土砂災害 対策

土砂災害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/10 14:29 UTC 版)

対策

傾きのある斜面の崩壊を防ぐ構造物を擁壁という。写真は古典的な石垣方式の擁壁の工事の様子。

被害を防ぐため、初歩的には危険な土地の利用を避けること、やむを得ず利用する場合には、崩壊などを防ぐ土木設備を設けたり、前兆現象や雨の降り方などを参考に適切なタイミングで避難を行うことが有効である。

危険地帯は、特に法律に基づく土砂災害警戒区域に指定されているところやその基礎調査が行われているところ、また都道府県が調査した土砂災害危険箇所に含まれているところなどである(cf.#行政が公表している危険地帯)。ただし、これらに該当しなくても、山間部や、周りに斜面や崖のある土地では注意が必要である[42][43]

危険地帯において土砂災害を避けるためには、雨の降り方と各種の前兆現象に注意し、前兆に気付いたときは、速やかに市町村や近隣住民などに知らせるとともに、自らも率先して避難することが有効である[42][44]

注意すべき時期は、雨の量が多いとき、雨が長期間続いているとき、さらに雨が止んだ後しばらくの間である[42]。また、大きな地震の後もしばらくの間注意が必要である[42]。日本では、気象庁がこれまでの雨量と数時間先までの予想雨量を基に大雨警報土砂災害警戒情報などを発表しており、これが目安になる(cf.#土砂災害が起きやすくなっていることを知らせる情報[45]

対策の要点

日本は、前述した国土の特性から住宅や公共施設などが被災する可能性のある地域を多く抱え[27]、2020年の時点でその数は約60万を超えている[46]。日本の政府広報のページでは、土砂災害から身を守る基本的な方法として以下の3つを挙げている[27]

  1. 普段から自分が住んでいる場所が土砂災害警戒区域か確認しておくこと[27]
  2. 雨が降りだしたら土砂災害警戒情報に注意すること[27]
  3. 土砂災害警戒情報が発表されたら早めに避難すること[27]

また東京都が2015年に発行した防災ハンドブック「東京防災」では、土砂災害から身を守るための「普段からの備え」として3つのポイントを挙げている[47]

  1. 危険箇所を確認しておくこと(上記1.)[47]
  2. 避難場所を確認しておくこと[47]
  3. 非常用持ち出し袋の用意をしておくこと[47]

このほか、同書では以下も挙げている[47]

  • がけ地周辺や山間部では、警報が発表されなくとも、土砂災害の前兆が見られたら、安全を確保した上で避難すること[43]
  • 土砂災害の危険を感じたら、早めのうちに、活動しやすい服装に着替えていつでも避難できるようにしておくこと[47]
  • 避難する時は、持ち物を最小限にして、両手が使えるようにしておくこと[47]







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