ノイマン級数 ノイマン級数の概要

ノイマン級数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/21 15:42 UTC 版)

定義

Aバナッハ空間 X での有界線形作用素とする(A ∈ B(X))。このとき、A作用素ノルム ||A|| が ||A|| < 1 を満たすならば、恒等作用素 I との差で与えられる I − A1対1で (I − A)−1 が有界作用素として存在するとともに、

が成り立つ。この級数をノイマン級数と呼ぶ。また、このとき、ノルムは

と評価される。

これは、|x| < 1 なる xC についての等比級数

の作用素への拡張になっている。

特に zC と有界作用素 A について、|z| > ||A|| であれば、レゾルベント作用素 (zIA)−1 が存在し、

および

が成り立つ。

逐次近似との関係

バナッハ空間 X の元uv と線形作用素 A で与えられる方程式

を考える。ここで、v は既知の変数とし、u を未知の変数とする。この方程式は

と変形できることから、逆作用素 (IA)−1 が存在し、それが求まれば、問題は解ける。 一方、元の方程式において、逐次代入を繰り返せば、

となる。従って、An+1u の項が無視できるとすると

で定義される un が逐次近似解となる。ノイマン級数は、一定の条件が満たされば、n → ∞ で逐次近似解 un が真の解となり、

となることを意味している。ノイマン級数の結果から、逐次近似解 un の誤差評価を行うこともでき、

である。




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