ベレー帽 被り方

ベレー帽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 06:13 UTC 版)

被り方

一般用のベレーについて特に決まりはないが、軍隊などで使われるアーミーベレーは、斜めに被ってどちらか一方を立て、反対側を下げることが多く、バスクベレーでもその傾向がある。

制服の一部である制帽として着用する場合、立てた側や正面にベレーバッジと呼ばれる帽章を取り付けることが多い。被り方は、ベレーを制帽として制定している国により異なり、さらには同じ国においても組織(軍種等)・部署(兵科)、あるいは時代により異なる場合がある。フランス、スペイン、イタリアなどでは、向かって左側(着用者本人から見て右側)を立てる場合が多く、イギリスなどそれ以外の国では反対の向かって右側(着用者本人から見て左側)を立てる場合が多いとされる。同じフランス軍の中でも、海軍コマンドは1942年にイギリスで設立・養成された経緯から、ベレーをイギリス式に着用する。一方、かつてのソ連や社会主義諸国では水平に被って前を立てるアーミーベレーが採用され、ロシアなどに受け継がれている。こうした被り方に対応するため、丸型ではなく非対称形状をしていて、立てる側をあらかじめ決めて作られたものもある。

他に過去の特殊な例としては、ナチス政権下のドイツ国防軍で、戦車兵用の黒上下の服に合わせて採用された黒ベレーがある。これは正面中央に帽章をつけて正面全体を立て、後頭部に当たる背面全体を下げるという被り方で、内側に耐衝撃用の軟式ライナーを重ねて着用された(詳細は軍服_(ドイツ国防軍陸軍)#戦車兵の軍服を参照)。第二次世界大戦後は、ドイツ連邦軍ではイギリス式、国家人民軍ではソ連他社会主義国の方式に準じたかぶり方を採用した。

生地色

一つの国の軍隊であっても、部隊の種類によって生地の色が異なることが多く、例えばアメリカ陸軍の場合、現在は緑(特殊部隊)、タン(レンジャー部隊)、栗色(空挺部隊)のように分類されている。

他方、陸上自衛隊では、国連に派遣した部隊を除き、全ての部隊において濃緑色のみが用いられている。

国際連合平和維持活動参加部隊のベレー帽は所属国、組織を問わず国連色である淡いブルーで統一されることから「ブルーベレー」とも称される。

ギャラリー


  1. ^ 「モンティ」とはモントゴメリーのニックネームで「モントゴメリー・ベレー」とも呼ばれる。
  2. ^ 鹿島茂『クロワッサンとベレー帽 ふらんすモノ語り』(中央公論新社)。
  3. ^ 横山隆一『わが遊戯的人生』(日本図書センター、1997年)pp.158-162。同書によると、同団体のマークも「S・M・Sの字の上にベレーをのせ」たものを用いていたとされる。
  4. ^ さいとうプロ公式サイト メインページ:左上を参照。実際は晩年には着用しなくなっていた。
  5. ^ 本学出身の漫画家 島本和彦先生 熱血特別講義!!”. 大阪芸術大学ブログ (2020年1月8日). 2021年10月22日閲覧。
  6. ^ 「余録」(『毎日新聞2014年 10月19日)。
  7. ^ Un village d'Ardèche organise le championnat du monde… de lancer de béret” (フランス語). Le Figaro (2015年8月21日). 2024年1月29日閲覧。


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