レスボス島 人物

レスボス島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/07 13:04 UTC 版)

人物

サッフォーのイメージ。ジョン・ウィリアム・ゴッドワード, In the Days of Sappho

古代ギリシアにおいてレスボス島はアイオリス地方の中心地であり、とくに抒情詩人を多く出したことで知られる。

中世では東ローマ帝国女帝のエイレーネーがレスボス島に追放されてそこで死亡した。

現代では、1979年ノーベル文学賞を受賞した詩人のオデッセアス・エリティス1911年 - 1996年)がレスヴォ島ゆかりの文化人であり、彼の名に因んで、ミティリニ国際空港が「オデッセアス・エリティス」と命名されている。

文化・観光

「レズビアン」という言葉

サッポーが女性に対する愛を謳った作品を多く遺したことから、英語では、もと「レスボス人」を指した Lesbian という語は、後に女性同性愛者(レズビアン)を意味するようになった。女性同性愛の意味での lesbianism という語は1870年から記録がある[3]。20世紀以降、この言葉は世界各国に借用され、広まった。

こうしたことから、レスボス島、とくにサッポーの生誕地であるエレソス (Eresosはレズビアンにとっての観光名所となっている[4]。しかし地元では歓迎されていないという[4]。島の名についても「レスビアン」につながる「レスボス島」の名は避けられ、中心都市の名を借りて「ミティリニ島」と呼び替えることが地元では一般的になっている[5]

2008年には、正統な呼び名を奪われたことにより島民は権利と尊厳を損なわれているとして、島民を中心とするグループがギリシア国内のLGBT団体「ギリシャ・ゲイ・レズビアン連合」(OLKE)を相手どり、団体名から lesbian の語を削除することを求める訴訟をアテネの裁判所に起こした[5][6][4]。裁判所は「島民たちがこの名称によって侮辱されたと感じる理由はない」として訴えを棄却している[7]

関連・登場作品


  1. ^ 以前はレスボス島の一部のみでレスボス石化林ジオパークを構成していた。レスボス島ジオパークと呼称されることもある。日本の山陰海岸ジオパークとの間で姉妹提携が結ばれている。山陰海岸ジオパーク > 平成23年2月12日(土)山陰海岸ジオパーク世界ジオパークネットワーク加盟認定記念国際シンポジウムを開催しました
  2. ^ a b 高津春繁「オルペウス」『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年、90-91頁。 
  3. ^ lesbian (adj.)”. Online Etymology Dictionary. 2012年2月18日閲覧。
  4. ^ a b c ギリシャのレスボス島民、「レズビアン」の名称めぐり裁判へ”. AFP (2008年6月11日). 2012年2月18日閲覧。
  5. ^ a b Lesbos islanders dispute gay name” (英語). BBC (2008年5月1日). 2012年2月18日閲覧。
  6. ^ 「レズビアン」は島民の名、地元住民が同性愛者団体を訴える”. AFP (2008年5月2日). 2012年2月18日閲覧。
  7. ^ レスボス島の「レズビアン」裁判、原告の訴え棄却”. AFP (2008年7月23日). 2012年2月18日閲覧。






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