ブルネイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/15 17:05 UTC 版)
経済
IMFの統計によると、2010年のブルネイのGDPは119億ドルであり[9]、日本の鳥取県の50%程度の経済規模である[10]。2015年の一人当たり国民総所得(GNI)は37,320米ドルであり、日本を上回りアジアではシンガポールに次ぐ高所得国となっている[11][12](2017年は29,600ドル[13])。
ブルネイの中央銀行はブルネイ通貨金融庁である[14]。これができるまで中央銀行は無かった。その間は歳出入を民間銀行へ預金していた。1984年に独立するまで、預金の運用はクラウン・エージェンツが行っていた。財務長官もイギリス人であった。1967年末のポンド切り下げに直撃され、政府資産は目減りした。1976年にスルタンを議長とする投資諮問委員会が設立されたが、その構成員には財務長官に二人のクラウン・エージェンツと、モルガン・グレンフェル、ジェームス・ケーペル(現HSBC)から一人ずつ派遣された顧問が含まれた。1982年にはクラウン・エージェンツのスキャンダルに関する法廷審判報告が出され、ずさんな経営が公となった。翌年から投資顧問会社はモルガン・シティバンク・大和証券・野村証券の4社となった。
朝鮮民主主義人民共和国と並んで独自の証券取引所を持たないアジアの2か国のうちの一つである[15]。
石油、天然ガスの輸出により、非常に経済は潤っている。石油天然ガス部門がGDPのほぼ半分、輸出のほぼ全てを占めており、それらに依存した経済構造となっている。また、貿易依存度も高い。食料品はそのほとんどを輸入している。物価は他のアジア諸国と比べて高い。
2013年の一人当たりの名目GDPは約44,586ドルと日本を上回る。所得税がないため、購買力では名目の数字よりさらに水準が高いと言える。(2013年の一人当たりの購買力平価GDPは約81,742ドル)
将来の石油資源枯渇に備え、豊富な資金を背景に国外へと積極的に投資しており、イスラム銀行などの金融業や観光業の育成が図られている。
また石油・天然ガスによる収入を元に、政府が社会福祉を充実させており、個人に対する所得税・住民税は課されていない。
注釈
出典
- ^ a b “UNdata”. 国連. 2021年10月10日閲覧。
- ^ a b c d e IMF Data and Statistics 2021年10月13日閲覧([1])
- ^ a b c d e f g h 第2版, 日本大百科全書(ニッポニカ),旺文社世界史事典 三訂版,百科事典マイペディア,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉プラス,世界大百科事典. “ブルネイとは”. コトバンク. 2021年8月25日閲覧。
- ^ “Embassy of Brunei Darussalam to the United States of America”. Brunei Embassy. 2000年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2000年12月6日閲覧。
- ^ “Trans-Pacific Economic Partnership Agreement - press statements, NZ Ministry of Foreign Affairs and Trade: Trade Agreements”. web.archive.org (2006年9月7日). 2021年8月25日閲覧。
- ^ Staff, Reuters「米国抜きのTPPに11カ国が署名、人口5億人の貿易圏誕生へ」『Reuters』、2018年3月9日。2021年8月25日閲覧。
- ^ Naimah S Talib. “Brunei Darussalam: Royal Absolutism and the Modern State” (English). 京都大学東南アジア研究所. 2014年5月26日閲覧。
- ^ 倉田亮 『世界の湖と水環境』p24 成山堂書店、2001年、ISBN 4-425-85041-6
- ^ IMF
- ^ 国民経済計算 Archived 2010年2月10日, at the Wayback Machine.
- ^ 「1人あたりのGNI 〔2015年〕」帝国書院
- ^ 「<新興国eye>世銀所得別国別分類、カンボジアを「低所得国」から「低・中所得国」に格上げ」モーニングスター2016/07/15
- ^ Gross national income per capita 2017, Atlas method and PPP
- ^ 在ブルネイ日本大使館 "経済概要"(2013年6月19日閲覧。)
- ^ ミャンマー初の取引所始動、来年売買開始-大和の初接触から22年ブルームバーグ 2015年12月9日
- ^ a b “CIA world fact book - Brunei”. 2016年7月11日閲覧。
- ^ a b “MALAYSIA Basic Facts” (PDF) (英語). WorldMap. worldmap.org. pp. 3 (2008年). 2009年4月28日閲覧。
- ^ a b Gordon, Raymond G., Jr. (2005年). “Ethnologue report for language code:kxd” (英語). Ethnologue: Languages of the World, Fifteenth edition. SIL International. 2009年4月28日閲覧。
- ^ “ブルネイ 危険・スポット・広域情報”. 外務省. 2021年12月10日閲覧。
- ^ 日本アセアンセンター(2010)『祝祭日カレンダー』(2010年5月14日閲覧)
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