動物 発生

動物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 12:56 UTC 版)

発生

脊索動物の初期発生。1: 受精卵、2: 2細胞期、3: 4細胞期、4: 8細胞期、5: 桑実胚期、6: 胞胚期
A(左):頭索動物の卵割(等黄卵)
B(中):両生類の卵割(中黄卵)
C(右):鳥類の卵割(盤割)

受精卵や無性生殖におけるなんらかの細胞塊が成体に到達する過程のことを発生 (development)と呼ぶ[58]。有性生殖では、一倍体である精子と卵(未受精卵)が受精する事で、二倍体の受精卵が形成され、発生が開始する[56]。精子由来のミトコンドリアは酵素により分解されるので[59]、ミトコンドリアなどの細胞小器官や母性因子と呼ばれるmRNA、機能タンパク質は卵細胞のみから受精卵に伝わり[60]、子の表現型は母親の影響を受ける母性効果 (materal effect)が現れる[61]。胚発生以前から卵には極性(軸性、polarity)があり、卵前核に近い方の極を動物極 (animal pole)、そうでない極を植物極 (vegetal pole)と呼ぶ[62]。前者は幼生の中でも運動や感覚に関する部分、後者は消化器系となり、これらがかつてそれぞれ動物的機能と植物的機能と呼ばれていたためこれらの名がある[62]

発生が進行すると、胚のそれぞれの部分は特定の組織になるが、その決められた先を予定運命 (presumptive fate)と呼ぶ[63]。ある動物において、初期の発生(2細胞期や4細胞期)では等しい分化能力(全能性)を持ち、すべての組織や器官を形成し得る[37][64]。ウニの2細胞期の各割球を分けると、それぞれ受精卵と同様に発生が進行する[64]。逆に、4細胞期の環形動物や軟体動物の割球は完全な胚にならない[64]。発生運命が不可逆的に決まることを決定 (determination)といい、前者のような状態を「未決定である」(indeterminate, adj.)、後者のような状態を「決定している」(determinate, adj.)と表現する[64][65][66]。胚発生における発生運命の限定には可逆的に限定された指定 (specification)と不可逆的な決定があり、普通は指定ののちに決定が起こる[65]。Conklin は胚発生の初期において、予定運命の決定が早い段階で起こるものをモザイク卵 (mosaic egg)、発生運命が未決定で、各部が影響を及ぼしあいながら順次決まっていくものを調整卵 (regulative egg)と呼んだ[66]。前者には有櫛動物紐形動物線形動物環形動物節足動物軟体動物尾索動物[67]、後者には刺胞動物紐形動物棘皮動物腸鰓類半索動物)、脊椎動物などが挙げられる[68]

卵割

受精卵は卵割 (cleavage)という体細胞分裂を繰り返す事で多細胞からなる胚を形成する[59][69][70]。一般的た体細胞分裂とは異なり、卵割の際は核は複製されるが細胞質は卵細胞のものを分割して使うという特徴がある[59]。卵割は分裂溝 (cleavage furrow)により細胞が2つの割球 (blastomere)と呼ばれる細胞に分割されておこる[70]。卵割という用語は受精卵の最初の数回の分割に対して使われる[71]

卵割様式は卵黄の蓄積部位の影響を受ける[69][72]棘皮動物毛顎動物のように卵黄が等しく分布する等黄卵 (homolecithal egg[注釈 8])の場合は、ウニのように等割 (equal cleavage)を行うか、環形動物や多くの軟体動物のように不等割 (unequal cleavage)となる[69][72]。これらは卵割面が割球同士を完全に仕切るため全割と呼ばれる[70]。それに対し、端黄卵 (telolecithal egg)では分裂溝が卵黄の少ない動物極から現れるため、ハート形分裂(クラゲ型分裂;刺胞動物)の時期を経る[69][72]。クラゲ型分裂がより極端になると、頭足類軟体動物)のように最初の分裂溝が植物極に達しないまま次の分裂溝が動物極に現れる盤割 (discoidal cleavage)を行う[69]節足動物イソギンチャク(のように多量の卵が中央にたまっている心黄卵[注釈 9] (centrolecithal egg)では、表割 (superficial cleavage)が行われる[69][72][70]。第3分裂(4細胞期から8細胞期)では、不等割を行うものでは動物極側のものは小さく、植物極側のものは大きいため、それぞれ小割球 (micromere)と大割球 (macromere)と呼ばれる[71][73]

また、卵割では分裂ごとに紡錘体のとる位置や方向が定まっているためそれぞれの分裂方向が一定しており、大きく分けて放射卵割 (radial cleavage)と螺旋卵割 (spiral cleavage)の2つの卵割配置 (cleavage pattern)がある[71][73]。放射卵割では、各分裂の分裂面がその前の分裂に対して直角に起こり、分裂面は卵軸に対して平行か直角に規則正しく起こる[73]。8細胞期以降は不規則な分裂が混ざってくるものが多い[73]。分類群としては、刺胞動物[71]有櫛動物[71]箒虫動物[71]、ウニ類(棘皮動物[71]毛顎動物[74]腕足動物[74] が挙げられる。螺旋卵割では4細胞期から8細胞期(第3分裂)に紡錘体が卵軸に対し45°の角度をなして斜めに位置する[71][74]。その後の各分裂はだいたい互いに直角に行われるが、初めの分裂面が卵軸に対し傾いているため、以降の分裂面もすべて卵軸に対して角度をなして交わり[73]、螺旋状に並ぶ[71]。分類群としては、扁形動物[71][74]環形動物[71][74]軟体動物[71][74] に代表され、紐形動物[74]内肛動物[74] など少なくとも8つの門が螺旋卵割を行う[74]。なお、環形動物および軟体動物の一部では極体放出および卵割と同期して植物極の細胞質が縊り出され、無核の極葉形成 (polar lobe formation)が起こる[69]。極葉は一方の割球と合併され、その細胞質は将来の中胚葉となる[69]。8細胞期で大割球から縊り出された4個一組の小割球は第一クオテット(第一四つ組、1st quartette)と呼ばれる[73]。また、4細胞期の各細胞からつながる細胞系譜を持つそれぞれの系統をクアドラント(四分区、quadrant)と呼ぶ[73]。なお、節足動物などではこのどちらにも当てはまらない[75]

胞胚期

卵割が進み、細胞が小さくなって胚表面が上皮的に滑らかになると卵割期から胞胚期に移行したとみなされる[70]。この時期の胚は1層の細胞層で囲まれた球形で、胞胚 (blastula)と呼ばれる[76]。初期胚の内部には卵割腔が形成されるが、細胞数が増加することで細胞同士が密着結合を形成すると、卵割腔内にNa+やCl-といったイオンが能動輸送され、浸透圧が上昇して内部から水が浸入し胞胚腔液で満たされる大きな胞胚腔 (blastocoel[注釈 10])が形成される[60]。卵割腔(胞胚腔)をもつ胞胚を特に中空胞胚 (coeloblastula)と呼び、不等割を行う胚では胞胚の内部は卵黄を含んだ植物極側の大きな細胞で満たされるため中実胞胚 (stereoblastula)と呼ばれる[76]。卵黄量の多い盤割をするものでは細胞は動物極側に偏った胚盤 (blatodisc)を形成し、そのような胞胚を盤胞胚 (discoblastula)と呼ぶ[76]。また表割を行う胞胚では細胞形成は胚の外周でのみ行われるため、囲胞胚 (periblastula)と呼ばれる[76]

なお、昆虫両生類など多くの動物では、卵割期の細胞増殖を急激に行うために通常の細胞分裂で行われる一部の過程(G1G2の過程)が省略され早い細胞分裂が続くが[75][77]、胞胚中期になるとこの省略が終わり、形態形成に必要な転写、細胞の移動や誘導が始まる中期胞胚遷移(中期胞胚転移、中期胞胚変移)が起こる[75][78]。それに対し哺乳類では分裂速度が遅く、2細胞期から既に転写が始まる[75]

嚢胚形成

被いかぶせによる嚢胚形成。
1, 4: 外胚葉、2, 5: 内胚葉、3: 胞胚腔、6: 原口

胞胚は内胚葉外胚葉から分画される嚢胚形成(原腸胚形成[60]gastrulation)を経て嚢胚原腸胚[60]gastrula)期に至る[64][76]。嚢胚は内外二重の細胞層からなり、胚葉の区別が現れる[76]。嚢胚を形成する方法は分類群により異なり、最も一般的なものは陥入invagination、まくれこみ emboly)である[64][76]。陥入では植物極側の細胞層が胞胚腔に向かって折れ曲がり、内胚葉となる[76]。内胚葉のつくられた盲管状の部分を原腸 (archenteron)、その入口を原口 (blastopore)と呼ぶ[64][76]。この嚢胚形成の方法は棘皮動物などに典型的で[64]、棘皮動物では原腸の両壁には広い胞胚腔が残されているが、箒虫動物では原腸の壁に外肺葉が密着し、胞胚腔を残さない[76]。以降に示す被いかぶせや内展も陥入の変形とみられている[76]。環形動物や軟体動物では被いかぶせ (epiboly)という方法で嚢胚形成が行われる[64][76]。胞胚における動物極側の小割球の分裂が先に進行して、卵黄に富んだ植物極側の大割球を包囲することによって嚢胚ができる[64][76]。小割球由来の外側の細胞が外胚葉層となり、内側の大割球群が内胚葉となる[76]。被いかぶせでは、胞胚腔はかなり縮小している[64]。また、内胚葉細胞塊ははじめ原腸を形成しないため、外胚葉に覆われていない部分を原口と呼んでいるが、発生の進行に伴って原腸を形成し、原口と連絡する[76]。この場合、原口から落ち込んだ外胚葉の細胞層を、口陥 (stomodaeum)と呼ぶ[76]。盤胞胚を形成する頭足類では、胚盤葉の一端がその下に折れ込んで前方に延長する内展 (involution)によって内胚葉が形成される[76]

もう一方の嚢胚形成の方法は葉裂法 (delamination)と呼ばれ、主に刺胞動物にみられる[64][76]。狭義の葉裂法はカラカサクラゲGeryoniidae にのみ見られ、中空胞胚において外壁を作る細胞が一様に胞胚腔に向かって分裂すると、胞胚腔内に出た細胞は規則正しく配列して内胚葉の嚢を作る[76]ヒドラなどが行う方法は多極法 (multiopolar proliferation)と呼ばれ、胞胚法を形成している細胞が各所で胞胚腔内にすべり落ち、それが内胚葉の嚢を形成する[76]。それに対し、ウミコップ属 Clytiaでは植物極のみから細胞がすべり落ちるため、単極法 (uniopolar proliferation)と呼ばれ、多極法と併せて極増法 (polarization)と呼ばれる[76]。葉裂法を行う嚢胚の多くは中実嚢胚 (stereogastrula)で、発生が進行するまで原腸も原口も持たない[64][76]

中胚葉形成

左右相称動物では、内胚葉および外胚葉とは別に、体腔と関連して中胚葉の形成が起こる[79]。刺胞動物や有櫛動物では外肺葉から細胞が零れ落ち、外中胚葉性の間充織細胞を作る[35]棘皮動物箒虫動物など、内中胚葉でも間充織細胞として形成されるものはあるが、内中胚葉は普通表皮の形をとる[35]

螺旋動物では、まず第二クオテットまたは第三クオテットから外中胚葉性の間充織細胞が形成される[76]。その後、D四分区の 4d細胞(中胚葉帯端細胞、mesoblastic teloblast)から内胚葉由来の中胚葉が生まれる[35]。第四クオテットの他の細胞(4a, 4b, 4c)は内胚葉となる[35]。かつては 4d細胞の系統にある子孫細胞は全て中胚葉になると考えられていたが、内胚葉も含んでいる[35]4d細胞は胞胚腔内に落ちると左右に分裂し、胚の分化に伴い肛門になる部分の左右前方に位置しながら前方に細胞を送り、中胚葉帯 (mesoderm band)を作る[35]。これを「端細胞による中胚葉形成法 telobblstic method」と呼ぶ[35]。環形動物などでは、この中胚葉帯内に体腔が形成され、これが裂体腔と呼ばれる[35]

節足動物でも、中胚葉は1対の細胞帯として出現する。しかし螺旋動物のように特定の細胞ではなく、原口の周囲の細胞群に由来している[35]

腸体腔をもつ後口動物および毛顎動物、腕足動物などでは、原腸壁の一部が胞胚腔に向かって膨出 (evagination[79])し、そこから分離して胞胚腔内で独立した体腔嚢 (coelomic vesicle)を形成する[35]。こうしてできた体腔は腸体腔であり、それを囲む壁が中胚葉である[35]。脊椎動物においては、両生類(無羊膜類)では中胚葉の形成と原腸の形成が同時に起こるが、羊膜類(鳥類や哺乳類)では、中胚葉の形成が先に行われ、その後卵黄嚢と連続する内胚葉の一部が中胚葉に包み込まれるようにしてくびれ、原腸の形成が行われる[60][80]

細胞分化と器官形成

脊椎動物などでは、組織や器官を形成するため、胚細胞が特定の機能を持った細胞に変化する(細胞分化[81]。この際、基本的な細胞機能の維持に必要な遺伝子(ハウスキーピング遺伝子)の機能は残しつつ、特定の機能に必要な遺伝子を新たに発現し、逆に分化後には不必要になる遺伝子をDNAメチル化により不活性化する[81]

脊椎動物などでは原腸胚期の後、神経管が形成される神経胚期へと進む。例えばニワトリでは、外胚葉に神経板という領域ができ、それが胚の内側に丸まる事で神経管ができ、さらに直下に脊索が形成される[82]。神経管の前方には前脳中脳、後脳という3つの膨らみが形成され、これらが将来になる[82]。脊索の両側の沿軸中胚葉から体節が形成され、体節と隣接した外側の中間中胚葉からは腎節が形成される[83]。体節はやがて皮節、筋節、硬節に分かれ、これらはそれぞれ皮膚の真皮層、骨格筋椎骨などが形成され[83]、腎節からは腎臓や生殖腺が形成される[83]。中間中胚葉のさらに外側には予定心臓中胚葉という、将来心臓関連の組織になる部分があり、これは壁側中胚葉と臓側中胚葉に転移する[84]。前者からは体腔を覆う胸膜腹膜が形成され、後者からは心筋平滑筋血管血球などが形成される[85]。心臓は生命の維持に不可欠なので、発生の早い段階で中胚葉から形成される[84]。なお、予定心臓中胚葉は中胚葉の正中線を隔てた両側に2つ存在するが、これら2つは移動して胚の前方で合流して心臓を形成する[84]。脊椎動物では外胚葉と中胚葉の相互作用で四肢が形成される[86]ヒトの手足は水鳥と違い、指の間に水かきがないが、これはアポトーシスの作用で水かき部分の細胞を「自殺」させている為である[80]


地質時代先カンブリア時代[* 1][* 2]
累代 [* 3] 基底年代
Mya[* 4]
顕生代 新生代 66
中生代 251.902

古生代 541
原生代 新原生代 エディアカラン 635
クライオジェニアン 720
トニアン 1000
中原生代 ステニアン 1200
エクタシアン 1400
カリミアン 1600
古原生代 スタテリアン 1800
オロシリアン 2050
リィアキアン 2300
シデリアン 2500
太古代(始生代) 新太古代 2800
中太古代 3200
古太古代 3600
原太古代 4000
冥王代 4600
  1. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  2. ^ 基底年代の更新履歴
  3. ^ 顕生代は省略、太古代は無し
  4. ^ 百万年前

注釈

  1. ^ 左上から順に、1段目:ヒトデの一種(棘皮動物門星形動物亜門ヒトデ綱)、クダカイメン Aplysina fistularis海綿動物門)、セイヨウダンゴイカ Sepiola atlantica軟体動物門頭足綱)、
    2段目:ミズクラゲ Aurelia aurita刺胞動物門鉢虫綱)、の一種 Hypercompe scribonia節足動物門六脚亜門昆虫綱)、ゴカイの一種 Nereis succinea環形動物門多毛綱)、
    3段目:ヒレジャコ Tridacna squamosa軟体動物門二枚貝綱)、シベリアトラ脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱)、ホヤの一種Polycarpa aurata脊索動物門尾索動物亜門ホヤ綱)、
    4段目:クマムシの一種(緩歩動物門異クマムシ綱)、淡水産コケムシの一種(外肛動物門掩喉綱)、ウツボの一種 Enchelycore anatina脊索動物門脊椎動物亜門条鰭綱)、
    5段目:カニの一種 Liocarcinus vernalis節足動物門甲殻亜門軟甲綱)、鉤頭動物の一種 Corynosoma wegeneri輪形動物門古鉤頭虫綱)、アオカケス脊索動物門脊椎動物亜門鳥綱)、
    6段目:ハエトリグモの一種(節足動物門鋏角亜門蛛形綱)、ヒラムシの一種 Pseudoceros dimidiatus扁形動物門渦虫綱)、ホウキムシ類のアクチノトロカ幼生(箒虫動物門
  2. ^ 古典ラテン語の中性第三活用(i音幹)名詞 animal, is, n複数主格
  3. ^ 明治以前の日本では、中国本草学の影響により生物各群を草・虫・魚・獣などと並列的に扱うことが一般的であり、生物を動物と植物に大別することは西欧の学問の流入以降に普及した考えである[1]
  4. ^ 原生動物は進化的に異なる雑多な生物をまとめたグループ(多系統群)であり、ミニステリアなどの一部の生物を除き後生動物とは系統的に遠縁である。
  5. ^ この「ランク」は流動的な分類群の実情に合わせ、リンネ式階層分類のように絶対的な階層をもたない[9]
  6. ^ 幼生中胚葉 (larval mesoderm)または中外胚葉 (mesectoderm)とも呼ばれる[35]
  7. ^ 真の中胚葉 (true mesoderm)または中内胚葉 (mesendoderm)とも呼ばれる[35]
  8. ^ 哺乳類のように卵黄が僅かな場合は無黄卵 alecithal eggと呼ばれる[72]
  9. ^ 中黄卵と呼ぶこともあるが、この語は中位の卵黄量を持つ mesolecithal にも用いられる[72]
  10. ^ 卵割腔も blastocoelと呼ばれ、区別されない[76]
  11. ^ 藤田 (2010)では、分子系統解析によればこれらの動物門は最古の化石より10億年以上遡ると推測されている[125]とあるが、これは正しくない。
  12. ^ 有爪動物緩歩動物節足動物
  13. ^ ガッコウチュウと呼ばれることもあるが[140]、顎口虫は線形動物の寄生虫 Gnathostoma にも用いられる[141]
  14. ^ a b 刺胞動物有櫛動物は外見が類似しているので腔腸動物門としてまとめられていたが、有櫛動物は刺胞がなく、上皮細胞が多繊毛性であり、決定性卵割であるといった刺胞動物との決定的違いがあり、しかも分子系統解析により腔腸動物が単系統とならないことがわかったので両者は別の門として分けられている[142]
  15. ^ かつて扁形動物門に分類されていた珍渦虫無腸動物を新たな門として立てたもの[143]。その系統的位置に関しては、左右相称動物の最も初期に分岐したとする説[144][145] と後口動物の一員であるとする説[146][147] がある。
  16. ^ a b c 脊椎動物・頭索動物・尾索動物の3門を亜門とし、まとめて脊索動物門とすることも多い。詳しくは#脊索動物を参照
  17. ^ a b 直泳動物門と二胚動物門はかつて中生動物門とされており[149]原生動物から後生動物に進化する過程であると過去には見られていたが、2010年現在では寄生生活により退化した後生動物(螺旋動物)であると見られている[150]
  18. ^ 鉤頭動物 Acanthocephalaは輪形動物に内包され、狭義の輪形動物は側系統となる。狭義の輪形動物および鉤頭動物を門として残し、広義の輪形動物を共皮類 Syndermata とすることもある[151]
  19. ^ 星口動物ユムシ動物有鬚動物は過去には門として立てられていた事もあるが、2018年現在は環形動物門の一部とみなされている[152]
  20. ^ ギリベ (2016)における系統仮説では有輪動物の系統位置が不明であり前口動物内に曖昧さをもって置かれるが、ラーマーら (2019)でははっきりと内肛動物との単系統性を示すため、これを反映した。また、ギリベ (2016)における系統仮説では苔虫動物と内肛動物が姉妹群をなすが、ラーマーら (2019)では苔虫動物と箒虫動物が姉妹群となり、それに腕足動物を加えた単系統群(lophophorate clade[157]、触手冠動物[10])が強く支持され、内肛動物はそれと姉妹群をなす結果はあるもののそうでない結果もあることから、ラーマーら (2019)の系統樹を優先して変更した。
  21. ^ 後口動物の水腔動物と姉妹群をなすという結果もある[147]
  22. ^ 前口動物内での位置は未確定[10][156] だが、担顎動物に近縁という結果がある[157]
  23. ^ 前口動物内での位置は未確定[10][156] だが、吸啜動物に近縁[158] または環形動物に内包される[159] という結果がある。
  24. ^ 前口動物内での位置は未確定[10][156] だが、吸啜動物に近縁という結果がある[158]
  25. ^ a b c 螺旋動物は冠輪動物と呼ばれる事もある[10]。その場合本項の系統樹に登場する冠輪動物は担輪動物と呼び変えられる[10]
  26. ^ この系統樹は主に Oakley et al. (2013)に基づくもので、Regier et al. (2010)などでは鰓脚綱は多甲殻類とともにとクレードをなし、真甲殻上綱 Vericrustaceaとして扱われる[204]
  27. ^ ただし、螺旋動物のうち、触手冠動物の腕足動物などでは放射卵割を行い[74]、脱皮動物でも線形動物のように螺旋卵割を行うものも存在する[218]。かつては前口動物の持つ形質だとみなされていたが、おそらく螺旋動物の持つ共有派生形質である[74]
  28. ^ 和名は『岩波生物学辞典 第5版』(2013)に基づく[229]
  29. ^ 多くが科名の列記になっているのはそれらをまとめた高次分類群は未だ命名されていないためである[228]
  30. ^ 例外も多く、例えば尾索動物では後口動物ながら真体腔は裂体腔的に生じる。
  31. ^ ドリオラリア幼生(ウミユリ、ナマコ)、オーリクラリア幼生(ナマコ)、ビピンナリア幼生(ヒトデ)、オフィオプルテウス幼生(クモヒトデ)、プルテウス幼生(エキノプルテウス、ウニ)などがあり、ドリオラリア型やオーリクラリア型のものが原始的であると考えられている
  32. ^ ただしホヤ綱は残りの両者を内部の別のクレードに含む側系統群[247]

種名

  1. ^ クダカイメン Aplysina fistularis
  2. ^ カイロウドウケツ Euplectella aspergillum
  3. ^ キタカブトクラゲ Bolinopsis infundibulum
  4. ^ アトランティックシーネットル Chrysaora quinquecirrha
  5. ^ 複数種(イシサンゴ目
  6. ^ センモウヒラムシ Trichoplax adherens
  7. ^ Waminoa sp.
  8. ^ ニッポンチンウズムシ Xenoturbella japonica
  9. ^ アカヒトデ Certonardoa semiregularis
  10. ^ ニセクロナマコ Holothuria leucospilota
  11. ^ ナガウニ Echinometra mathaei
  12. ^ 腸鰓綱の一種(未同定)
  13. ^ ナメクジウオ Branchiostoma lanceolatum
  14. ^ Symplegma rubra
  15. ^ ウシ Bos taurus
  16. ^ イソヤムシ Spadella cephaloptera
  17. ^ ヤギツノトゲカワ Echinoderes hwiizaa
  18. ^ エラヒキムシ Priapulus caudatus
  19. ^ Pliciloricus enigmatus
  20. ^ ヒトカイチュウ Ascaris_lumbricoides
  21. ^ Paragordius tricuspidatus
  22. ^ Hypsibius dujardini
  23. ^ Peripatoides indigo
  24. ^ ヨーロッパクロスズメバチ Vespula germanica
  25. ^ オオズワイガニ Chionoecetes bairdi
  26. ^ Rhopalura ophiocomae
  27. ^ ヤマトニハイチュウ Dicyema japonicum
  28. ^ パンドラムシ Symbion pandora
  29. ^ Gnathostomula paradoxa
  30. ^ コアゴムシ[140] Limnognathia maerski
  31. ^ カドツボワムシ Brachionus quadridentatus
  32. ^ Lepidodermella squamata
  33. ^ Schmidtea mediterranea
  34. ^ 無鉤条虫 Taenia saginata
  35. ^ ホタテガイ Mizuhopecten yessoensis
  36. ^ ヨーロッパヤリイカ Loligo vulgaris
  37. ^ オウシュウツリミミズ Lumbricus terrestris
  38. ^ セイヨウカワゴカイ Hediste diversicolor
  39. ^ ユムシ Urechis unicinctus
  40. ^ スジホシムシSipunculus nudus
  41. ^ ミサキヒモムシ Notospermus geniculatus
  42. ^ ミドリシャミセンガイ Lingula anatina
  43. ^ ホウキムシ Phoronis hippocrepia
  44. ^ オオマリコケムシ Pectinatella magnifica
  45. ^ スズコケムシ Barentsia discreta

出典

  1. ^ a b c d e f g 巌佐ほか 2013, p. 994.
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