって、関取を目指したい」と力強く意気込み述べた[1]。自己最高位を更新する東幕下筆頭で迎えた2023年1月場所は、3勝3敗で迎えた千秋楽の7番相撲で西十両10枚目の照強を倒して4勝3敗と勝ち越し、日本相撲協会の内規に従って翌3月場所の十両昇進が確実となった[9]。場所後の1月25日に開かれた番付編成会議で、3月場所の新十両昇進が発表された[10]。十両昇進会見では「いろんな部屋を渡り歩いて、5人の師匠から、いろんなことを教えてもらえた」と、多くの技術や考えに触れ、成長できたことを昇進の理由に挙げた[11]。片男波部屋としては、現師匠が部屋を継承後初、部屋としても2008年1月場所の玉鷲以来の新関取で、モンゴル出身力士としては2022年7月場所の欧勝馬以来37人目、日本国外出身力士としては狼雅ロシア)以来戦後72人目の新関取、所要68場所での新十両は日本国外出身力士として鬼嵐の71場所に次ぐ2番目のスロー出世となった[12]。3月場所前には幕内最高優勝経験者の朝乃山、栃ノ心、逸ノ城、徳勝龍を打倒したいと抱負を語った。この時点では流石に若い衆の頃よりは仕事量は減っているが、部屋に所属力士が4人しかいないという関係上関取であるにもかかわらずちゃんこ番や掃除などの雑用も行っている。若い衆2人と同様に大部屋で生活し、玉鷲の付け人も務めている。2月上旬の協会の健康診断で120・5kgだった体重が、直近で計測したところ128・5lkgと、8㎏増量した[13]。新十両として土俵に上がった3月場所は14日目に勝ち越しを決めた[14]。なお、場所6日目の友風戦で左太ももの裏を肉離れしてしまい、7日目からは通常は1回1錠の痛み止めの薬を「痛すぎて」と、3倍の1回3錠も服用して場所に臨んでいたという[15]。西十両11枚目の地位で土俵に上がった5月場所は9勝6敗の勝ち越し。7月場所は東十両5枚目まで最高位を更新。その7月場所は10勝5敗と初の2桁白星となり、9月場所は西十両筆頭まで最高位を更新。勝ち越せば新入幕も狙える地位だったが初日から4連敗、5日目の水戸龍戦で同場所初白星を挙げた際に脇腹の肉離れを起こし、6日目から再び4連敗で9日目にして十両昇進後初の負け越しとなった。

取り口

幕下優勝を果たした2022年11月場所中の報道によると、得意手は右四つ、寄り、投げとある[1]

上手からの芸に優れ、投げの中でも上手投げ、上手出し投げが得意。突き放してからの叩き込みも武器。本人は2023年3月場所前に「右前みつを取れば負けない」と語っていた[13]

十両昇進に際して師匠の14代片男波は精神面について「(2023年1月場所で)3勝3敗になった後、4日間も空いたけど、その間も緊張している様子はなかった。すごいなと思った。『鈍感力』というか。プレッシャーに強い」と称賛[11]


注釈

  1. ^ 優勝同点。
  2. ^ 2019新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性があるため7番相撲を休場(不戦敗)

出典

  1. ^ a b c 玉正鳳が7戦全勝で幕下V「関取を目指したい」片男波親方、玉鷲からの助言生かす 日刊スポーツ 2022年11月25日16時31分 (2022年11月26日閲覧)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 『大相撲中継』2017年9月16日号 p108-109
  3. ^ One piece 1100 luffy vs akainu 本人のTwitter 1:13 - 2017年9月11日
  4. ^ a b “不適切指導の中川親方は2階級降格、部屋閉鎖も発表”. 日刊スポーツ. (2020年7月13日). https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202007130000537.html 2020年7月13日閲覧。 
  5. ^ “降下の勢は東十両筆頭、千代丸は西十両3/新番付”. 日刊スポーツ. (2020年8月31日). https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202008300001220.html 2020年8月31日閲覧。 
  6. ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2023年3月号(春場所展望号) 21頁
  7. ^ 朝乃山が12日目に登場、5戦全勝中の玉正鳳との一番 勝てば十両復帰確実となる全勝優勝に王手 日刊スポーツ 2022年11月22日17時53分 (2022年11月22日閲覧)
  8. ^ 玉正鳳6連勝、朝乃山との全勝対決制す 玉鷲と“作戦会議”で「突き放すように」何度も練習 日刊スポーツ 2022年11月23日14時56分 (2022年11月24日閲覧)
  9. ^ 玉鷲付け人の玉正鳳、来場所の新十両昇進確実 「感謝」モンゴル出身で部屋4つ渡り歩いた苦労人 日刊スポーツ 2023年1月22日15時11分 (2023年1月22日閲覧)
  10. ^ “落合が新十両昇進!史上最速所要1場所で関取 28日に引退相撲の元横綱白鵬に朗報届く”. 日刊スポーツ. (2023年1月25日). https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202301250000137.html 2023年1月25日閲覧。 
  11. ^ a b 玉正鳳「うれしい気持ちをどう表したら」初土俵から11年半かけ新十両 兄弟子玉鷲は義理の兄 日刊スポーツ 2023年1月25日14時20分 (2023年1月25日閲覧)
  12. ^ “【春場所新番付】朝乃山あと1歩で再入幕逃す…フレッシュな新入幕一挙3人も/平幕以下関取編”. 日刊スポーツ. (2023年2月27日). https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202302260002082.html 2023年2月27日閲覧。 
  13. ^ a b 新十両の玉正鳳「全員倒したい」付け人、ちゃんこ番もやりながら幕内優勝経験者4人打倒に自信 日刊スポーツ 2023年3月4日14時6分 (2023年3月5日閲覧)
  14. ^ 新十両玉正鳳、対馬洋を破り8勝6敗で勝ち越し「自分の相撲を見せることができた」 日刊スポーツ 2023年3月25日15時37分 (2023年3月25日閲覧)
  15. ^ 玉正鳳、春場所で左太もも裏を肉離れしていた「痛すぎて」痛み止めは通常の3倍の1回3錠を服用 日刊スポーツ 2023年4月21日14時23分 (2023年4月21日閲覧)
  16. ^ 新弟子検査前に消滅したため公式には所属してない。
  17. ^ 勢関にやられた心臓止まるところでした ゴキブリのお返しか〜 本人のTwitter 23:24 - 2017年4月23日
  18. ^ モンゴルのハワリンバヤルの日にこんなコスプレもあったね全部マンガとアニメがすきだよ! 本人のTwitter 0:36 - 2016年6月10日
  19. ^ 玉正鳳 萬平 - 力士プロフィール 日本相撲協会 (2023年2月27日閲覧)


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