リーナス・トーバルズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/01 07:53 UTC 版)
Linuxの開発
リーナスは元々自身のシステムとしてMINIX OSを使っており、これを自分で作成したOSと置き換え、この自作OSにLinux(Linus's Minix)という作業用の名前をつけた。しかし、この名前はあまりに自己中心的すぎると感じたため、freeとfreakを混ぜてUnixシステムを示すXの文字を足した「Freax」と名づけようとしていた[4]。友人のアリ・レンクはリーナスにそのOSを簡単にダウンロードできるようにネットワークに置くことを勧め、リーナスに自分のFTPサーバを提供したが、アリはFreaxという名前が気に入っていなかったため、リーナスに linux というディレクトリを与えた。
1991年8月、リーナスはこの成果物をUsenetニュースグループ comp.os.minix
で公開した [※ 1]。
現在ではリーナス本人が書いたコードはLinuxカーネルのたった2%程度しかないものの、カーネルに新しいコードを追加する際の最終的な決定者としての役割を担っている。なお、X Window Systemやgccやパッケージ管理といった、オペレーティングシステム全体にかかわる事項については他の者が行っている。また、多くのLinuxディストリビューションはディストリビューションごとに独自のカーネルバージョンを持っている。リーナスはたとえ開発者の間で行われたものであっても、カーネルに関係しない議論からは距離を置くようにしているようである。リーナスが書き主導してきたLinuxカーネルと、他の大勢の開発者によるソフトウェア(特にGNUソフトウェア)とを一緒にしてLinuxディストリビューションと通称する。さらにこれを単にLinuxと呼ぶものも多い。またGNU/Linuxと呼ぶこともある。リーナス自身およびGNUの創設者リチャード・ストールマンは、GNUベースのディストリビューションは"GNU/Linux"という名称を残すべきだとの姿勢をとっている。
リーナスは「Linux」の商標を保有しており、世界中のLinuxコミュニティの助けも借りて、その使用(および不正使用)を主に非営利団体Linux Internationalを通じて監視している。オープンソース本来の原則からリーナスは、Linuxに商標をつけることそのものを嫌っていたが、1995年に商標を取った。これは赤の他人がLinuxを商標登録したり、脅迫されたりする事態を避けるためである。
- ^ “Linux Online - Linus Torvalds Bio”. Linux.org. 2004年6月26日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年3月13日閲覧。
- ^ 参考文献参照
- ^ Torvalds pans Apple with 'utter crap' putdown
- ^ グリン ムーディ 著、小山祐司(監訳者)、宮崎裕子(翻訳者)、真藤由香(翻訳者) 訳 『ソースコードの反逆―Linux開発の軌跡とオープンソース革命』株式会社アスキー、2002年6月11日、48頁。ISBN 4-7561-4100-5。
- ^ http://www.time.com/time/time100/poc/century.html
- ^ “リーナス・トーバルズ:「ギークの王様」は3児の父に(その4)”. WIRED.jp (2012年3月29日). 2022年6月18日閲覧。
- ^ http://www.businessweek.com/magazine/toc/05_02/B39150502manager.htm
- ^ http://www.time.com/time/europe/hero2006/torvalds.html
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