ボディガード (1992年の映画)
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スタッフ
- 監督:ミック・ジャクソン
- 製作:ローレンス・カスダン、ジム・ウィルソン、ケヴィン・コスナー
- 脚本:ローレンス・カスダン
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
日本語版
- | ソフト版 | フジテレビ版 | テレビ朝日版 |
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演出 | 松川陸 | 春日正伸 | 福永莞爾 |
翻訳 | 伊原奈津子 | 飯嶋永昭 | 武満眞樹 |
調整 | N/A | 栗林秀年 | 山田太平 |
効果 | N/A | 山本洋平 | リレーション |
プロデューサー | 小川政弘 貴島久祐子 |
山形淳二 | |
制作 | ワーナー・ホーム・ビデオ プロセンスタジオ |
ムービーテレビジョン |
音楽
映画と同名のサウンドトラックアルバムは、11月17日にリリースされた。
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは48件のレビューで支持率は35%、平均点は5.00/10となった[3]。Metacriticでは20件のレビューを基に加重平均値が39/100となった[4]。
エピソード
- 2人がデートで見た映画(映画館の名前は「アタシ」(「シアター」のもじり))は、黒澤明監督作品の『用心棒』であった。これはタイトルから引用されたものと思われるが、原作者のローレンス・カスダンが熱烈な黒澤ファンであったため、黒澤監督へのオマージュとしてワンシーンを映画の中に取り入れたと、主人公フランクを演じたケビン・コスナーがインタビューで明かしている[5]。フランクのボディーガードとしての信念が、この映画に登場する浪人(サムライ)の生き方に影響を受けているということが劇中では表現されており、フランクの自宅には日本刀も飾られている。
- 映画館のあとに訪れたバーで2人でチークダンスを踊ったとき、そこに流れていた音楽はカントリーソングの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(カントリーが原曲)であった。そのときレイチェルは「とても暗い歌ね」と話し、フランクは「誰かが誰かを捨てる…よくある話だ」と答えている。彼女はラストシーンでフランクを想いこの曲を歌っているが、ここで、本作の主題歌は映画内の設定においてもカバーソングであったことが示唆されている。なおこの主題歌は、映画製作の慣例と異なり、撮影現場でホイットニー・ヒューストンのツアーバンドを呼び寄せて撮影したライブ録音であり、クライブ・デイビスの意向で無編集・無修正であった[6]。
- 人気歌手レイチェルを演じたホイットニーであるが、この役は、本人の実生活を想起させるという点でも話題となった[5]。この映画のヒットを受けて、ホイットニーは劇中同様に主題歌や挿入歌を大規模な授賞式で受賞、歌唱する場面が多々あり、当時模倣犯の可能性を考慮して警備が厳重になっていたとも伝えられている。ホイットニーはレイチェル役に対して「彼女は自尊心を持った女性。自分で全てを決断する女性の役は滅多にありません。しかし、そういった女性を私はよく知っています。母がそうでしたから」と、同じく歌手であった母・シシーとその存在を重ね合わせていたことをインタビューで明かしている[5]。また劇中ではレイチェルの姉もシンガーだったことが説明されているが、人気者になった妹と姉の関係は、ホイットニーと彼女の母シシーの関係を想起させるものでもあった[5]。
- オリジナルはローレンス・カスダンがスティーブ・マックイーンを主人公に想定して執筆された。共演はダイアナ・ロス。だがマックイーンが降りた後に、ライアン・オニール主演で企画が進行するも映画化は実現しなかった。一説に、黒人と白人のロマンスを本格的に描くことが困難な時代背景であったからと言われている[5]。それから15年後の1992年、ケヴィン・コスナーとホイットニー・ヒューストンとの共演で完成する。なお、本作でのコスナーはマックイーンを意識しており、ファッションや短いクールカットの髪型、リアクションや身のこなしなどにマックイーンのイメージが投影されている[5]。
- 2012年2月11日にホイットニーが急死、18日に行なわれた葬儀で、コスナーは17分にもわたる弔辞を読み上げ、彼女を讃えた[7]。
- ポスターや映像ソフトのジャケットに使われている写真でコスナーに抱きかかえられコスナーの肩に顔をうずめている女性は、ホイットニーではないボディダブルだとコスナーがテレビ番組「エンターテインメントウィークリー」のインタビューで語っている。撮影時にホイットニーは家に勝手に帰ってしまったとの事[8]。
ミュージカル
2012年11月から、イギリスのウエストエンドにあるアデルフィ劇場にてミュージカル版の上演が行われた。
ヘザー・ヘッドリーがレイチェル・マロン役を演じる。脚本は、アレクサンダー・ディネラリスが担当[9]。
2019年9月から10月にかけて初の来日公演が行われた[10]。東急シアターオーブと梅田芸術劇場メインホールを会場に、レイチェル・マロン役をアレクサンドラ・バークとジェンリー・シャローがダブルキャストで、フランク・ファーマー役をブノワ・マレシャルが演じた。脚本はアレクサンダーのまま、演出をテア・シャロックが担当。
2020年からは日本キャスト版も制作された。脚本はアレクサンダーのまま、演出・振付:ジョシュア・ベルガッセ、訳詞:森雪之丞、翻訳:阿部のぞみ、編曲:クリス・イーガンが担当。
- 公演日程(日本キャスト版)
- 2020年3月24日 - 27日、梅田芸術劇場 メインホール ※新型コロナウィルス流行の影響で大阪公演の一部の日程のみ上演となった。同年に東急シアターオーブで予定されていた東京公演は全日程が中止になった[11]。
- 2022年1月21日 - 31日、梅田芸術劇場 メインホール[12]
- 2022年2月8日 - 19日、東京国際フォーラム ホールC[12]
- 2024年2月18日 - 3月3日、東急シアターオーブ[13]
- 2024年3月9日 - 10日、やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)[13]
- 2024年3月30日 - 4月7日、梅田芸術劇場 メインホール[13]
- 主要キャスト(日本キャスト版)
- レイチェル・マロン
- フランク・ファーマー
- 大谷亮平(2020年 - 2024年)
- ニッキー・マロン
- ストーカー
- サイ・スペクター
- トニー・シベリ
- フレッチャー
- 島田裕仁、大河原爽介、福長里恩(2020年)
- 大河原爽介、福長里恩、重松俊吾(2022年)
- 野林万稔、古澤利空、笹本旭(2024年)
- ビル・デヴァニー
- 内場勝則(2020年 - 2024年)
- ^ a b “The Bodyguard (1992)”. Box Office Mojo. 2009年12月13日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)524頁
- ^ "The Bodyguard". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2022年10月14日閲覧。
- ^ "The Bodyguard" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2022年10月14日閲覧。
- ^ a b c d e f "『ボディガード』映画の向こう側にあるケヴィン・コスナーの羨望とホイットニー・ヒューストンの確執"CINEMORE(2021.01.23 松崎健夫)
- ^ https://www.youtube.com/watch?v=zDp-WTA9hTA
- ^ “ホイットニー・ヒューストン葬儀にケビン・コスナーが弔辞、アリシア・キーズ、スティービー・ワンダーらが追悼の歌を捧ぐ”. VOICE 心に響く洋楽. (2012年2月20日)
- ^ “ケヴィン・コスナーが暴露! 映画『ボディガード』のポスター、女性はホイットニー・ヒューストンではなかった”. ELLE|世界の最新トレンドを発信[エル デジタル]. 2019ー06ー24閲覧。
- ^ 映画「ボディーガード」がロンドンでミュージカル化(シアターガイド、2012年2月23日)
- ^ “「ボディガード」来日公演が華々しく開幕、柚希礼音や警備ロボットも来場”. ステージナタリー. ナターシャ (2019年9月13日). 2023年12月22日閲覧。
- ^ “ミュージカル「ボディガード」公演グッズ、本日よりオンラインで販売”. ステージナタリー. ナターシャ (2020年4月17日). 2023年12月22日閲覧。
- ^ a b “「ボディガード」開幕、大谷亮平「命がけで“レイチェル三姉妹”を守ります」”. ステージナタリー. ナターシャ (2022年1月21日). 2023年12月22日閲覧。
- ^ a b c “ミュージカル「ボディガード」主演は新妻聖子・May J.・大谷亮平、ビジュアルもお披露目”. ステージナタリー. ナターシャ (2023年8月8日). 2023年12月22日閲覧。
- ^ “ミュージカル『ボディガード』大阪公演 休演者についてのお知らせ”. ミュージカル「ボディガード」公式サイト (2022年1月19日). 2023年12月22日閲覧。
- ^ “ミュージカル『ボディガード』大阪公演 休演者復帰のお知らせ”. ミュージカル「ボディガード」公式サイト (2022年1月27日). 2023年12月22日閲覧。
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