中島丈博 作風など

中島丈博

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 15:04 UTC 版)

作風など

激しい情念を表現する傾向がある。大河ドラマ『草燃える』では、身分を問わずほぼすべての登場人物が弱さや醜さを抱えており、中島は「テレビのブラウン管から歴史を引っ張り出す。現代の茶の間で見てる人たちの身近に歴史というもの、そこにいる人間を引っ張り出してみせる。」とプロデューサーに話したという[8]

『真珠夫人』以降の昼ドラマでは、主婦の怒りと狂気を表現するために珍料理フジテレビ私のバカせまい史』においては「愛憎グルメ」と紹介)を毎回登場させ、夫に食べさせる場面を挿入している。「たわしコロッケ」「財布ステーキ」「草履カツレツ」「五寸釘入り玄米パン」「携帯ケーキ」「愛の歴史ケーキ」がお茶の間に衝撃を与える[9]

1991年に自身のシナリオのベスト3を質問され、『祭りの準備』『草燃える』『青春戯画集』を挙げる[10]2004年の時点でのベスト3では『青春戯画集』が外され、『あ、春』が加えられた[11]

2003年に『真珠夫人』のヒットを記念して自身のキャリアを振り返るインタビューが行われ、上記以外で自身が気に入っている作品に『おれの義姉さん』『火の路』『寺島町奇譚』『しあわせのどん底』『極楽家族』『七人の刑事・市民の海』『楽園の日々』『さらばきらめきの日々』『魂の夏』『海峡』『野のきよら山のきよらに光さす』『春の波涛』『独身送別会』『水なき雲』『幸福な市民』『恐怖の二十四時間』『真夏の薔薇』『失楽園』『春燈』『五瓣の椿』『楽園に逃れて』『真珠夫人』の25本を挙げ、一番気に入っている作品に『わが美わしの友』(1975年、NHK)を挙げた[3]。同じインタビューで、書いたことはないが、ホラーにも関心があると答えた[3]

『楽園に逃れて』(2003年、TBS系)以降、『牡丹と薔薇』『偽りの花園』『麗わしき鬼』『天国の恋』では、劇中歌の作詞・作曲も手がけている。いずれも歌唱は中村彰一


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 「人物日本列島人物 人物ウィークリー・データ連載(533) 日本で初めて同性愛を正面から描いた映画『おこげ』の監督 中島丈博 『ホモ人口は増え、女は子供を産まない、恋愛は変ってきた 山で遊んでいるとき磯を見下ろしたら誰かが昼間からセ〇クスしてる。みんなで石を投げたけどね(笑) とにかく人間の生臭さが至る所に露呈してた。』」『週刊宝石』1992年11月19日号、光文社、90–93頁。 
  2. ^ 中島丈博『シナリオ無頼』中央公論新社<中公新書>、2010年、[要ページ番号]
  3. ^ a b c d 『ドラマ』2003年10月号、映人社、[要ページ番号]
  4. ^ 1978年の大河ドラマを壬申の乱を題材とした『日本誕生』として着手したが、飛鳥時代の生活がわからないことや近親婚を含む皇族描写の困難さから降板した経緯がある(春日太一『大河ドラマの黄金時代』NHK出版<NHK出版新書>、2021年、pp.213 - 214)。壬申の乱のドラマは1980年に朝日放送テレビの『額田女王』として実現した。
  5. ^ ドラマスペシャル 幸福(しあわせ)な市民 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  6. ^ 萩原健一『ショーケン』講談社、2008年、[要ページ番号]
  7. ^ a b c 『シナリオ』2007年2月号、シナリオ作家協会、[要ページ番号]
  8. ^ 春日太一『大河ドラマの黄金時代』pp.232 - 233
  9. ^ =2023年4月15日放送 15:35 - 16:55 フジテレビ 私のバカせまい史 木曜よる9時からはバカせまい史”. TVでた蔵. ワイヤーアクション (2023年4月16日). 2023年4月16日閲覧。
  10. ^ 石井慎二 編「テレビ・映画で活躍するシナリオライター諸氏にアンケート」『シナリオ入門』宝島社〈別冊宝島144〉、1991年11月28日、281頁。ISBN 4-7966-9144-8 
  11. ^ a b 「シナリオライター白書 4 シナリオライター生活の実態」『新しいドラマの読み方・つくり方 シナリオ入門』〈別冊宝島1001〉2004年4月24日、140頁。ISBN 4-7966-4023-1 
  12. ^ a b 『中島丈博シナリオ選集』映人社、2003年、[要ページ番号]
  13. ^ 『映画芸術』No.388、編集プロダクション映芸、1999年、[要ページ番号]
  14. ^ 銀河テレビ小説 青春戯画集 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  15. ^ シリーズドラマ10 海照らし - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
  16. ^ 執筆したのは1969 - 1979年。
  17. ^ 週刊文春』連載の後、改稿。


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