ローズ (ストリートファイター)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 06:57 UTC 版)
ローズ プロフィール
キャラクター設定
『ストリートファイターZERO』(以下『ZERO』と表記)で初登場した、ミステリアスな雰囲気を纏う女占い師。「ソウルパワー」という超能力を使って戦う。
イタリア・ジェノバに占いの店「神秘の館(パラッツォ・ミステーロ)」を構え、ジェノバでは知らない者はいないと言われるほど評判を持っている。ある日、憎悪の炎が世界に広がる悪夢を見た。それは「ソウルパワー」による大きな災いを暗示するものだった。その翌日、彼女は夢が現実になるのを防がなければと考えていた。その時、目の前を通り過ぎていったリムジンに乗った軍服の男ベガから邪悪なオーラ(サイコパワー)を感じ取った。その姿は正に悪夢の本質だった。以来、彼の暴走を止めるべく、悪のパワーの持ち主を封印することを使命として闘いに身を投じる決心をする[2]。
スタイル抜群の美女であり、強くウェーブのかかった紫の長い髪と、身体に巻いたロングマフラーが特徴。物腰の柔らかい大人の女性であり、勝利台詞や話し言葉も相手を諭すような落ち着いたものが多い。
『ZERO』シリーズの企画・設定を担当した村田治生は「格闘家というよりはソウルパワーの使い手という設定のため、あまりストリートファイターらしいイメージにしたくなかった」と語っている[3]。
『ZERO』のエンディングでは、ベガを倒してサイコパワーを封印するも、力を使い果たして倒れた。『ZERO2』のエンディングではベガを倒して帰還するが、その後で不安を感じてタロットカードを引き、まだベガのサイコパワーを封印できていないことを感じる。
『ZERO3』のバックストーリーではローズのもとにイタリア人の少年マッジオ[4]が行方不明の姉・アプリーレを探してほしいと尋ねてくるが、アプリーレはシャドルーに捕らわれてベガ親衛隊として活動していた。エンディングではベガと差し違えになり、ガイの救出により一命を取り留めるが、ベガの魂がローズの肉体に承継されてしまう。
『ZERO』と『ZERO2』ではローズとベガは直接の因縁はなく、ローズの師匠とベガの間に何らかの過去があったとされている[5]。『ZERO』のバックストーリーでは、ローズのかつての師匠が、ローズがいつか戦いの場に足を向けること、「ソウルパワー」がローズの強力な武器であり同時に克服できない弱点であることを警告していたことが語られており[6]、この時点では師匠とベガの関係は明言されていない。
しかし、『ZERO3』のエンディングではローズはかつてベガの弟子だったと語られている。『ストリートファイターV』(以下『ストV』)の相関図では、ベガとは元同門[7]もしくは元師弟とされている[8]。また、『ZERO3』のローズ使用時の最終ボスとして登場するベガの台詞に「お前は昔のように従順な方がらしい」という意味深なものがある他、『ストV』における攻撃モーションにベガと酷似したものがあり、『ストV』のシャドルー基地内部ステージでのキャラクターの分析データが表示される背景ギミックにおけるローズのデータ中に「元見習い」という表記がある点に加え、「ベガ親衛隊候補生は花の名前をコードネームにする」という追加設定の存在など、ローズの過去にシャドルーとの接点があると思しき要素も加えられている。
『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)の家庭用では春日野さくらやキャミィと同じく、条件を満たせば使用可能になる追加キャラクターに選ばれている。
『ストIV』シリーズでは『ZERO』シリーズから数年の時が経っているが、変わらずジェノバで占い師を続けている。本作でのローズの設定は『ZERO3』のものが反映されており、かつてベガと戦い意識を失って以降のことを一切覚えておらず、戦いの後気づいた時にはシャドルー基地の外に倒れていたと回想している。また、ローズ本人に自覚はないもののその体内にはベガが注入したサイコパワーが蓄えられており、エンディングでベガの不意打ちを受けて力を回収されてしまう(奪われてしまう)描写がある。その際、顔面を鷲掴みにしてきたベガの手を通じて彼の犯してきた悪行のビジョンを垣間見ており、気絶して倒れた後は命を奪われずにそのまま放置された。
また、『ストIV』シリーズではガイの協力者として登場するが、その理由としてプロデューサーの小野義徳は「『ストリートファイターZERO』の同人誌でガイとローズが絡んでいるのを頻繁に目にしたから」と答えている[9]。また、『ストIV』の家庭用にローズを出した経緯について小野は「格闘ゲームでは女性キャラクターのデザインが難しいが、要望があったので『ローズはオバサンだけどいいか!』といった感じで増やした」と語っている[10]。
『ストV』ではシーズン2の追加キャラクター・メナトのストーリーモードにおいてシルエットで登場して彼女の師匠であることが明かされている。後にローズもシーズン5の追加キャラクターとして参戦することとなった。自身のストーリーモードではベガが滅んだ後も凶兆を示すタロットに不安を拭えず、インドに赴きオロに相談する。そしてタロットが示したGと交戦し、世界が終焉に向かうヴィジョンを幻視することになる。
ソウルパワー
ソウルパワーとは自分の精神エネルギーを力に変えることによって発揮される超能力である。戦いの際には愛用のマフラーにソウルパワーを注入し武器として使用するほか、未来予知を始め、瞬間移動、テレパシー、念動力、分身、空中浮揚などの多彩な能力を行使する。
正義の心によってのみ使用することができ、邪悪な意思がこもるとサイコパワーと呼ばれるこの世に災いを及ぼす力となる[11]。ベガはこの二つの力を「同じパワー」「我ら2人にしか扱うことの許されぬ力」と呼んでおり、『ZERO』と『ZERO2』では「サイコパワーを封じることのできる力」だと説明された。
『CAPCOM FIGHTING Jam』(以下『CFJ』と表記)のエンディングではソウルパワーを使い、パイロンをタロットカードに封印した。
キャラクターの性能
飛び道具、突進技、対空技などの必殺技を一通り持ち合わせており、基本的にはバランスの取れたキャラクターといえるが、技の性質や操作性は独特なものが多い。
マフラーを使った特殊な攻撃が多いのが特徴で、相手の攻撃とぶつかり合った場合は一方的にダメージを与えることが可能だが、全体的に攻撃動作が大振りで隙が大きいという弱点もある。
- ^ 『ストリートファイターIV/スーパーストリートファイターIV オフィシャルコンプリートワークス』カプコン、2010年6月25日、104頁。
- ^ a b c d e 『ストリートファイターZERO アーケードゲーム必勝法スペシャル』勁文社、1995年10月10日、60,61,62,63,64,65,頁。
- ^ ゲーメストムックVol.16『ストリートファイターZERO』新声社、188頁。
- ^ シャドルー格闘家研究所・活動報告書『キャラ図鑑234:マッジオ』 2017年8月27日閲覧。
- ^ ゲーメストムックVol.47『ギャルズアイランド スイートメモリー』の開発者インタビューより。
- ^ 電波新聞社『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』p.347より。
- ^ イーカプコン限定特典「STREET FIGHTER V ARCADE EDITION A Visionary Book II」3頁。
- ^ 『ストリートファイター キャラクターメモリアル・アーカイブ』アスキー・メディアワークス、2018年3月24日、100-101頁。
- ^ 『ストリートファイターIV/スーパーストリートファイターIV オフィシャルコンプリートワークス』カプコン、2010年6月25日、119頁。
- ^ “新キャラってどんなヤツ!? ワロスコンボまだあるの!? 『スパIV』の小野Pを直撃!”. 電撃オンライン (2010年4月24日). 2018年9月27日閲覧。
- ^ 『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』電波新聞社、p313、323。
- ^ a b c d e f g h 『ストリートファイターZERO2 パーフェクトガイド SS版完全対応』ソフトバンク、1996年10月30日、107-113頁。
- ^ 『ストリートファイターZERO2 36の拳 ゲーメストムック Vol.35』新声社、1996年7月10日、274頁。
- ^ 『ZERO2』では、この技の弱で飛び道具を吸収するごとに、次に放つ「ソウルスパーク」の威力が上昇する(最大7回まで)という特殊な効果があり、この状態でオリジナルコンボを発動して「ソウルスパーク」を使用すると、そのオリジナルコンボ中のみ吸収した分の威力のままとなる。最高の7回まで吸収した状態でオリジナルコンボを発動し、「ソウルスパーク」を当てつづければ相手の体力を一気にゼロにすることも可能。
- ^ ただしダンの「震空我道拳」を除くスーパーコンボ系飛び道具は1発分しか吸収・反射できない。コーディーの「バッドストーン」は消すだけに終わる(『ZERO3』でのロレントの「スティンガー」は吸収・反射可能)。
- 1 ローズ (ストリートファイター)とは
- 2 ローズ (ストリートファイター)の概要
- 3 技の解説
- 4 担当声優
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