港湾労働法 関係者の責務

港湾労働法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/30 08:36 UTC 版)

関係者の責務

事業主は、募集、雇入れ及び配置を計画的に行うことその他の港湾労働者の雇用の改善に資する措置を講ずるとともに、港湾運送の業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練を行うことにより、港湾労働者の安定した雇用の確保その他の港湾労働者の福祉の増進に努めなければならない(第4条1項)。事業主及びその団体は、港湾労働者の安定した雇用の確保その他の港湾労働者の福祉の増進に関し、相互に協力するように努めなければならない(第4条2項)。

国及び地方公共団体は、事業主及びその団体の自主的な努力を尊重しつつ、その実情に応じてこれらの者に対し必要な援助を行うこと等により、港湾労働者の雇用の安定その他の港湾労働者の福祉の増進に努めなければならない(第5条1項)。国及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、港湾労働者に対し事業主が行う教育訓練の円滑な実施に資するため、必要な職業訓練の効果的な実施について特別の配慮をするものとする(第5条2項)。

事業主は、次に掲げる事項を管理させるため、厚生労働省令で定めるところにより、雇用管理者を選任しなければならない(第6条1項)。事業主は、雇用管理者について、必要な研修を受けさせる等前項各号に掲げる事項を管理するための知識の習得及び向上を図るように努めなければならない(第6条2項)。

  1. 港湾労働者の募集、雇入れ及び配置に関する事項
  2. 港湾労働者の教育訓練に関する事項
  3. その他港湾労働者の雇用管理に関する事項で厚生労働省令で定めるもの

公共職業安定所長は、当該港湾に係る港湾雇用安定等計画に定める事項に照らして、事業主が行う雇用管理について、その改善を図る必要があると認めたときは、当該事業主に対し必要な勧告をすることができる(第7条1項)。

事業主は、公共職業安定所の紹介を受けて雇い入れた者でなければ、日雇労働者(日々又は2月以内の期間を定めて雇用する労働者)として港湾運送の業務に従事させてはならない。ただし、公共職業安定所に日雇労働者に係る求人の申込みをしたにもかかわらず適格な求職者の紹介を受けることができない場合その他の厚生労働省令で定める理由がある場合は、この限りでない(直接雇用の禁止、第10条1項)。

  • 港湾運送の業務に従事させる日雇労働者について公共職業安定所の紹介を受けることを原則とすることとしたのは、港湾運送の業務に係る日雇労働者の求人と求職とを公共職業安定所に集中させ、迅速かつ的確な需給調整を図るとともに、併せて、手配師第三者による就労への違法な介入の排除を図ることとしたものであること(平成12年8月11日職発539号)。
  • 「厚生労働省令で定める理由」とは次の理由であり(施行規則第8条)、これらの理由がある場合には、例外的に日雇労働者の直接雇用を行うことができる。事業主は、これらの理由によって公共職業安定所の紹介を受けないで日雇労働者を雇い入れようとするときは、事前に(天災その他やむを得ない理由がある場合には、当該理由がやんだ後直ちに)日雇労働者雇用届を公共職業安定所長に届け出なければならない(第10条2項、施行規則第9条)。
    • 公共職業安定所に日雇労働者に係る求人の申込みをしたにもかかわらず適格な求職者がいないためにその紹介を受けることができないこと。
    • 公共職業安定所に日雇労働者に係る求人の申込みをし、公共職業安定所から日雇労働者の紹介を受けたにもかかわらず、当該日雇労働者が正当な理由なく港湾運送の業務に就くことを拒み、又は当該事業主が正当な理由により当該日雇労働者の雇入れを拒んだ場合において、当該日雇労働者に代わる日雇労働者の紹介を受けることができないこと。
    • 天災その他やむを得ない理由により緊急に港湾運送の業務を行う必要がある場合において、公共職業安定所に日雇労働者に係る求人の申込みを行ういとまがないこと。
    • 天災その他避けることができない事故により、公共職業安定所に求人の申込みをすることができないこと。
    • 職業安定法第20条の規定により、公共職業安定所から日雇労働者の紹介を受けることができないこと。
    • 上記に掲げる理由に準ずる理由であって厚生労働大臣が定めるもの(以下の通り。平成12年8月11日職発第539号)
      • 常用労働者が病気交通事故等のために港湾運送の業務に従事できなくなり、当該労働者に代わる労働者がいなければ当該業務の遂行が困難であること。
      • 港湾派遣元事業主から派遣された労働者又は公共職業安定所が紹介した日雇労働者が、病気、交通事故等のために業務に従事できなくなり、かつ、当該労働者に代わる日雇労働者に係る求人の申込みを公共職業安定所に行ういとまがないこと。
      • 業務の開始直前に、港湾労働者派遣による労働者派遣の役務の提供を受けることができないことが確認され、かつ、当該労働者派遣に代わる日雇労働者に係る求人の申込みを公共職業安定所に行ういとまがないこと。
      • 港湾派遣元事業主から派遣された労働者が業務の開始直前までに就労場所に到着せず、かつ、当該労働者に代わる日雇労働者に係る求人の申込みを公共職業安定所に行ういとまがないとき。
      • 公共職業安定所が紹介した日雇労働者が、業務の開始直前までに就労場所に到着しなかったこと。
      • 港湾派遣元事業主から派遣された労働者がその従事すべき業務について適格な労働者ではなく、かつ、当該労働者に代わる日雇労働者に係る求人の申込みを公共職業安定所に行ういとまがないこと。






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