島唄 (THE BOOM)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/20 03:40 UTC 版)
THE BOOMの「島唄」と奄美・沖縄の「島唄」
「島唄」は、もともと奄美群島の民謡を指す言葉である。しかしTHE BOOMが沖縄のイメージの楽曲に「島唄」というタイトルを付けて大ヒットさせた為、「島唄」の語義が不正確になってしまったことを嘆く向きがある。一つは「島唄」=「琉球民謡」として一般に知られたことにより、もともと奄美群島の民謡を指す言葉であった「島唄」という言葉が琉球民謡を指しても使われるようになったこと。これは狭義の「島唄」(奄美民謡)の担い手(唄者)と、琉球民謡の担い手との双方の一部にこのことを嘆く立場が存在する。もう一つは、「島唄」=「THE BOOMの島唄」という認識が強くなってしまったことで、もともとあった伝統的な「島唄」の影が薄くなってしまったことである。
また、THE BOOMの「島唄」が全国的なヒットをしていた当時、沖縄県ではこの曲について批判的な意見も相次いだ[1]。「本土の人間に『島唄』の名を安易に使ってもらいたくない」という地元新聞への投書があったほどである。しかし、この曲を三線で弾いてみたいという若者が増え、伝統民謡離れ対策になったという。
バージョン
「島唄」のバージョンの詳細は以下を参照。
- 島唄
- 1992年1月22日発売のアルバム「思春期」収録。
- 島唄(ウチナーグチ・ヴァージョン)
- 1992年12月12日発表の9枚目のシングル。沖縄方言により当初は沖縄限定発売で、その後全国発売。
- 島唄(オリジナル・ヴァージョン)
- 1993年6月21日発表の11枚目のシングル。THE BOOM最大のヒット作となる。アルバム「思春期」とは別ミックス。
- 島唄 2001
- 2001年10月5日発表の25枚目のシングル。全体的にアレンジされたセルフカバー。
- 島唄 2002
- Shima-uta (acoustic) featuring IZZY
- 2002年6月19日発売のアルバム「OKINAWA〜ワタシノシマ〜」収録。前者は2001のリミックス。後者は英語ver.
- 島唄 Shima Uta
- 2002年5月22日発表の26枚目のシングル。オリジナル、ウチナーグチ、2001の他、アルフレッド・カセーロのカバーが収録。
- 島唄 (島唄20周年記念シングル)
- 島唄(シンフォニック・オーケストラver.)
- 2013年3月20日発表の34枚目のシングル。オリジナルバージョン発売から20周年を記念したセルフカバーバージョン。
カヴァーアーティスト
- 加藤登紀子(1993年、シングル『島唄』に収録。録音にはTHE BOOMも参加している。)
- Yami Bolo(シングル『Brothers Unite-島唄-』)
- レゲエシンガーによる初の洋楽アーティストによるカバーとなっている。
- 話題を呼び「ミュージックステーション」に出演(初出演はMIYA & YAMI)、当日はTHE BOOMも共演しており、歌の終盤で宮沢和史も参加し共に歌いあげている。
- 九州男(ミニアルバム『こいが俺ですばい』に収録)
- 夏川りみ(アルバム『てぃだ 〜太陽・風ぬ想い〜』に収録)
- アンドリューW.K.(アルバム『一発勝負〜カヴァーズ』に収録)
- IZZY(2001年、アルバム『アスコルタ』日本盤ボーナス・トラックとして英語で歌唱(曲名は「Shima-Uta」)。2002年、アルバム『NEW DAWN〜虹色の夜明け〜』日本盤ボーナス・トラック及びTHE BOOMのアルバム『OKINAWA〜ワタシノシマ〜』収録曲として宮沢和史と共演し日本語で歌唱)
- IZZYが2000年にこの曲を知ったことがカバーのきっかけとなった[11]。
- 梁静茹(2003年、アルバム『恋愛的力量』に収録。中国語で歌唱しタイトルも『不想睡』と名付けられた。)
- SOTTE BOSSE(2006年、アルバム『Essence of life』に収録)
- SISTER KAYA(アルバム『たからもの』に収録)
- ダイアナ・キング(2010年、アルバム『Warrior Girl』日本盤ボーナストラックに収録)
- 樹里からん(2011年、アルバム『TORCH』ボーナストラックに収録。英語で歌唱しタイトルも『Shima-Uta』と名付けられた。)
- May J.
- 我如古より子(1998年、アルバム『あの海に帰りたい』に収録)
- 森恵(2020年、アルバム『COVERS 2 Grace of The Guitar+』に収録)
- Violinist SHOGO(2022年、アルバム『てぃーだ』に収録)
- ^ a b c “20年目の島唄への思い 宮沢和史さん”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年4月26日). オリジナルの2013年4月26日時点におけるアーカイブ。 2013年4月26日閲覧。
- ^ 「いいはなシーサー」(テレビ朝日系列)2009年5月14日放送
- ^ 長田暁二『戦争が遺した歌 歌が明かす戦争の背景』全音楽譜出版社、2015年、776頁。ISBN 978-4-11-880232-9。
- ^ 「にんげんマップ・歌で心を抱きしめたい」(NHK総合)1996年11月11日放送
- ^ 2011年4月18日放送の「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」(フジテレビ)
- ^ 2013年5月30日放送の「めざましテレビ」(フジテレビ)
- ^ a b c “島唄:秘めた意味 元ザ・ブームの宮沢和史さん、「ひめゆり」学徒へ恩 ラブソング、沖縄戦の自決歌う”. 毎日新聞. (2019年6月25日) 2021年1月26日閲覧。
- ^ “「島唄」は、“表向きは幼馴染の男女の別れ”の歌。その一語一語の裏に込められた真実とは? 宮沢和史さんインタビュー”. ダ・ヴィンチWeb. (2022年8月1日). オリジナルの2022年11月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “(「沖縄」を考える)島唄、三線弾けなかった一節 宮沢和史さん”. 朝日新聞. (2019年9月30日) 2021年1月26日閲覧。
- ^ 2009年6月23日放送のニュース番組「NEWS ZERO」(日本テレビ)
- ^ 英美人歌手・IZZY、ブームの宮沢と「島唄」をデュエット、SANSPO.COM、2002年8月12日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
- 1 島唄 (THE BOOM)とは
- 2 島唄 (THE BOOM)の概要
- 3 THE BOOMの「島唄」と奄美・沖縄の「島唄」
- 4 脚注
- 島唄 (THE BOOM)のページへのリンク