宇宙科学研究所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/26 01:00 UTC 版)
大気球
戦前から行われていた気球による科学観測や、ロックーンに用いる気球の開発を引き継いで、1966年に宇宙航空研究所内に気球部門が発足した。以後飛行機による観測と人工衛星による観測の間を埋める唯一の飛翔体として長期科学観測や工学実験に用いられ、合計500機以上が飛翔している。
放球方式
初期は一般的によく用いられる気球下部を畳むことで地面に置き放球を行う「スタティック放球方式」や、気球本体をローラー車によりランチャー上に立て上げて放球を行う「立て上げ放球方式」が主流であった。その後、大型放球装置を用いて「立て上げ放球方式」の長所を伸ばし短所を克服した独自の放球方式である「セミダイナミック放球方式」が用いられた。2008年には放球場が大樹航空宇宙実験場に移転したことで、「セミダイナミック放球方式」をさらに発展させて気候による影響を抑えた「スライダー放球方式」が用いられるようになっている。
型式一覧
型式の添字は xx × 103 m3 の容積をもつことを意味する。
- Bxx - 標準型の大気球。B01, B5, B10, B15, B100, B500など。
- T5 - テトラ型気球。
- BxxH - Bx型の中で特に薄いフィルムを用いたものにつけられた呼称で初期のみ使用された。B01H, B1H, B5H。
- BCxx - シリンダ型気球。BC01 、BC1。
- EVxx - エバール・ポリエチレン製ラミネートフィルム気球。EV01、EV1。
- BTxx - 厚さ5.6μmの薄膜を用いた気球。BT5、BT15、BT30、BT120。
- BUxx - 厚さ3.4μmの薄膜を用いた気球。BU60は2002年に無人気球到達高度の世界記録を更新し、53.0キロに到達した。BU1、BU5、BU30、BU60。
- BVT60 - 厚さ2.8μmの薄膜を用いた気球。
- BS13 - 厚さ2.8μmの薄膜を用いた気球(満膨張体積8万平方キロメートル(直径60メートル))で、2013年9月20日に無人気球到達高度の世界記録を更新し、53.7キロに到達した[8]。
- ^ a b “「宇宙科学研究本部」の名称を「宇宙科学研究所」に変更”. sorae.jp (2010年3月29日). 2010年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月31日閲覧。
- ^ 後に、最高の傑作だと思っているのは(重戦の)鍾馗、と書いている
- ^ 振動現象は航空機やロケットの研究としても重要である。脳波はたまたま通っていた医者との会話というきっかけもあるが、波の一種とも言える。以前からの趣味であり教養であった音楽(特に弦楽器)も、音響という振動現象の一種として研究の対象とした。
- ^ 国分寺インディ・ジョーンズ計画<br/> ペンシルロケット実験場所の正確な位置がレーダー調査で明らかに UNIVERSE ニュース
- ^ 航空研究所は戦前は、航空機開発において、中島飛行機(現:富士重工業)や川崎重工業、三菱重工業とともに、日本の航空機開発の研究拠点であった。
- ^ 生々しい実験の跡 あばかれた黒い作業『朝日新聞』1969年(昭和44年)11月8日夕刊 3版 11面
- ^ 関係職員処分を 東大宇宙研の火炎ビン製造 文部省が申入れ『朝日新聞』1969年(昭和44年)11月14日朝刊 12版 15面
- ^ “無人気球到達高度の世界記録更新について”. JAXA. (2013年9月20日) 2013年9月21日閲覧。
宇宙科学研究所と同じ種類の言葉
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