ホールスラスタ ホールスラスタの概要

ホールスラスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 01:39 UTC 版)

NASAの457Mホールスラスタ

ホールスラスタはマグネティックレイヤー型とアノードレイヤー型の2タイプに大きく分けられる[1]。マグネティックレイヤー型は旧ソ連が実際に多くの人工衛星に搭載した。

イオンエンジンがChild-Langmuir則により推力密度を著しく制限されるのに対して、ホールスラスタには制限がなく、大電力化が容易である。比推力は1000秒から3000秒であり、エネルギー効率は50%以上と高い。[2]

主な推進剤はキセノンクリプトンである。大きい推力電力比が特長で、イオンエンジン、MPDアークジェットの20〜30 mN/kWに対して、50 mN/kWを誇る。ただし、DCアークジェットの100mN/kWには及ばない。

ESA(欧州宇宙機関)では2003年に打ち上げられた月探査機SMART-1にホールスラスタが使われた。

米国ではエアロジェット・ロケットダイン社がAEHF軍事通信衛星用にXR-5ホールスラスタ(4.5kW)を供給しており、同社はさらに12kWクラスのXR-12と20kWクラスのXR-20も開発中である [3]

ロシアではファケル実験設計局英語版がロシア製宇宙機や欧州製宇宙機用にSPT-140Dホールスラスタ(4.5kW)を供給しており、同設計局はさらに25kWクラスのSPT-230も販売している[4]

関連項目

外部リンク


  1. ^ ホールスラスタの種類”. art.aees.kyushu-u.ac.jp. 2023年11月22日閲覧。
  2. ^ ホールスラスタ(Hall thruster)”. www.ecei.tohoku.ac.jp. 2020年4月15日閲覧。
  3. ^ “Orbit Raising Propulsion for the Air Force Advanced Extremely High Frequency SV-3 Satellite”. エアロジェット・ロケットダイン社. (2013年10月7日). http://www.rocket.com/article/aerojet-rocketdyne-high-power-solar-electric-propulsion-system-providing-orbit-raising 2014年1月7日閲覧。 
  4. ^ Stationary plasma thrusters


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