バイオマーカー (薬学) 潜在的欠点

バイオマーカー (薬学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 12:37 UTC 版)

潜在的欠点

全てのバイオマーカーが医学的反応を完全に反映しているわけではない。使用目的によっては検査結果の妥当性を確認することが困難であったり、検証にいくつもの段階を経る必要があったりする。バイオマーカーが治療介入の成否を計るために使われるときは、そのバイオマーカーは、治療の直接的な効果を反映していなければならない。1980年代に行われた例が、バイオマーカーに頼りすぎた場合の落とし穴をよく表している。1980年中期、米国でフレカイニドとエンカイニドという2つの新薬が、心臓病の来歴を持つ患者の不整脈治療のために開発された。双方共に確かに不整脈を抑える効果を示した。しかし、効果を確認する大規模な治験は開始から1年で中止された。薬を投与された患者の死亡者数が、対照実験患者の2倍に上ったからである。フレカイニドとエンカイニドは1991年に米国でリコールを受けた。この例から、バイオマーカー特性を改善することが、必ずしも患者の生存率向上につながるとは限らないことがわかる。

関連項目

  • 生命存在指標 - 宇宙生物学などにおいて生命が存在する様々な指標を指す。「バイオマーカー」とも呼ばれる。

外部リンク


  1. ^ Loukopoulos P., Thornton J. R. , Robinson W. F. (2003). “Clinical and pathologic relevance of p53 index in canine osseous tumors”. Veterinary Pathology 40: 237-248. 
  2. ^ Loukopoulos P., Mungall B.A., Straw R.C., Thornton J.R., Robinson W.F. (2003). “Matrix metalloproteinase-2 and -9 involvement in canine tumors.”. Veterinary Pathology 40: 382-394. 
  3. ^ Loukopoulos P., Shibata T., Katoh H., Kokubu A., Sakamoto M., Yamazaki K., Kosuge T., Kanai Y., Hosoda F., Imoto I., Ohki M., Inazawa J., Hirohashi S. (2007). “Genome-wide array-based comparative genomic hybridization analysis of pancreatic adenocarcinoma: Identification of genetic indicators that predict patient outcome.”. Cancer Science 98: 392-400. 
  4. ^ メタボノミクスの定義は定まっていないが、ここでは原文をそのまま翻訳する。





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