シューティングゲーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 08:20 UTC 版)
3Dシューティングゲーム
ゲームのデータ空間が3次元構造を再現していて、3次元的に表示するシューティングゲーム。オブジェクト指向プログラミングによるシミュレーション的な仮想空間の再現や3Dポリゴン技術などを用いることで実現している。
擬似3D処理としてスプライト・一枚絵の拡大縮小を使っているが、ゲーム内の仮想空間が3次元的に設計されている作品も(一応)3Dシューティングゲームに分類され、更に細かくジャンルを分ける際は「疑似3Dシューティング」と呼ばれる。
なお「二次元的視点 (斜め見下ろし視点のものを含む) で、ポリゴンを使用して3D処理している」というゲーム(『レイストーム』、『斑鳩』、『グラディウスV』など)は基本的に「2Dシューティング」に分類され、「3Dシューティング」には分類されない。
アーケードゲームではいわゆる「大型筐体」を採用し、プレイヤーが操作と連動して揺らされる「体感ゲーム」が多い。
強制スクロール型の2Dシューティングとはゲーム性が大きく異なる。
なお、各タイトルのゲーム設定やプレイヤーの体質にもよるが、3Dシューティングというのは、ゲームの仮想空間内で視線方向をあまりに激しく動かし続けると(ちょうど現実世界で頭をあまりに激しく振り回すと酔ったようになり、吐き気を催すのと同じで)「3D酔い」と呼ばれる症状を発する場合もある。視線方向を振ることを控えめにすると酔いにくい。
ファーストパーソン・シューティング(FPS)/ サードパーソン・シューティング(TPS)
3次元の仮想空間内を自由に移動して戦うシューティングゲーム。 3D処理には高い処理能力が要求されるが、コンシューマ機・スマートフォンの高性能化及びPCの低価格化が進むにつれて、世界的に普及していった
一人称視点のもの、つまり主人公の目線で仮想空間を見るものはファーストパーソン・シューティング(FPS)と分類され、三人称視点のもの、つまり主人公の眼とは別のところにあたかもカメラがあるかのようにして仮想空間を見るものはサードパーソン・シューティング(TPS)と分類される。ハードウェアの性能が向上した2000年代頃から多様化が進み、一人称視点と三人称視点の任意切り替えが可能なタイトルも増えている。
プレイヤーは仮想空間で主人公となり、課せられたミッションをこなす事でステージをクリアしていく。 単独プレイのほかに、プレイヤー同士がLANやインターネットを通じて対戦・協力プレイもできるようデザインされたゲームも多い。
世界的に人気が高いジャンルでもあり、特に「リアルなグラフィックや演出」「現実のような体験」が好まれる傾向がある欧米では、早くから3Dシューティングゲームの普及が進んだ。 一方、日本では文化的な違い[2]から、欧米に比べてFPS/TPSはアーケード・コンシューマ・PCのいずれにおいても普及が遅れていた。 しかし、2000年代に入るとインターネットの発達により海外のゲーム情報が身近になり、少しずつではあるが日本でも普及していくようになる。
リアルな戦場を表現したFPSとしては『バトルフィールド・シリーズ』、『コールオブデューティ・シリーズ』などの知名度が高い。これはFPSであるが、兵士の体験をシミュレーションするシミュレーション・ゲームとも言える。 FPSの「SFもの」としては『HALO』シリーズ、『DOOM』シリーズなどがある。
TPSとしては、たとえば以下のようなものがある。
なお、ソニー・インタラクティブエンタテインメントとゲリラゲームズが、「ゲームの地平線を目指すために」物理エンジンから作り直し、6年もの歳月と千名以上のスタッフで作り上げ、大ヒットしたPS4ソフトの大作、『Horizon Zero Dawn』も、(ゲーム全体では多要素であるが)その戦闘部分はTPSである。(他のTPSとは違って、銃やレーザー銃ではなく)弓矢を多用する、という特徴がある。
『フォートナイト』も(ゲーム全体は多要素ではあるが)戦闘部分はTPSである。
フライトシューティング
戦闘機などを駆って自由な空間移動が可能なシューティングゲーム。フライトシミュレーションにシューティングゲームの要素を混ぜたもののうち、物理現象などの再現よりも、特にシューティングゲームとしての要素を重視しているもの。代表的な作品は3Dポリゴンを用いた『エースコンバットシリーズ』、『サイドワインダーシリーズ』、『スカイガンナー』、『ブレイジング・エンジェル』、『エナジーエアフォースシリーズ』、『プロジェクト・ウィングマン』など。
フライトシューティングは歴史の古いジャンルではあるが、フライトシューティングという呼称が定着したのは『エースコンバット』をはじめとするコンシューマ機向け作品がフライトシューティングというジャンル名を冠して登場するようになってからである。それ以前は、たとえその内容が実質的にフライトシューティングであっても、フライトシミュレータと冠して発売されることが常であった。
なお、海外においてはフライトシューティング(flight shooter)という呼称はあまり用いられない。フライトアクション(flight action)という呼称がより一般的である。
スペースコンバットシューティング/スペースコンバットシミュレーション
宇宙船を操って宇宙空間を舞台に自由な空間移動が可能なシューティングゲーム。宇宙空間を舞台としたフライトシューティングとも言える。『スターラスター』、『PROJECT SYLPHEED』、『FreeSpace』などはここに分類される。また、スペースフライトシミュレーターの一ジャンルでもある。このうち、シューティングゲームとしての爽快感を重視したものはスペースコンバットシューティング (あるいは単にスペースシューティング)、高い戦術性や複雑な機体操作など、シミュレーションゲームとしての要素が強いものはスペースコンバットシミュレーションと呼ばれるが、明確な区分があるわけではない。
なお、シミュレーションといっても、必ずしも宇宙戦闘を物理学的・科学的に正しく再現することを目指しているわけではなく、『スター・ウォーズ・シリーズ』のようなSFの中での宇宙戦闘を模したものがほとんどである。その結果としてシューティングゲームの一種として分類されうるゲームになっている。
また、このジャンルには『Elite』、『FreeLancer』、『X:Beyond the Frontier』の様に、通常のシューティングのような、固定された内容のミッションだけでなくSF的世界観の中でフリーランスの宇宙船乗りとして宇宙を冒険し様々なランダムミッションや交易などを行う、ロールプレイングゲームや経営シミュレーションの要素を多く含むタイトルも存在している。
奥スクロール・シューティング
奥から手前にスクロールする強制スクロール型の3Dシューティングゲーム。3Dポリゴンによる本格的な3D処理が可能になる以前から、擬似3D処理としてスプライト・一枚絵の拡大縮小を用いてこの種のタイトルが作られてきた。代表的なタイトルは『スペースハリアー』、『アフターバーナーII』、『ギャラクシーフォース』、『スターフォックス』シリーズ、『パンツァードラグーン』シリーズなど。2DCGではあるものの、『サンダーセプターII』などのように、特殊メガネなどを使用した3D投影を行っているタイトルもある。
- ^ a b c d e “ガンダムの名シーンが「シューティングゲーム」という言葉を生んだ!? アクション、シューティング…ゲームのジャンル分けの歴史を徹底考察!”. 電ファミニコゲーマー (マレ): p. 1. (2017年11月17日) 2020年4月28日閲覧。
- ^ 「アニメ・マンガ文化」の影響から二次元的なキャラクターやストーリー重視の作品が好まれる事、銃器や軍事への馴染みの薄さが挙げられる。
- ^ Next Generation: EDGE'S TOP 100 GAMES OF ALL TIME
- ^ シューティングゲームサイドvol.10 収録インタビュー - マイクロマガジン社 2014年9月26日発行
- ^ シューティングゲームの歴史を解説したドキュメンタリー風ムービー - GIGAZINE
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