ジョン・ドス・パソス 影響

ジョン・ドス・パソス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/25 09:04 UTC 版)

影響

非線形の語り口を開拓したドス・パソスの作品は、文学界に多大な影響を与えた。アルフレート・デーブリーンの『ベルリン・アレクサンダー広場』、ジャン=ポール・サルトルの『自由への道』3部作は、とくにその手法の影響が強く見られる。サルトルは1936年のエッセイでドス・パソスを「我等が時代の偉大なる作家」と言及している。1968年ヒューゴー賞受賞のジョン・ブラナーの"非=小説"『Stand on Zanzibar』で、ブラナーは架空の新聞の切り抜き、テレビのアナウンスといったニュースや娯楽メディアからの素材を作品に利用した。ジョー・ホールドマンも似たようなカットアップ技法で長編『マインドブリッジ』や短編『ハワード・ヒューズに 控え目な提案』を書いた。

ジョン・ドス・パソス賞

ジョン・ドス・パソス賞英語版」は、ロングウッド大学英語版英語・現代語学部が制定した文学賞で、毎年、ジョン・ドス・パソス的特徴、つまり、アメリカ的なテーマについての独創的な探求、形式への実験的をアプローチ、人生経験への幅広い関心を示す創造的な作家に贈られる。これまでの受賞者は、グレアム・グリーン(1980年)、ギルバート・ソレンティーノ(1981年)、トム・ウルフ(1984年)、ラッセル・バンクス(1985年)、E・アニー・プルー(1997年)、リチャード・パワーズ(2003年)など。

代表作

  • One Man's Initiation: 1917 1920年
  • Three Soldiers 1921年
  • A Pushcart at the Curb 1922年
  • Rosinante to the Road Again 1922年
  • Streets of Night 1923年
  • マンハッタン乗換駅英語版』 - Manhattan Transfer 1925年
  • Facing the Chair 1927年
  • Orient Express 1927年
  • U.S.A.』1938年 - 以下の小説から成る3部作。
    • 「北緯四十二度線」 The 42nd Parallel 1930年
    • 「一九一九年」- Nineteen Nineteen 1932年
      • 並河亮訳 改造社 1950年 - 1951年/新潮文庫 1957年 - 1959年
    • 「ビッグ・マネー」- The Big Money 1936年
      • 並河亮訳 改造社 1950年 - 1951年/新潮文庫 1957年 - 1959年
  • The Ground we Stand On 1949年
  • Chosen Country 1951年
  • Most Likely to Succeed 1954年
  • The Head and Heart of Thomas Jefferson 1954年
  • The Men Who Made the Nation 1957年
  • The Great Days 1958年
  • Prospects of a Golden Age 1959年
  • Midcentury 1961年
  • Mr. Wilson's War 1962年
  • Brazil on the Move 1963年
  • The Best Times: An Informal Memoir 1966年
  • The Shackles of Power 1966年
  • World in a Glass - A View of Our Century From the Novels of John Dos Passos 1966年
  • The Portugal Story 1969年
  • Century's Ebb: The Thirteenth Chronicle 1970年
  • Easter Island: Island of Enigmas 1970年
  • Lettres à Germaine Lucas Championnière 2007年 - フランス語のみ

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