フレドホルム核
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 01:39 UTC 版)
p-総和可能な核
フレドホルム核は、
が成立するとき、p-総和可能(p-summable)であると言われる。
フレドホルム核は、それが p-総和可能であるようなすべての についての下限が q であるとき、次数 q であると言われる。
バナッハ空間上の核作用素
作用素 は、 であるような が存在するとき、核作用素であると言われる。そのような作用素が p-総和可能あるいは次数 q であるとは、X がそれらの性質を満たすことを言う。一般的に、そのような核作用素の対応する核 X は唯一つであるとは限らない。したがって、そのトレースは一意には定まらない。しかし、次数が を満たすなら、そのトレースは一意に定まる。これはグロタンディークの定理によるものである。
グロタンディークの定理
をある作用素とする。その次数が を満たすなら、そのトレースは
のように定義されうる。ここで、 は の固有値とする。また、そのフレドホルム行列式は、z の整関数
である。関係式
も同様に成立する。最後に、 がある複素数値パラメータ w によって関連付けらなら、すなわち、 であり、そのパラメータ付けがある領域上で正則であるなら、
も同じ領域上で正則となる。
- 1 フレドホルム核とは
- 2 フレドホルム核の概要
- 3 p-総和可能な核
- 4 例
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