動燃東海事業所火災爆発事故とは? わかりやすく解説

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動燃東海事業所火災爆発事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 14:40 UTC 版)

動燃東海事業所火災爆発事故(どうねん とうかいじぎょうしょ かさいばくはつじこ)は、1997年平成9年)3月11日茨城県那珂郡東海村の旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現・日本原子力研究開発機構東海再処理施設で発生した原子力事故[1]

国際原子力事象評価尺度はレベル3。

概要

事故現場は、動燃東海事業所再処理工場のアスファルト固化処理施設。地上4階地下2階の鉄筋コンクリート建物で、使用済み核燃料からウランプルトニウムを取り出す再処理工程等から発生した低レベル放射性廃液を処理し、アスファルト固化体として減容固化する施設である[1]

3月11日午前10時6分頃、アスファルト固化体充填済みドラム缶数本の温度上昇により火災が発生[1]。固化体内の放射性物質が当該建屋および隣接する建屋内に拡散し、一部の排気筒モニタおよび室内ダストモニタの指示値の上昇や警報の発報が確認され、作業員の退避が行われた[1]。火災後には換気系に不具合が発生し、施設内の換気が不可能になった[1]。同日午後8時頃、同施設において爆発が発生し、建屋の窓、扉等が破損し、環境中に放射性物質が放出された[1]。敷地内のモニタリングポストの一地点において、同日午後8時40分頃から空間放射線量率がわずかながら上昇したが、同日午後9時以降は通常の変動の範囲内に戻った。

事故発生時に当該建屋等にいた作業員129名のうち、37名の体内から微量の放射性物質が検出された[1]

科学技術庁(現・文部科学省)はこの事故に対する国際原子力事象評価尺度はレベル3(重大な異常事象)にあたると評価し、国際原子力機関に報告した[2]

関係者の処分

1997年(平成9年)10月1日、動燃は東海事業所所長ら6人を更迭する人事を発令した[3]。これに伴い東海事業所所長は退職、副所長2人は指揮権のない事業所付担当役へ異動した[3]。また、動燃本社では安全部長と環境技術開発推進本部副本部長がそれぞれ安全部担当役、環境技術開発推進本部担当役へ異動した[3]

脚注

  1. ^ a b c d e f g 板垣晴彦; 小林光夫; 田村昌三. 失敗知識データベース‐失敗百選 動燃アスファルト固化処理施設における火災爆発事故【1997年3月11日、茨城県東海村】 (PDF) (Report). 科学技術振興機構. 2017年10月29日閲覧.
  2. ^ 東海再処理工場における火災爆発事故 (04-10-02-01)”. 日本原子力研究開発機構. 2025年8月23日閲覧。
  3. ^ a b c 動燃問題:事故などで東海事業所の6人を更迭」『毎日新聞毎日新聞社、1997年9月30日。オリジナルの1999年11月4日時点におけるアーカイブ。2025年8月23日閲覧。

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