パラグライダー 講習制度(日本)

パラグライダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/22 13:31 UTC 版)

講習制度(日本)

日本の講習制度は、JHFによるものと茨城県のJPAによるスクール体制の2つがある。

公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟公認スクール
JHFが発行する「JHF教員技能証」を保持しているインストラクターが国際航空連盟ハンググライディング及びパラグライディング委員会技能証規程に基づいて運営するスクールである。
  • 公益社団法人に関する規定により、特定の者に対する利益供与が行えないため、、JHFが直営するスクールは存在しない。
特定非営利活動法人日本パラグライダー協会公認スクール
JPAが独自に考案し提唱する講習制度で運営されるスクールである。

フライヤー登録

フライヤー登録は、JHF発足時、日本航空協会の一分科会であった頃から続く自主規制の一環である。フライヤー登録には保険会社との保険契約が含まれており、すべてのフライヤー会員が保障の対象となるように、第三者賠償責任保険を契約している。 管理されたフライトエリアでフライトするにあたって登録は必須条件である。また、JHFフライヤーは、フライヤー登録、技能証、機材の安全性について管理運営する義務を自らに課す。

競技

競技会としては国民体育大会の競技種目としてや日本オリンピック委員会アジアオリンピック評議会が主催する国際総合競技大会 / アジアビーチ競技大会の競技種目として行われるもの、JHFが主催し日本航空協会公認記録として記録されるジャパンリーグ、スポーツグライダーシリーズ など公式大会。国際航空連盟主催による世界選手権やアジア選手権など国際大会がある。これら公式大会の大会運営には日本の統括団体であるJHFが当たっている。

その他にフライトエリア主催よる草大会や、JPA主催によりJPA会員のみで行う独自の競技会及びJPAが積極的に協力しているPWCなどがある。 JPA主催競技会やPWCについては、JPAのwebサイトを参照されたい。

競技の種類

ターゲット(アキュラシー)
ランディングの精度を競う競技。地上に書かれた同心円状のターゲットの中心を狙う。初心者も参加することができる。
パイロン競技
ある決められた地上の目標を、決められた順番に巡回し、その時間(早くゴールした者に高得点が与えられる。途中リードしたものにも加点される)やゴールできなかったグループには、達成度(達成距離に応じて配点)を競う競技。判定には携帯型GPSやカメラが用いられる。最近ではGPSが主流となってきた。競技をするには高い技能と深い知識が必要なため、主に上級者が行う。クロスカントリー飛行を伴うため、クロスカントリー技能証は必須となる。
キャッツクレイドル
あらかじめ決められたパイロンを繋いで、最も長い距離を飛ぶことを競う。上級者向けの競技。
ゴールタスク
遠方に設置されたゴールへの到達を競う。上級者向けの競技。
セットタイム
あらかじめ決めた飛行時間通り正確に飛行することを競う。初心者も参加可能。
デュレーション
滞空時間を競う競技。山肌を上昇する風や地表で暖められ発生した上昇気流を利用して、できるだけ長く飛ぶ。中級者も参加可能。
爆弾落とし
地上に設定されたターゲットに「爆弾」と称する(多くの場合)カラーボールを落とし、その精度を競う競技。ターゲット上空の風を読むことが重要である。
アクロバティック
さまざまなトリックを行い、その技と精度を競う競技。日本ではまだ正式な競技として行われてはいないが、世界的にはアクロバット飛行を目指すパイロットは近年急激な増加傾向がみられる。

記録

世界記録
(2005年3月現在FAI公認記録)
日本記録
(2005年3月現在(財)日本航空協会公認記録)
直線距離 423.4 km
  • 日付:2002年6月21日
  • パイロット:William GADD(カナダ
  • コース:テキサス州Zapata - South of Ozona
  • 機体:Gin Boomerang Superfly
263.18 km
  • 日付:1992年12月28日
  • パイロット:峰岸正弘(東京
  • コース:南アフリカ共和国クルマン地区
  • 使用機体:UP International KATANA FR51
アウトアンドリターン 213.8 km
  • 日付:2003年6月12日
  • パイロット:Primoz SUSA(スロベニア
  • コース:Soriska Planina(スロベニア)
  • 機体:Gradient Avax RSE
182.48 km
  • 日付:1992年12月28日
  • パイロット:峰岸正弘(東京)
  • コース:南アフリカ共和国クルマン地区
  • 機体:UP International KATANA FR49
獲得高度 4,526 m
  • 日付:1993年1月6日
  • パイロット:Robbie WHITTALL(イギリス
  • コース:Brandvlei(南アフリカ)
  • 機体:Firebird Navajo Proto
4,548 m
  • 日付:1996年1月1日
  • パイロット:峰岸正弘(東京)
  • コース:南アフリカ共和国クルマン地区
  • 機体:エアーウェーブ アルトXM

日本人選手の成績

選手の名前 性別 記録
岩崎拓夫 男性
  • パラグライディング ジャパンリーグ 2017年総合優勝[2]
  • 2018年 ジャカルタ アジア大会 クロスカントリー団体男子 金メダル[3]
扇澤郁 男性
  • パラグライディング ジャパンリーグ 総合優勝(1991年、1992年、1998年、1999年、2000年)
  • パラグライディング日本選手権 優勝(1994年、2003年)
  • パラグライディング世界選手権に日本代表として連続出場(1993年、1995年、1997年、1999年、2001年、2003年)
  • パラグライディングワールドカップ 4位入賞(2007年茨城大会、1995年フランス大会)
  • 2007年 レッドブル X-Alps 2007 5位入賞
川地正孝 男性
  • 2003年 第8回世界選手権(ポルトガル)第3位
  • 2004年 第1回アジア選手権(韓国)優勝
辻強 男性
  • 2000年 ワールドカップスペイン 優勝
  • 2003年 フランス選手権 3位
田中美由喜 女性
  • 1988年 ヨーロッパ選手権(フランス)女子3位
  • 1991年 世界選手権(フランス)女子2位
  • 1993年 世界選手権(スイス)女子3位
  • 1995年 世界選手権(日本)女子2位
  • 1996年 ワールドカップスペイン・女子1位
  • 2001年 世界選手権(スペイン)女子3位
神山和子 女性
  • 2000年 ワールドカップブラジル・女子優勝
平木啓子 女性
  • 2004年 第一回アジア選手権・女子3位
  • 2009年 ワールドカップスーパーファイナル・女子優勝
  • 2018年 ジャカルタ アジア大会 クロスカントリー団体女子 銀メダル[4]
福岡聖子 女性
  • 2008年 アクロバティック ワールドカップファイナルランキング・男女総合8位、女子1位
山下敦子 女性
  • 2017年 世界選手権(セルビア)女子1位[5]
  • 2018年 ジャカルタ アジア大会 クロスカントリー団体女子 銀メダル[4]
  • 2018年 パラグライディング ジャパンリーグ女子総合優勝[6]

メーカー

2021年現在、日本メーカーはない。以前、FALHAWKがパラグライダーの開発・販売を行っていた。また、第一興商が、かつてUPとパラグライダーの販売をしていたこともある。

  • ADVANCE(スイス)
  • Aerodyne(フランス)
  • Airwave(オーストリア)
  • APCO(イスラエル)
  • AXIS(チェコ)
  • BGD(オーストリア)
  • FALHAWK Co Ltd(日本)
  • Flight Design(ドイツ)
  • Flow(オーストラリア)
  • FreeX(ドイツ)
  • GIN(韓国)
  • GRADIENT S.R.O.(チェコ)
  • ICARO(ドイツ)
  • INDEPENDENCE(ドイツ)
  • ITV(フランス)
  • KGS(日本)
  • NOVA(オーストリア)
  • OXY WING(現OVAL THREE LTD.)
  • OZONE(フランス)
  • RIPPLE(日本)
  • Sky Paragliders(日本)
  • Skywalk(ドイツ)
  • SOL(ブラジル)
  • Sungliders(韓国)
  • SWING(ドイツ)
  • TEAM 5(オーストリア)
  • UP(ドイツ)
  • U-Turn(ドイツ)
  • WIND VALLEY Ltd
  • Windtech(スペイン)
  • Wings of Change(ドイツ)
  • 第一興商(関連事業部 スカイレジャー課、閉鎖; 日本)
  • FUJIKURA(藤倉航装)(日本)
  • 株式会社カシヤマ(日本)
  • ケンベック(日本)
  • 小林重力研究所
  • ザクト (ZACT)
  • ジール(日本)
  • ストームワークス(日本)
  • たかとり(日本)

  1. ^ 知恵蔵2015『三浦雄一郎』 - コトバンク
  2. ^ 2017ジャパンリーグランキング”. 2018年12月4日閲覧。
  3. ^ JOC日本選手団メダリスト”. 2018年12月6日閲覧。
  4. ^ a b JOC日本選手団メダリスト”. 2018年12月6日閲覧。
  5. ^ PWCA”. 2018年12月5日閲覧。
  6. ^ 2018年ジャパンリーグランキング”. 2018年12月6日閲覧。


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