ダキア 文化

ダキア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/10 14:57 UTC 版)

文化

宗教

ダキア人の信仰の根幹を為していたのは「魂の不滅」であり、また「死」は、生きる場所が変化するだけのもの、と考えられていた。最高神官は、大地を支配する至高神ザルモクシス(あるいはザモルクシス)(Zalmoxis/Zamolxis)と同格視されており、同時に王の顧問の役も果たした。ザルモクシス神の他には、ゲベレイジス(Gebeleizis)やベンディス(Bendis)が信仰を集めていた。

社会

ダキア人の社会は、主に二つの階層から成っていた。タラボステス(Tarabostes)と呼ばれた特権階級と、自由農民(Comati)がそれである。特権を享受していたのはごく一部の人間に過ぎず、後の時代に発生するボイエリ(Boieri)(ルーマニアの貴族階級)の先駆けともいわれる。また軍隊の大部分を形成していたのは一般の農民や職工など(capillati)で、伝統的に髪を長く伸ばしていたことで知られる。

経済

最も盛んだったのは農業で、穀物や果樹の栽培・牛や羊の飼育を行っていた。また、養蜂が行われていたことも判っている。馬は専ら荷物の運搬に用いられたが、ダキア人の育てた馬は、戦闘馬としても非常に有名であった。

トランシルバニア地方の金山・銀山での採掘も盛んで、出土する大量の古代ギリシアおよび古代ローマ貨幣から、活発な貿易が行われていたことがうかがえる。

近年の考古学的調査では、細かい加工の施された金属製の装飾品が多数発見されているが、ダキア人はこのような技術を、恐らくケルト人や古代ギリシア人から学んだものと考えられている。

言語

ダキア語で記された碑文等は現在に至るまで発見されていないため、その全容を知ることは非常に困難である。ダキア語はラテン語にいくらか近く、そのために急速なローマ化が進んだ、とする説もあるが信憑性は薄い。

ダキア語が起源と考えられるルーマニア語の単語はおよそ70ほどある:baiat(男)、brad(樅の木)、buze(唇)、copac(木)、groapa(穴)等。また、アルバニア語と共通のものも見られる。


  1. ^ Statul geto-dac în timpul lui Burebista (ルーマニア語)


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