教育ニ関スル勅語
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現代語訳
多くの訳があるが、公的な根拠を持つ訳としては昭和15年(1940年)文部省内に設置された「聖訓ノ述義ニ関スル協議会」の報告で文部省図書局がした「教育に関する勅語の全文通釈」がある。研究者の間では「全文通釈」と呼ばれる[要出典]。(仮名遣い,ルビ,段落など原文のまま。)
教育に関する勅語の全文通釈朕がおもふに、我が御祖先の方々が国をお
ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがひ守るべきところである。この道は古今を貫ぬいて永久に間違がなく、又我が国はもとより外国でとり用ひても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。肇 めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にこゝにある。汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦 び合い、朋友互に信義を以って交り、へりくだって気随気儘 の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すやうにし、学問を修め業務を習つて知識才能を養ひ、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起つたならば、大義に基づいて勇気をふるひ一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまに々々天地と共に窮りなき宝祚 の御栄をたすけ奉れ。かやうにすることは、たゝに朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなほさず、汝らの祖先ののこした美風をはつきりあらはすことになる。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v "教育勅語" コトバンク、2020年8月24日閲覧。
- ^ “1890年(明治23年)10月31日付『官報』”. 国立国会図書館デジタル化資料. 2013年2月19日閲覧。
- ^ 六 教学聖旨と文教政策の変化 文部科学省
- ^ 第二の森友学園か?国有地売却で話題のあの学校のイデオロギーを検証(辻田 真佐憲) 現代ビジネス 講談社
- ^ 明治神宮 教育勅語
- ^ 教育を受ける権利に関する基礎的資料 衆議院
- ^ a b 第2回国会衆議院本会議第67号昭和23年6月19日009松本淳造。
- ^ a b “教育勅語等の失効確認に関する決議(第2回国会):資料集”. 参議院. 2020年8月24日閲覧。
- ^ 第193回国会 文部科学委員会 第10号(平成29年4月14日(金曜日)) 衆議院
- ^ a b c d e f g 山住正己『教育勅語』朝日新聞社出版局、1980年。ISBN 4-02-259254-0。OCLC 23327178 。
- ^ a b 天声人語 1. 朝日新聞. (1981-01-20). p. 196-197
- ^ 官報
- ^ 文部省『漢英仏独教育勅語訳纂』文部省、1909年12月 。
- ^ 明治44年勅令第229号「朝鮮教育令」。大正8年勅令第1号「台湾教育令」。
- ^ 辻田真佐憲『文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年』文春新書、2017年。ISBN 978-4-16-661129-4。OCLC 983777635 。
- ^ 村上義人「手拭いの旗 暁の風に翻る」より、著者の在学していた開成中学校における実体験
- ^ 「新日本建設ノ教育方針(昭和二十年九月十五日)」、文部科学省HP、https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1317991.htm
- ^ CIE局長ダイクと安倍能成文部大臣の会談内容など。
- ^ 佐藤秀夫・鈴木英一「敗戦直後の京都・新教育勅語構想--有賀鉄太郎とシーフェリン」『季刊教育法』43号、1982年
- ^ 昭和21年10月8日文部事務次官通牒。
- ^ 『官報』1946年10月9日、文部省令第31号、NDLJP:2962435/1。
- ^ 「道徳綱領、修身など不要 文教審議会の会見」『日本経済新聞』昭和25年11月17日3面
- ^ 第186回国会 参議院文教科学委員会 第9号 2014年4月8日。
- ^ “開成幼稚園 幼児教育学園 (旧:南港さくら幼稚園幼児教育学園)” (2011年3月23日). 2011年3月23日閲覧。
- ^ 文部省『尋常小学修身書 巻六 児童用』1939年発行、近代教科書デジタルアーカイブ、ID:EG00016617。原文は歴史的仮名遣い・旧字体であるが、ここでは現代仮名遣い・新字体に改めた。
- ^ 那珂通世、秋山四郎 共著『教育勅語衍義』 (共益商社、1891年) p.3
- ^ 大宅壮一『実録・天皇記』鱒書房、1952年。 はしがき。大宅壮一『実録・天皇記』大和書房〈だいわ文庫〉、2007年、343頁。ISBN 978-4-479-30072-4。 資料一。
- ^ 花曜社『黄金律』1991年4月。ISBN 4-87346-077-8。
- ^ 高島俊男『お言葉ですが… 第11巻』連合出版、2006年11月、164頁。
- ^ 教育勅語の誤読で中学校長に注意『福岡日日新聞』昭和10年7月26日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p654 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
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