ハタ (魚類) おもな種類

ハタ (魚類)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 13:30 UTC 版)

おもな種類

アカハタ Epinephelus fasciatus Blacktip grouper
全長40cmほど。和名のとおり全身が赤く、濃い赤褐色の横しまが5本あるが、背びれの棘条(とげ)の先が黒いことで近似種と区別できる。周囲が白っぽい環境では体色も白っぽくなる。南日本以南の太平洋インド洋の熱帯域に分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。地域によってはアカゴロと呼ぶ。正月料理になる地域もある。
キジハタ Epinephelus akaara Hong Kong grouper
全長30cmほど。全身に瞳孔より大きい橙色の斑点がある。本州以南から台湾まで分布し、浅い海の岩礁域に生息する。九州や香港で高級食材として人気が高い。学名は九州での呼び名「赤荒」による。地域によってはワタガシとも呼ぶ。浅い海に設置されたテトラポッドの間によく生息しており、比較的釣りやすい魚でもある。
アオハタ Epinephelus awoara Banded grouper
全長30cmほど。身体に褐色の5本の横しまがあるがあり、ひれが全体に青く端が黄色い。本州以南から南太平洋まで分布し、浅い海の岩礁域に生息する。九州や香港で食材とされるがハタ類の中では安価。学名は福岡での呼び名「青荒」により、長崎ではアオナと呼ぶ。
クエ Epinephelus bruneus Longtooth grouper
全長1mを超える大型種。体に6本の黒っぽい横しまがあるが、頭部のしま模様は口に向かって斜めに走る。幼魚は模様がはっきりするが、成魚になると模様が不明瞭になる。西日本から南シナ海まで分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。九州では他の種とともに「アラ」とも呼ばれ、高級食材として扱われ、釣りの対象魚としても人気が高い。
タマカイ
タマカイ Epinephelus lanceolatus Giant grouper
最大で全長2.7m・体重400kgの記録がある大型種。各ひれが黄色で、黒い斑点がひれの軟条に沿ってたくさん並ぶ。南日本以南の太平洋とインド洋の熱帯域に分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。
マハタ Hyporthodus septemfasciatus Convict grouper
全長1mほどになる大型種。極大まで成長したものをカンナギと呼ぶこともあり、ときに100kg程のものが釣り上げられる。体に7本の黒い横しまがあり、尾びれの先が白い。クエとよく似ているが、体がやや寸詰まりなことなどで区別する。よく似たマハタモドキ (Eightbar grouper Hyporthodus octofasciatus)という魚もいるが、尾の先が白くないことで区別する。西日本から南シナ海まで分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。タイなどに代わる高級養殖魚として注目されている。
ユカタハタ Cephalopholis miniata Coral hind
全長40cmほど。全身が朱色-赤色で、瞳孔より小さい青い斑点がたくさんある。南日本以南の太平洋とインド洋の熱帯域に分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。
サラサハタ Chromileptes altivelis Humpback grouper
全長40cmほど。全身白地に黒から暗褐色の丸い斑点があり、水玉模様の更紗の布地を連想させる。西日本から南シナ海、インド洋まで分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。香港では「老鼠斑 ロウシューバーン lou5syu2baan1」と呼び、ハタ類の中では最も美味な高級魚とされ、珍重される。
バラハタ Variola louti Yellow-edged lyretail
全長80cmほど。尾びれの上下端が長く伸び、胸びれ・背びれ・尻びれ・尾びれの端が黄色なのが特徴である。和名のとおり成魚の全身は赤いが、褐色の個体もいる。太平洋とインド洋に分布し、サンゴ礁の外礁斜面に生息する。体内にシガトキシンというを蓄えるので、食用にすると中毒を起こす場合があり、注意が必要である。
スジアラ Plectropomus leopardus Coral trout
全長80cmほど。全身が赤から褐色で、細かい水色の斑点が無数にある。南日本以南の太平洋インド洋の熱帯域に分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。同種の中では抜きん出て食味が良く、沖縄では「アカジンミーバイ(アカジンは赤い銭の意。換金性の高い魚であることから。)」、香港ではその斑点から「東星斑 トンシンバーン」と呼びやはり高級魚とされる。
オオアオノメアラ Plectropomus areolatus Squaretail coralgrouper
全長60cmほど。本種もスジアラ同様に全身が赤から褐色で、細かい水色の斑点が無数にあり、パラオでは「チアウ」と総称される。南日本以南の太平洋とインド洋の熱帯域に分布し、岩礁やサンゴ礁に生息する。香港では「西星斑 サイシンバーン sai1sing1baan1」と呼ばれて食用にされるが、シガトキシンを持つ個体もあるので注意が必要である。

  1. ^ a b 中村潤平, 本村浩之「ハタ科Serranidaeとされていた日本産各種の帰属,および高次分類群に適用する標準和名の検討」『IchthyNatural History of Fishes of Japan』第19巻、鹿児島大学総合研究博物館、2022年、26-43頁、doi:10.34583/ichthy.19.0_262022年11月24日閲覧 
  2. ^ Erisman, BE; Craig, MT, Hastings, PA (2008). “A phylogenetic test of the size-advantage model: evolutionary changes in mating behavior influence the loss of sex change in a fish lineage”. The American Naturalist 174 (3): E83-99. doi:10.1086/603611. https://doi.org/10.1086/603611. 


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