ペダル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/22 04:49 UTC 版)
楽器のペダル
楽器にあっては、特に大型楽器において足で操作するペダルを備えるものがある。
ピアノのペダル
ピアノは2個ないし3個のペダルを備える。第1のペダルは長音ペダルであり、右に置かれる。このペダルを踏むことによって、音を消すことを妨げ、鍵盤を離しても音が続く。第2のペダルは弱音ペダルであり、左に置かれる。グランドピアノにあっては弦を打つ位置をずらすことにより、アップライトピアノにあっては弦を叩く距離を短くすることによって、弱い音を出す。第3の中央のペダルは置かれないことも多い。グランドピアノではソステヌートペダルと呼ばれ、踏んだときに押していた鍵盤の音だけが長く引き延ばされる特殊な機能を備える。アップライトピアノでは、夜間練習などに用いられる消音ペダルである。弦を打つハンマーと弦の間にフェルトを挟み、きわめて小さい音を出すようにする。
なお、チェレスタもピアノの長音ペダルに相当するペダルを備える。
鍵盤打楽器のペダル
鍵盤打楽器の内、ヴィブラフォンなど、音板に金属を使っているために音の持続時間の長いものでは、音を消すための装置を備える。これらではペダルを備えて、この消音装置を操作する。すなわち、ピアノの長音ペダル同様、ペダルを踏むと消音装置が外れ、音を持続させることができるようになる。
オルガンのペダル
オルガンにあっては、手鍵盤と同様の鍵盤がペダル鍵盤(足鍵盤)として備えられる。足の爪先と踵で踏む。このため、手鍵盤よりも遙かに横幅が大きい。また、電子オルガンなどでは、音量を変化させるためのペダルを備える。リードオルガンでは、足鍵盤は省かれ、送風のためのペダルを備える。
この用法から転じて、金管楽器におけるある種の低音をいうペダルトーンという語も生まれた。
ハモンドオルガンやエレクトーンなどの電子オルガンにも同様のペダルが装備される。
エレクトーンのペダル
エレクトーンにあっては、1ないし2オクターブの低音に、それぞれ対応する数分のフットペダルが存在する。これは黒鍵部分を含む。
キーボードのペダル
キーボード(特にシンセサイザー)では、ピアノの長音ペダルの代用、MIDIメッセージ(プログラムチェンジなど)に使用されるスイッチタイプのペダル、音量やエクスプレッションのコントロールに使用される踏み込むタイプのペダルの二つが良く使用される。各機種の備えるコネクタ数によるが、奏者の好みや必要に応じて任意に追加することが出来る。また、大抵の機種ではペダルに好きな機能を割り当てることが出来る。エレクトーンのような足鍵盤もMIDIコネクタを介して接続することも可能ではあるが、現行製品が極端に少ないことや、立奏が主流であることもあって、あまり使用されない。
ハープのペダル
現代標準的に使われるダブル・アクション・ペダル・ハープにあっては、オクターブあたり7本ある弦の音を、半音単位で変化させるのに、7本のペダルが用いられる。ペダルは左側に3本、右側に4本おかれ、それぞれB、C、DおよびE、F、G、Aの弦を担当する。それぞれのペダルは上、中、下の3段に止めることができ、上の段では各音のフラット(♭)音が、中段ではナチュラル音が、下段ではシャープ(♯)音が出るようになっている。
ティンパニのペダル
ティンパニのペダルは、音程の変化のために用いられる。現在使われているティンパニの多くに装備されている。このペダルの機能を利用してグリッサンドを要求している楽曲もある。
ドラムセットのペダル
ドラムセットの場合は、足元に置かれるバスドラムを鳴らすためのペダルを右足に、ハイハットシンバルの開閉を操作するペダルを左足に配置することが多い。これ以外にカウベルやタンバリンなどをペダルで鳴らすこともある。
エレキギターのエフェクター
エレキギターの演奏の際には、ペダル式のエフェクター (effects pedal) を用いて、曲間・曲中で音色を変化させる。複数のエフェクターが設置されることも多い。
ペダルと同じ種類の言葉
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