ジオグリフ (競走馬) 戦績

ジオグリフ (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 01:58 UTC 版)

戦績

2歳(2021年)

6月26日東京の2歳新馬(芝1800m)にクリストフ・ルメール騎乗でデビューし、3番人気に推された。道中好位でレースを進めると直線で鋭く脚を伸ばして先頭に立つと後続に1馬身半差をつけ快勝した[8]。なお、3着にはのちに菊花賞を勝利するアスクビクターモアが入っている。7月29日付で木村の調教停止処分に伴い、岩戸孝樹厩舎に転厩し[9]、転厩初戦となった9月4日の札幌2歳ステークスでは最後方追走から追い上げ、直線で先頭に立つと最後はアスクワイルドモアに4馬身差をつけてドレフォン産駒初の重賞制覇となった[10]。11月1日付で木村の調教停止処分終了に伴い、木村哲也厩舎に再転厩となる。

3勝目をかけた12月19日の朝日杯フューチュリティステークスでは2番人気に推され、レースでは道中後方二番手を追走。直線では大外に持ち出し上がり3ハロン最速タイの末脚で追い込むも、上位馬に届かず5着に敗れた[11][12]

3歳(2022年)

年明け初戦は共同通信杯を選択。メンバー唯一の斤量57kgを背負い1番人気に推されるが、ダノンベルーガの2着に敗れる[13]

4月17日、皐月賞に出走。ルメールはイクイノックスに騎乗するため、新たな鞍上として福永祐一を迎えた。道中は中団でレースを進め、直線で外から進出、内で食い下がったイクイノックスをゴール前で差し切り1馬身差で勝利した。この勝利で木村哲也調教師は初となるクラシック制覇、ドレフォン産駒はGI初勝利となった[14][15]。また福永にとっては騎手として現役最後のGI勝利[注 1]となった。レース後、福永は「自分が上手く誘導できれば勝てる馬だと思っていましたし、それに応えてくれた馬の走りが素晴らしかった」と走りを高く評価した[16]

2022年 皐月賞口取り式

続いて二冠を目指して5月29日の東京優駿(日本ダービー)に出走。道中は中団を追走して最終コーナーから追い込みをかけたものの直線で伸びを欠き、7着に敗れた[17][18]。その後の検査で右前脚第1指骨(繋骨)の骨折が判明し全治3ヶ月の見通しと発表された[19][20]

10月30日、東京競馬場で行われた天皇賞(秋)に当初は短期騎手免許で来日する予定だったクリストフ・スミヨンが騎乗する予定だったが、彼が2ヶ月に及ぶ騎乗停止処分を受けた事により来日自体が無くなり[21]、引き続き福永祐一とのコンビで出走[22]。まずまずのスタートを切り、終始中団の後ろにつけて前を伺っていたが、馬群から抜けきることはできず9着に敗れた[23]

12月11日、香港のシャティン競馬場で行われた香港カップに、初コンビであるウィリアム・ビュイックを鞍上に迎えて出走。日本馬5頭が出走する中、4番人気に支持されたが、直線でうまく伸びることができず6着に敗退。皐月賞以来掲示板を確保したレースがないまま一年を終えた。

4歳(2023年)

2月25日、4歳初戦として初のダート・初の海外挑戦となるサウジカップに出走。好スタートを決め、道中はパンサラッサをマークする形で好位に取り付いた。パンサラッサと同じタイミングで仕掛け、直線ラスト50mではやや失速したものの、粘って皐月賞以来の掲示板となる4着に入った[24][25]。その後ジオグリフは日本へ帰国せず、ドバイワールドカップへ参戦するためドバイへ転戦[26]するも、11着に敗れた[27]。 帰国後は宝塚記念に出走するも9着。

秋初戦はマイルチャンピオンシップ南部杯に出走し、前走同様9着。次走は1年ぶりにビュイックを鞍上に迎えチャンピオンズカップに出走、道中好位につけるも直線でほとんど伸びず前走同様レモンポップから大きく離された15着のシンガリ負けを喫する。なお南部杯の鞍上岩田望来が「個人的には芝のほうがいい印象を受けました」と指摘している[28]

5歳(2024年)

5歳初戦は芝に戻り中山記念を選択。道中はリズム良く前めのインを追走し、勝負所で反応よく加速。直線で外に出されるとジワジワと脚を伸ばし、優勝した皐月賞以来の馬券圏内となる3着に好走した[29]。続いて、3月31日に開催された大阪杯に出走。4番手で流れに乗ると、直線でも上位馬に食い下がり、芝GIでは皐月賞以来の掲示板となる5着に入った[30]


ジオグリフ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ストームキャット系
[§ 2]

*ドレフォン
Drefong
2013 鹿毛
父の父
Gio Ponti
2005 鹿毛
Tale of the Cat Storm Cat
Yarn
Chipeta Springs Alydar
Salt Spring
父の母
Eltimaas
2007 鹿毛
Ghostzapper Awesome Again
Baby Zip
Najecam Trempolino英語版
Sue Warner

アロマティコ
2009 栗毛
キングカメハメハ
2001 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
母の母
ナスカ
2003 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
アンデスレディー *ノーザンテースト
ペルースポート
母系(F-No.) レデイチヤツター(GB)系(FN:19) [§ 3]
5代内の近親交配 Mr. Prospector M4×S5 = 9.38%、Raise a Native S5×M5 = 6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[44]およびnetkeiba.com[45]
  2. ^ netkeiba.com[45]および競馬ラボ[46]
  3. ^ JBISサーチ[44]およびnetkeiba.com[45]
  4. ^ JBISサーチ[44]およびnetkeiba.com[45]

注釈

  1. ^ JpnIまで含めると同年のマイルチャンピオンシップ南部杯カフェファラオ)が最後となる。
  2. ^ 馬場状態の発表は「Good」[38]。これをJRAは「良」と発表した[39]馬場状態#芝馬場参照。
  3. ^ 斤量は123ポンド[38]、メートル法に換算すると約55.79キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「56.0kg」と発表した[39]
  4. ^ 馬体重は1102ポンド[38]、メートル法に換算すると約499.86キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「499kg」と発表した[39]
  5. ^ 馬場状態の発表は「Fast」[40]。これをJRAは「良」と発表した。馬場状態#ダートコース参照。
  6. ^ 馬場状態の発表は「Fast」[41]。これをJRAは「良」と発表した[42]馬場状態#ダートコース参照。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ジオグリフ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月6日閲覧。
  2. ^ 地標圖形 - 香港賽馬會”. racing.hkjc.com. 香港ジョッキークラブ. 2022年12月11日閲覧。
  3. ^ a b “競走馬情報 - ジオグリフ”. 日本中央競馬会. https://www.jra.go.jp/JRADB/accessU.html?CNAME=pw01dud002019105056/EC 2023年10月9日閲覧。 
  4. ^ 2022 香港国際競走要綱(簡易版)”. 2022年12月11日閲覧。
  5. ^ 2023 サウジカップ開催施行競走 登録要綱”. 2023年2月26日閲覧。
  6. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. IFHA. 2023年1月18日閲覧。
  7. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月26日閲覧。
  8. ^ 【東京5R新馬戦結果】ジオグリフが差し切り新馬勝ち”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2021年6月26日). 2021年9月4日閲覧。
  9. ^ 木村 哲也調教師(美浦)の調教停止に伴う管理馬の転厩”. JRAニュース. 日本中央競馬会 (2021年7月28日). 2022年8月6日閲覧。
  10. ^ 【札幌2歳S結果】ジオグリフが4馬身差突き放し無傷2連勝!ドレフォン産駒は重賞初勝利”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2021年9月4日). 2022年8月6日閲覧。
  11. ^ 【朝日杯FS】ジオグリフ上がり最速タイも5着 ルメール「後ろすぎた」”. 極ウマ・プレミアム. 株式会社日刊スポーツ新聞社 (2021年12月19日). 2021年12月24日閲覧。
  12. ^ 【朝日杯FS】2番人気ジオグリフは後方から届かず5着 ルメール「結果的に後ろすぎましたね」”. サンスポZBAT!競馬. 株式会社産経デジタル (2021年12月19日). 2021年12月24日閲覧。
  13. ^ 【共同通信杯結果】ダノンベルーガが突き抜けてデビュー2連勝!いざクラシックへ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年2月13日). 2022年4月17日閲覧。
  14. ^ 【皐月賞結果】ジオグリフが差し切り一冠目を制す!イクイノックス2着で木村哲也厩舎のワンツー”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年4月17日). 2022年4月17日閲覧。
  15. ^ ジオグリフ、混戦制す クラシック初戦で栄冠―競馬皐月賞”. 時事ドットコム. 株式会社時事通信社 (2022年4月17日). 2022年4月18日閲覧。
  16. ^ 【皐月賞レース後コメント】ジオグリフ福永祐一騎手ら”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年4月17日). 2022年4月17日閲覧。
  17. ^ 【日本ダービー】ジオグリフ7着で2冠ならず 福永「完璧には乗れなかった」”. Sponichi Annex. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2022年5月29日). 2022年8月6日閲覧。
  18. ^ 【日本ダービー】皐月賞馬ジオグリフ 7着 福永3連覇ならず「厳しい競馬になった」”. デイリースポーツ online. 株式会社デイリースポーツ (2022年5月30日). 2022年8月6日閲覧。
  19. ^ 皐月賞馬ジオグリフが右前脚を骨折 全治3カ月の見通し 骨片摘出の手術せず完治を待つ”. 極ウマ・プレミアム. 株式会社日刊スポーツNEWS (2022年6月1日). 2022年8月6日閲覧。
  20. ^ 皐月賞馬ジオグリフ 右前脚第1指骨を骨折 全治3カ月”. Sponichi Annex. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2022年6月1日). 2022年8月6日閲覧。
  21. ^ スミヨン騎手がひじ打ちで2か月間の騎乗停止に 天皇賞・秋でジオグリフには騎乗できず”. スポーツ報知 (2022年9月30日). 2023年4月15日閲覧。
  22. ^ 皐月賞馬ジオグリフは福永で天皇賞・秋へ 2か月騎乗停止スミヨンから鞍上変更でコンビ継続”. 東スポ競馬 (2022年10月5日). 2023年4月15日閲覧。
  23. ^ 【天皇賞・秋】ジオグリフは昨年に続く皐月賞馬Vならず9着 福永「コンディションは良かったですが…」”. サンスポZBAT! (2022年10月30日). 2023年4月15日閲覧。
  24. ^ “【サウジカップ】ジオグリフは初ダートで4着善戦 C.ルメール騎手「ラスト50で疲れてしまった。初ダートでしたが良い結果」”. テレビ東京スポーツ (株式会社テレビ東京). (2023年2月27日). https://www.tv-tokyo.co.jp/sports/articles/2023/02/027361.html 2023年3月3日閲覧。 
  25. ^ “【サウジC】パンサラッサだけじゃない!カフェファラオ3着、ジオグリフ4着など日本勢大活躍”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2023年2月26日). https://www.nikkansports.com/keiba/news/202302260000059.html 2023年3月3日閲覧。 
  26. ^ 2023サウジカップデー出走馬のドバイ到着 JRA”. jra.jp (2023年3月1日). 2023年4月15日閲覧。
  27. ^ 【ドバイWCレース後コメント】ウシュバテソーロ川田将雅騎手ら | 競馬ニュース”. netkeiba.com (2023年3月26日). 2023年4月15日閲覧。
  28. ^ 編集部, GJ. “岩田望来「芝のほうがいい」も次走はチャンピオンズC(G1)…かつてイクイノックスも撃破、皐月賞馬は何故ダートにこだわるのか”. GJ | 真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト. 2023年12月5日閲覧。
  29. ^ 【大阪杯】中山記念3着に見たジオグリフ「復活の兆し」距離適性も合う”. ウマトク (2024年3月26日). 2024年4月2日閲覧。
  30. ^ 【大阪杯】ジオグリフは5着止まりも復活への手応えは十分 北村宏「いい方向に進んできています」”. 東スポ競馬 (2024年3月31日). 2024年4月2日閲覧。
  31. ^ "競走成績:全競走成績|ジオグリフ". JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月9日閲覧
  32. ^ "ジオグリフの競走成績 | 競走馬データ". netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年10月9日閲覧
  33. ^ GEOGLYPH - The Hong Kong Jockey Club”. 香港ジョッキークラブ. 2023年2月26日閲覧。
  34. ^ Sakab Jockey Club - Race Result”. www.frusiya.com. サカブジョッキークラブ. 2023年2月26日閲覧。
  35. ^ Geoglyph | Race Record & Form | Racing Post”. www.racingpost.com. 2023年2月26日閲覧。
  36. ^ Emirates Racing Authority”. emiratesracing.com. エミレーツ競馬協会. 2023年3月26日閲覧。
  37. ^ Total Performance Data”. 2023年4月7日閲覧。
  38. ^ a b c Race Meeting:11/12/2022 Sha Tin RACE8”. racing.hkjc.com. 香港ジョッキークラブ. 2022年12月11日閲覧。
  39. ^ a b c 2022香港カップ - レース結果”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2022年12月11日閲覧。
  40. ^ Full Result 5:35 Riyadh (KSA) | 25 February 2022”. racingpost.com. レーシング・ポスト. 2023年2月26日閲覧。
  41. ^ Results|Emirates Racing Authority”. emiratesracing.com. エミレーツ競馬協会. 2023年3月26日閲覧。
  42. ^ レース結果:2023年ドバイワールドカップ 海外競馬発売 JRA”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2023年3月26日閲覧。
  43. ^ a b 河合力 (2022年5月15日). “皐月賞を制したジオグリフ。ノド鳴りを抱えながらも陣営が秘める二冠達成への手応え”. web Sportiva. 株式会社集英社. 2022年5月16日閲覧。
  44. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ジオグリフ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年9月4日閲覧。
  45. ^ a b c d e ジオグリフの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年9月4日閲覧。
  46. ^ ジオグリフ - Geoglyph - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 株式会社Do Innovation. 2022年8月6日閲覧。
  47. ^ 【皐月賞】社台グループの結晶ジオグリフが1冠、5代血統全てにチャンピオンサイアーの血脈”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツNEWS (2022年4月17日). 2022年4月17日閲覧。
  48. ^ ナスカの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年9月4日閲覧。





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