ラハンウェイン ラハンウェインの概要

ラハンウェイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:53 UTC 版)

ラハンウェイン
الراحانوين
居住地域
言語
ソマリ語
宗教
イスラム教 (Sunni)
関連する民族
ハウィエなど他のソマリ族

5大氏族の内、イサックの居住地域はソマリア北西部でソマリランドとして事実上独立しており、ディル英語版は少数である。そのため、ソマリア暫定連邦政府の主要3職である大統領、首相、国会議長は、ハウィエ、ダロッド、ラハンウェインが分担することが慣例となっている。ただし、ハウィエとダロッドの力が強いので、ラハンウェイン出身の人物は、臨時を除いて最高職である大統領に就任したことが無い。

ソマリ族の多くはソマリ語を話すが、ソマリ語は大きくマイ・テレー(Mai Terreh)とマハー・ティリ(Maxaa Tiri)の二つの方言に分かれており、このうちマイ・テレーはラハンウェイン氏族のみによって話される。このためラハンウェイン氏族はソマリ族内の他の氏族と会話が成立しにくい場合もある。ラハンウェイン氏族が話す言語はMaay Maay(別名Af-Maay)だという説もある。

ラハンウェイン氏族の居住地域は、2009年現在のソマリアで最も戦闘が激しい地域の一つである。

1977年時点のソマリ族の分布。赤い部分が主としてラハンウェインが住む場所。

分布

ラハンウェインは主としてソマリア南部のジュバ川シェベリ川の間の地帯に住む。エチオピアソマリ州ケニア北東州に住む者もいる。主要支族のうち、ディジル支族は主に海寄りで農業を営み、ミリフレ支族は内陸寄りで遊牧民として牧畜を営む者が多い。

ジュバ川より西には主として別の氏族ダロッドが住むが、ここはイスラーム武装集団アル・シャバブの力が強いため、緊張地帯ではあるものの、治安としては比較的安定している。また、シェベリ川流域よりも東には別の氏族ハウィエが住み、ここも戦闘多発地帯ではあるが、最近は比較的落ち着いた情勢になっている。ラハンウェインが住むのは、現在のソマリア内戦で最も戦闘が多い地域の一つである。

支族

ソマリ族は祖先を誇る民族であり、それぞれの家に伝わっている家系図はだいたい明確である。しかしながら、非常に古い先祖に関しての信憑性は必ずしも高くない。また、それぞれの家系をどういう区切りで支族に分けるのか、その支族の名称は何なのか、必ずしも統一した見解は無い。2005年、世界銀行Conflict in Somalia: Drivers and Dynamicsの中で、また、イギリス内務省も2001年にSomalia Assessment 2001という報告の中で、ソマリ族の支族を検討している。

その世界銀行の2005年の報告によると、ラハンウェインの分類は[2]

  • Digil [Tunni, Geledi]
  • Mirifle [Jilible, Hadame, Harin, Eelay, Jiron, Leysan]

となる。一方、イギリス内務省によると[3]

  • Nine [Gassa Gudda, Hadama, Luwai, Geledi]
  • Eight [Maalinweyna, Harien, Helleda, Elai]

と分類されている。

組織

ラハンウェインによる組織は、ラハンウェイン自体が少数派であることと、居住地域がソマリア主要部とやや離れた位置にあることから、ソマリア全体に与える影響は比較的小さい。


  1. ^ HAAN Associates, p.260
  2. ^ Worldbank, Conflict in Somalia: Drivers and Dynamics (PDF), January 2005, Appendix 2, Lineage Charts, p.55 Figure A-1
  3. ^ Country Information and Policy Unit, Home Office, Great Britain, Somalia Assessment 2001, Annex B: Somali Clan Structure Archived 2011年7月16日, at the Wayback Machine., p. 43


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