乾湿計 乾湿計の概要

乾湿計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/24 06:21 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
電動式乾湿計を備えた百葉箱の内部

2本の温度計からなり、一方はで球部を常に湿らせて測定する。湿球は球部で蒸発によって蒸発熱を奪うため、通常もう一方の温度計(乾球)よりも低い温度を示す。しかし気温が氷点下の場合は湿球が薄いの層で覆われるため、乾球よりも高い温度を示すことがある。

精密測定の場合、相対湿度は乾球温度または湿球温度と乾球・湿球間の温度差と気圧とからスプルンク(Adolf Sprung 1848年 - 1909年)の式で計算する。式の補正値は、各通風方式ごとに用意されている。

ここでe空気中の水蒸気分圧eswは湿球温度における飽和水蒸気圧A=0.000662K-1(湿球が氷結していない時)は乾湿計係数、pは気圧、tdは乾球温度、twは湿球温度である。この式の理論的根拠についてはルイスの関係#応用を参照.

湿球が適切な湿潤状態でないと正確な測定ができない。湿球に巻くガーゼは木綿100 %で油分や糊気を除去したものが最も適しており誤差が小さくなる。ガーゼや湿潤に用いる水に油分が含まれていると蒸発を阻害して実湿度より高い方向の誤差が増大する。ガーゼが汚れた場合は、新しいガーゼを煮沸または漂白して油分や糊気を十分に除去したものに取替える必要である。湿潤に用いる水は不純物が僅少な精製水が最適である。水道水や井戸水は使用不可能ではないが精製水と比べて不純物含有量が多いのでガーゼの汚損や腐食が早く、含有するカルシウムが感温球に付着固着すると誤差が増大する上に清掃が難しいので、なるべく精製水を用いるのが好ましい。


  1. ^ 山口, 隆子「日本における百葉箱の歴史と現状について (PDF) 」 『日本気象学会機関誌「天気」』第53巻第4号、日本気象学会、2006年4月、 265頁。
  2. ^ 地上気象観測の概要
  3. ^ 気象観測の手引き (PDF) 気象庁(1998年)


「乾湿計」の続きの解説一覧




乾湿計と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「乾湿計」の関連用語

乾湿計のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



乾湿計のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの乾湿計 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS